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【翻訳】プロのサイドボーディング術に学ぶ7つのカギ(前編)

      2016/12/29

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意外と簡単そうで、言語化する事すら難しいサイドボーディング。メインデッキは組めてもサイドボードは簡単には組めないことは結構あります。Channel Fireballから、サイドボーディングの解説が登場しました。気になる方は一読。

(原文はこちら)
7 Keys To Sideboarding Like a Pro by Paulo Vitor Damo Da Rosa

(翻訳)

サイドボーディングは、たぶんマジックで一番過小評価されている技術だろう。半分以上のゲームがサイドボード後なのに、我々はわずかな時間しか注いでいない。もし君がプレイテストの計画を分析したら、よほど早い段階でデッキを決めない限り無理も無い。単純にメインデッキのテストだけでも手いっぱいでサイドボード後のテストに回す時間もマンパワーも無いからだ。

結局、サイドボード前のゲームの方がより広く、フォーマットとそれぞれのデッキがお互いにどう戦うかの理解を得やすい。その基本さえ出来上がれば、いくつかの落とし穴に落ちない限り、そこから推測してサイドボードに活かすことも簡単になる。ところが、もしサイドボード後のゲームをより多くプレイしていたら、君はマッチアップとフォーマットに対して狭い視野しか持てなくなってしまって、それをサイドボード前の知識に変えるのは難しくなる。サイドボード前のテストをせずに大会に出るよりは、サイドボード後のテストをしない方がずっと良い。

この記事の目的は、どんなデッキにも使えるコツや考え方を提供して、君がサイドボードのテストに使える時間を最大化することだ。次回の記事ではマクロなアーキタイプごとの主なサイドボーディングのポイントに焦点を当てる。ここでの考え方は、もし基本的なコンセプトを理解していれば、君がトーナメントに出る前の日にデッキを決めたとしても、ありあわせのサイドボードを構築することが出来るという事だ。

★1.改善が必要な範囲を見極めよ、ただし相手のメインデッキではなくサイドボードに対してサイドを組もう。

多くの場合、ゲーム1の流れからゲーム2がどうなるか推測できて、修正はできると思う。もし相手が序盤のクリーチャーを大量に出して君がゲーム1に負けた場合、これが問題だと判断して、軽い除去や自分の軽いクリーチャーを増やせば対処できるだろう。これがメインデッキのテストがサイド後のゲームのテストよりも役に立つ理由の一つだ。直さないといけない問題点を洗い出してくれる。

しかし、相手も君と同じようにサイドボーディングを行っているという事を忘れてはいけない。デッキのアイデンティティが完全にサイドボード後に変わってしまうことは稀だが、可能性はあり、考慮しないといけない・・・相手がゲーム2からコントロールデッキに変身するなら、軽い除去を入れても役に立たない。サイドボード後のテストが役に立つ場面の一つだ・・・それがあり得るなら違いを確認できる。

これまでで一番サイドボーディングの教訓になったゲームは、PTチャールストンの決勝戦、チームブロック構築の試合だ。僕は白黒デッキで、斎藤友晴の白黒赤デッキ・・・マッチアップとして有利なデッキと対戦していた。1ゲームをリードして、ゲーム2に数枚の除去を追加し手札破壊を抜いた。セオリー上はマッチアップをさらに良くするものだ。どうなったかというと、斉藤はクリーチャーを全部抜いたんだ!ゲーム2と3では、彼のデッキは全部火力呪文と《巨大ヒヨケムシ》のような僕が殺せないクリーチャーばかりだったんだ。僕は手札に大量の除去を抱えながらバーンに負けてしまった。相手のサイド後のデッキじゃなくてメインデッキに対してサイドボーディングをしたせいで、僕はプロツアーの決勝に負けた。

★2.相手のプレー、または相手が見た物に合わせてサイドボーディングせよ

対戦相手はみんな違い、プレイスタイルに合わせてサイドボーディングを変えるべきだ。もし相手が守りに入り、あらゆるものをケアして動こうとするなら、相手がゲーム1で見たカウンターをサイドアウトするかもしれない。これは駄目な時と決定打になる時の差があるカード、例えば《驚愕ルーン》、《疑惑の裏付け》、《一所懸命》に対して有効だ。なぜならこれらは相手がケアしてプレイしていれば非常に弱いカードで、もし相手がその傾向があり、既にそのカードを見ているなら、それをサイドアウトすることで、デッキに入っていなくてもカードの恩恵を受けることが出来る。

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この手法が使えるもう一つの例は、黒緑系デッキに対して《血染めの月》をサイドインするかどうか判断する時だ。《欠片の双子》デッキ(訳注:モダンで禁止)をプレイしていた時、相手がゲーム2にどうフェッチしていたかを観察して、《血染めの月》をサイドインするかしないか決めていた・・・もし相手が基本土地を序盤からフェッチしていたなら、ゲーム3には《血染めの月》をサイドアウトしていた。既に相手が《血染めの月》を意識してそうしてることを恐れたからだ。もし相手が基本土地を探していなければ、ゲーム3に決定打の可能性がある《血染めの月》をサイドインする。

★3.先手と後手でサイドボーディングを変えるべし

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先手の時には強いけど後手の時には弱いカードもあり、サイドボーディングで弱い時にデッキから抜くことが出来る。例えば《白蘭の騎士》だ。大抵の場合後手だと強いが、先手だとそうでもない、なので君が先手なら気軽にサイドアウト出来るカードになる。

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今年の世界選手権の時、Brad Nelsonと対戦した。僕はアブザンをプレイして彼は《最後の望み、リリアナ》が複数入ったジャンドをプレイしていた。先手の時は戦場に十分な展開をして、相手がリリアナを3ターン目にプレイしてもすぐにアタックで殺せると判断したから、そして3ターン目に《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》をプレイできるようになる価値が大きい事から、《貴族の教主》を残した。そこまでたどり着けば、相手がリリアナを唱えても関係ない。しかし後手だったら、戦場はクリーチャーが少なくて、相手が何の危険も無くリリアナで崩壊させてしまうし、自分がギデオンを唱えるより早く唱えてしまう。そこで僕は後手の時は、《貴族の教主》を全部抜いて、相手の2マナ域に干渉できる手札破壊を追加した。

後編に続く)

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