【翻訳】(SCG)アグロが強すぎる環境でコントロールを続けるには
クリーチャーで殴るよりも、クリーチャーを《虐殺》する方が好きな人もいる。どんなに弱くてもインスタントやソーサリーを抱えるのが好きな人もいる。SCGの強豪プレイヤー兼ライター、Shaheen Sooraniもそんなコントロール中毒者の一人。バントカンパニーの支配率が上がり続ける中でもエスパーコントロールで結果を残し、「俺にコントロールできないトーナメントは無い」と言ってのけた漢です。
トップメタの赤白アグロのほかに3種類の全く異なるコントロールを提案しているので、新しいデッキに迷ったらぜひ参考にしてみてください。
(一部省略。原文はこちら)
How To Keep Playing Control When Aggro Is Too Good by Shaheen Soorani
(翻訳)
先週インディアナポリスで行われたSCGツアーで、カラデ
lシュが参戦してからのスタンダードの景色を見ることが出来た。トップがアグロで埋め尽くされていたのはみんなショックを受けたと思う。今のところはそういう環境で、しばらくはこのままだろう。
★サンプルレシピ 白赤機体アグロ
(Chris VanMeter SCGオープン優勝)
クリーチャー21
4:《無私の霊魂/Selfless Spirit》
4:《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》
4:《模範的な造り手/Toolcraft Exemplar》
4:《経験豊富な操縦者/Veteran Motorist》
3:《模範操縦士、デパラ/Depala, Pilot Exemplar》
2:《ピア・ナラー/Pia Nalaar》
呪文15
3:《高速警備車/Fleetwheel Cruiser》
4:《密輸人の回転翼機/Smuggler's Copter》
2:《蓄霊稲妻/Harnessed Lightning》
2:《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul
土地24
6:《山/Mountain》
10:《平地/Plains》
4:《感動的な眺望所/Inspiring Vantage》
4:《鋭い突端/Needle Spires》
サイドボード15
3:《稲妻織り/Weaver of Lightning》
4:《流電砲撃/Galvanic Bombardment》
2:《空鯨捕りの一撃/Skywhaler's Shot》
4:《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》
2:《断片化/Fragmentize》
ミッドレンジの黒緑昂揚を除けば、トップ8のデッキは全部4ターン以内に決着をつけることを目指していた。人間、機体、アグロ、まあ何と呼んでもいいけど、赤白デッキはセットのデザイナーから推されていた。トップ8はこの手のデッキが6人も占めていて、デッキビルダーとしては悲しい。アグロが環境を支配してたからじゃなくて、この最初の週に創意工夫がまるで無かったからだ。あのエキサイティングなスゥルタイコントロールやティムール現出のようなデッキが割り込んでくるのを見られなかった。だが、この変化に乏しそうな環境にも一筋の希望の光はある。
これだけ予測しやすい環境なら、いろいろなバリエーションのコントロールデッキがメタゲームと戦えるはずだ。プロツアー『カラデシュ』を控えて環境が変わる可能性はあるが、アグレッシブなデッキに支配されたままになるという根拠もある。あのFinkelの《過ぎ去った季節》デッキやNelsonの「赤緑ゴーグル」のような戦術が高いレベルの環境に突入することマオル、しかし落ち着いてみたらまたアグレッシブなデッキにみんな戻ってるだろう。そんな光景を緑白トークンでシーズン中ずっと見てきたし、その次の環境はバントカンパニーが後を継いだ。しかしそんなプロツアーの雰囲気でも、ここで紹介するコントロールはうまく調整できると賭けるよ。
★コントロールの選択肢
さて、どうしようか?以前の記事で赤白アグロに強いコントロールの回答を紹介した。
★黒赤コントロール
クリーチャー9
2:《陰謀の悪魔/Demon of Dark Schemes》
4:《ゴブリンの闇住まい/Goblin Dark-Dwellers》
3:《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet》
プレインズウォーカー7
3:《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》
3:《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》
1:《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》
呪文18
4:《流電砲撃/Galvanic Bombardment》
3:《闇の掌握/Grasp of Darkness》
2:《蓄霊稲妻/Harnessed Lightning》
3:《放埒/Live Fast》
3:《破滅の道/Ruinous Path》
3:《精神背信/Transgress the Mind》
土地26
4:《山/Mountain》
8:《沼/Swamp》
2:《荒廃した湿原/Blighted Fen》
4:《燃え殻の痩せ地/Cinder Barrens》
4:《凶兆の廃墟/Foreboding Ruins》
4:《燻る湿地/Smoldering Marsh》
サイドボード15
3:《本質の摘出/Essence Extraction》
4:《コジレックの帰還/Kozilek's Return》
1:《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》
2:《失われた遺産/Lost Legacy》
3:《精神腐敗/Mind Rot》
1:《苦い真理/Painful Truths》
1:《精神背信/Transgress the Mind》
赤黒コントロールのアグロ環境に対する弱点は《光輝の炎》のための3色目が無い事だ。メインデッキとサイドボードは前の記事から変わったが、主なパーツは変わっていない。《ゲトの裏切り者、カリタス》を増やし、4枚の《流電砲撃》を加え、アグロに効果が薄いカードをメインデッキから減らした。アップデートした赤白アグロとプレイテストをしてみて、このデッキに自信が出来て可能性があると確信した。
しかし今日は別のコントロール案を披露したい。
★青黒コントロール
クリーチャー4
4:《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》
プレインズウォーカー5
1:《秘密の解明者、ジェイス/Jace, Unraveler of Secrets》
3:《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》
1:《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis
呪文25
4:《予期/Anticipate》
3:《天才の片鱗/Glimmer of Genius》
4:《闇の掌握/Grasp of Darkness》
3:《殺害/Murder》
4:《風への散乱/Scatter to the Winds》
1:《即時却下/Summary Dismissal》
3:《破滅の道/Ruinous Path》
3:《精神背信/Transgress the Mind》
土地26
3:《島/Island》
8:《沼/Swamp》
1:《霊気拠点/Aether Hub》
2:《荒廃した湿原/Blighted Fen》
4:《詰まった河口/Choked Estuary》
4:《水没した骨塚/Submerged Boneyard》
4:《窪み渓谷/Sunken Hollow》
サイドボード15
1:《疑惑の裏付け/Confirm Suspicions》
3:《本質の摘出/Essence Extraction》
1:《否認/Negate》
1:《即時却下/Summary Dismissal》
3:《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet》
1:《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》
3:《鞭打つ触手/Flaying Tendrils》
1:《破滅の道/Ruinous Path》
1:《精神背信/Transgress the Mind》
★エスパーコントロール
クリーチャー1
1:《約束された終末、エムラクール/Emrakul, the Promised End》
プレインズウォーカー9
3:《ドビン・バーン/Dovin Baan》
1:《秘密の解明者、ジェイス/Jace, Unraveler of Secrets》
2:《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》
1:《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》
2:《死の宿敵、ソリン/Sorin, Grim Nemesis》
呪文24
1:《苦渋の破棄/Anguished Unmaking》
4:《闇の掌握/Grasp of Darkness》
1:《殺害/Murder》
4:《ジェイスの誓い/Oath of Jace》
2:《罪人への急襲/Descend upon the Sinful》
2:《燻蒸/Fumigate》
2:《破滅の道/Ruinous Path》
4:《棚卸し/Take Inventory》
4:《精神背信/Transgress the Mind》
土地26
2:《島/Island》
1:《平地/Plains》
5:《沼/Swamp》
4:《詰まった河口/Choked Estuary》
2:《進化する未開地/Evolving Wilds》
4:《大草原の川/Prairie Stream》
4:《乱脈な気孔/Shambling Vent》
4:《窪み渓谷/Sunken Hollow》
サイドボード15
2:《本質の摘出/Essence Extraction》
2:《否認/Negate》
2:《即時却下/Summary Dismissal》
1:《約束された終末、エムラクール/Emrakul, the Promised End》
3:《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet》
3:《鞭打つ触手/Flaying Tendrils》
1:《苦い真理/Painful Truths》
1:《破滅の道/Ruinous Path》
★青黒コントロールを語ろう
少し前にあるソーシャルメディアで、愛する青魔道士たちにこれに近いリストを贈った。黒赤コントロールが一番良い選択だとは思うが、この二つのリストはアグロだらけの世界に回答するための調整が出来ると思う。青黒コントロールは《奔流の機械巨人》というエンジンを基盤に据え、強力なインスタントで序盤を耐えて終盤にデカいインパクトを叩き付ける。このマンモスのようなクリーチャーを呪文を打ち消しながら唱えるのは相手にとっては壊滅的だ。
《風への散乱》を《虚空の粉砕》より優先するのは難しい選択だった。エスパーコントロールなどのタップアウトコントロールなら、まず《虚空の粉砕》になる。《風への散乱》はフラッシュ型のコントロールでは強力なカードだ。クリーチャー土地を作って勝ち手段を増やせるなんて普通は不可能だ。
勝ち手段は機械巨人に加えていくつかのプレインズウォーカーを入れ込んだ。このデッキでは《最後の望み、リリアナ》は弱く見えるかもしれないが、《奔流の機械巨人》を再利用できるのは強力なアクションだ。
除去、ドロー、包括的回答は《破滅の道》を除いてインスタントで組まれている。アグロの世界でもお気に入りのプレインズウォーカーを使う相手は必ずいるから、《破滅の道》は外せない。コントロールは解決されてしまったプレインズウォーカーに長年苦しめられてきたし、今もそうだ。強力なプレインズウォーカーと《破滅の道》以外は相手のターンに動くから、このリストは対応型のコントロールが大好きなキミのためのデッキだ。
★エスパーコントロールを語ろう
エスパーコントロールを投稿するまで数日しか要らなかった。みんな来ると分かっていただろうけど、今回は今のメタゲームでプレイしたいと思う3番目のデッキだ。このデッキは高いパワーレベルを持ってはいるが、《闇の誓願》を失ってから持続力を失った。エスパーコントロールは前環境と同じ動きをする。《ジェイスの誓い》と《棚卸し》(劣化した《ヴリンの神童、ジェイス》だ)で土地を伸ばし、プレインズウォーカーが到着するまで単体除去と全体除去で生き延びる。
《約束された終末、エムラクール》は未だコントロールが使える最高のフィニッシャーだが、サーチする手段を失った。緑のデッキは《ウルヴェンワルド横断》があるが、他の色はそんな贅沢は出来ない。前は《久遠の闇からの誘引》を使っていたが、《卓絶のナーセット》で公開したり使いまわせないなら追加のエムラクールの方が良い。
昂揚はエムラクールを機能させるために必要な存在だ。昂揚を積極的に狙っていく関係で、《罪人への急襲》の価値は上がっている。《燻蒸》は大半のケースで《罪人への急襲》よりずっと弱い。たとえ一番速いデッキが相手でも、《罪人への急襲》のほうがそのより軽いリセットよりも、何回も活躍した。
自分のライフが9ではなく3まで落ち込むこともあったが、4/4の天使はライフ6点分の価値がある。別のケースでは、《秘蔵の縫合体》や《憑依された死者》の大軍を前にして全体追放が無ければ生き残れない場面もあった。Facebookにエスパーコントロールのリストを上げた時は4枚の《燻蒸》を入れていたけど、今はもっとコストの高いソーサリーを入れるために枠を分けている。《燻蒸》はスタンダードのコントロール戦術を支えるキーパーツだが、《衰滅》の穴を埋めるにはほど遠い。
★サイドボード
どちらの青いコントロールにも《ゲトの裏切り者、カリタス》、《本質の摘出》、《鞭打つ触手》を大量に入れてある。この3枚はアグロに支配された世界で生き残るための黒い主力カードだ。
サイドボードの残りの枠はそれぞれのデッキの必要なものに合わせている。青黒コントロールはインスタントを要求し、エスパーコントロールはどちらでもよい。青い魔道士の良い所は、《即時却下》があるから《失われた遺産》をプレイしなくても良い事だ。《失われた遺産》は《約束された終末、エムラクール》にただ1回、回答するためだけの嫌なカードだ。
サイドボーディングは前シーズンより直感的にやれるようになった。あらゆる除去、カウンター、墓地対策がはっきりとした役割を持つ。一方メインデッキは、どんなマッチアップでもプレイを重ねることで効果的かどうか判断する余地がある。
コントロールで成功するには絶えず修正を続けなければいけない。もし地元のトーナメントで7ラウンド中6ラウンドをアグレッシブなデッキと戦う羽目になったら、エスパーコントロールの《棚卸し》をカットして除去を増やすべきだろう。今のところ俺は黒赤コントロールに集中しているし、プロツアー『カラデシュ』がメタゲームを多少は動かすだろうから、この2つのデッキは最適化した形で残したかった。君たちの地元のトーナメント、地方予選、もしかしたらプロツアーで、この異なるコントロールの挑戦を楽しんでくれるよう願っているよ!
(翻訳終了)
どんな環境でも自分の好きなスタイルを貫く姿は憧れますね。今は機体アグロが伸びていますが、まだまだ予想外の強力なデッキが眠っているはず。楽しんだもの勝ちで行きましょう。