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【翻訳】SCG20位本人が送る黒緑昂揚の使い方とサイドボード

   

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環境最初の大型大会で好成績を収めた黒緑昂揚デッキのサイドボーディング付き解説です。新しいデッキがこの勢いで伸び続けてくれたらよいですね!若干省略アリ。

原文はこちら。
The Complete Guide To G/B Delirium by Todd Stevens

(翻訳)

《反射魔導士》にはもううんざり?《呪文捕らえ》を見るとガッカリする?《集合した中隊》で気が狂いそう?よし、そんな君のためのデッキだ!

先週末のSCGコロンバスで俺は黒緑昂揚で11-4という成績を収め、20位と良い結果に終わった。デッキを解説する前に、テストに付き合って一緒にデッキを完成させてくれたRobert Wrightに感謝したい。

★サンプルレシピ

(SCGコロンバス20位)

クリーチャー20枚
4:《死霧の猛禽/Deathmist Raptor》
3:《棲み家の防御者/Den Protector》
3:《節くれ木のドライアド/Gnarlwood Dryad》
4:《残忍な剥ぎ取り/Grim Flayer》
2:《精神壊しの悪魔/Mindwrack Demon》
3:《森の代言者/Sylvan Advocate》
1:《墓後家蜘蛛、イシュカナ/Ishkanah, Grafwidow》

呪文16枚
4:《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》
4:《死の重み/Dead Weight》
4:《闇の掌握/Grasp of Darkness》
4:《破滅の道/Ruinous Path》

土地24枚
6:《森/Forest》
8:《沼/Swamp》
2:《進化する未開地/Evolving Wilds》
4:《風切る泥沼/Hissing Quagmire》
4:《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》

サイドボード15枚
1:《棲み家の防御者/Den Protector》
3:《空への斉射/Aerial Volley》
2:《墓後家蜘蛛、イシュカナ/Ishkanah, Grafwidow》
2:《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet》
2:《強迫/Duress》
1:《衰滅/Languish》
4:《精神背信/Transgress the Mind》

このデッキは「黒緑昂揚」と名前を付けられてはいるが、どちらかと言えば昂揚能力が付いたカードがたまたま多い黒緑アグロという感じだ。昂揚を達成することがこのデッキのメインテーマではない。むしろ軽くて効率の良いクリーチャーでゲームを素早く終わらせるために除去を使う動きだ。「昂揚」は明らかにオマケで、《発生の器》のような昂揚を助けるけど戦場に影響がないカードはデッキに入れなかった。俺はデッキの全てのカードに相手と相互干渉できるようにしたかった。この速い環境では、墓地を埋めるためにターンを消費することは非常に高くつくからだ

CardGrimFlayerJ

《残忍な剥ぎ取り》は一番疑問を受けたカードで、多くの人はこのカードを誤解していると思う。理論上2/2では2/3が溢れている環境で弱い、しかし《残忍な剥ぎ取り》は一番強いクリーチャーで、おそらくこのデッキで最も強力なカードだ。

《残忍な剥ぎ取り》は単体では力を発揮できないが、適切にデッキを組めば輝く。《残忍な剥ぎ取り》は《秘密を掘り下げる者》のように考えるべきだ。デッキが間違っていれば《秘密を掘り下げる者》はただの1/1で、《残忍な剥ぎ取り》も同じだ。

《残忍な剥ぎ取り》が、大抵の場合除去や《最後の望み、リリアナ》の助けを借りるが、1回でも相手にダメージを与えたら、そこから雪だるま式にゲームは君にとっていい方向に転がっていく。《残忍な剥ぎ取り》は占術3と高確率の昂揚達成を同時にやってのける。もし黒緑昂揚アグロを組むなら、《残忍な剥ぎ取り》はそれに合わせてデッキを組むべきカードだ。

CardGnailwoodJ

このデッキの影のヒーローだ。《ドロモカの命令》が溢れた環境で、《チフス鼠》は強力だ。あまり3/3になることは無かったが、《節くれ木のドライアド》は2~3マナ域の格上の相手と交換してリリアナを守ってくれた。バントカンパニーは君のターンに呪文を唱えることが出来てアタックし辛くするが、《節くれ木のドライアド》はレッドゾーンに送りやすい。当初61枚デッキで4枚目の《節くれ木のドライアド》が入っていたが、最後の最後で4枚目を削って60枚にして、結局トーナメントの間ずっと後悔した。次からは《森の代言者》を削って4枚目を投入する。

《森の代言者》はトーナメントを通じて行き当たりばったりになりやすいカードだった。今の環境で《森の代言者》が抱えている問題は、バントカンパニーがより大きいクリーチャーをプレイし、あるいは回避し、唯一の除去である《ドロモカの命令》を投入して、《森の代言者》を倒すために組まれている事だ。これは《残忍な剥ぎ取り》も同じように言えるが、相手にダメージを与えた時の利点がバントカンパニーに対しては《森の代言者》よりも優位にある。《残忍な剥ぎ取り》は《森の代言者》と違い、相手にブロッカーを残さずにアタックする事をためらわせる。

《死霧の猛禽》が世界中で氾濫していた2015年を思い出す。《節くれ木のドライアド》がそうであるように、接死は《ドロモカの命令》が一番多い除去である環境であまりにも重要だ。《残忍な剥ぎ取り》と《最後の望み、リリアナ》は《死霧の猛禽》・《棲み家の防御者》パッケージの強さを似たやり方で引き出してくれる。《残忍な剥ぎ取り》は《死霧の猛禽》を墓地に落とし、《最後の望み、リリアナ》は《棲み家の防御者》を手札に戻す能力を持つ。

CardMindwhackJ

理論上なら《精神壊しの悪魔》は《節くれ木のドライアド》《残忍な剥ぎ取り》《死霧の猛禽》と一緒にアグロデッキに組みこむと強いが、《反射魔導士》と《呪文捕らえ》の環境ではあまり当てにできない。このカードはトーナメント間で一番多くサイドアウトしていた。

CardIshkanahJ

昂揚を達成して5マナを達成できれば強力だが、どちらもこのデッキでは絶対じゃない。ゲーム1で唱えることは無かったが、唱えられたら嬉しいカードだった。伝説の蜘蛛なので入れ過ぎは禁物だ。

《死の重み》のメインデッキ4枚は非常に良かった。今後も枚数を変えることは無いだろう。《残忍な剥ぎ取り》と組み合わせる最高のカードだし、ゲーム序盤に、1ターンに複数の意味のある呪文を唱えることが出来る。このカードは、昂揚デッキで他のプレイヤーが一番強さを見落としていたカードだ。

《闇の掌握》はトーナメントを通じて予想以上に活躍した。インスタントスピードであることがただただ重要で、《闇の掌握》はスタンダードのあらゆる脅威をたった2マナで除去してくれる。4枚よりもっとデッキに入れたいくらいだ。トランプルを持っている《残忍な剥ぎ取り》とも相性が良い。

CardRuinousPathJ

言うまでも無いが、普通の除去だ。悪くないが素晴らしくも無い。時にはプレインズウォーカーを破壊することが必要で《破滅の道》は一番良い選択肢だ。

CardLilianaLastHopeJ

《最後の望み、リリアナ》は本物だ。彼女は歴代最強の3マナプレインズウォーカーの一つだ。リリアナと《残忍な剥ぎ取り》は組み合わさると非常に強く、この2枚の組み合わせがこのデッキその物だ。リリアナがプロツアー「異界月」でブレイクを起こしても俺は驚かない。

新しいリリアナは《死の重み》と組み合わせて2/3を落とし、《棲み家の防御者》とも完璧にシナジーを組む。俺は何度もリリアナで《棲み家の防御者》を回収して、相手はアタックでリリアナを殺す。すると俺は《棲み家の防御者》でリリアナを回収して、《死霧の猛禽》が墓地に溜まるまで繰り返すんだ。この2枚のカードはたとえバントカンパニーが相手でも消耗戦で勝てるエンジンだ。

★サイドボーディング

このガイドは俺が今回使ったデッキでのサイドボードだ。このデッキのサイドボーディングは難しく、Robert Wrightと俺はずっとサイドボーディングで話し続けていた。異なるやり方でずっと大会中も実験を続けていて、ここに書くのは俺が勧めるやり方だ。

対バントカンパニー

OUT
2精神壊しの悪魔
2死の重み
3森の代言者
IN
3精神背信
1衰滅
2墓後家蜘蛛、イシュカナ
1ゲトの裏切り者、カリタス

Round3でこの日チャンピオンになるDevin Koepkeに負けるまで、《精神背信》がバントカンパニーに効くと気付かなかった。《呪文捕らえ》《集合した中隊》《大天使アヴァシン》によって君のターンに動いてくるデッキだが、《精神背信》はバントカンパニーを受け身に回らせるカードだ。

バントカンパニーは常に手札を抱えているデッキだから、たとえ《精神背信》が空振りに終わても、君は勝っているだろう。サイド後は《悲劇的な傲慢》を持っていることも多く、《精神背信》の的になる。

対青白スピリット

OUT
1節くれ木のドライアド
1森の代言者
1破滅の道
2死霧の猛禽
1精神壊しの悪魔
IN
3空への斉射
1衰滅
2墓後家蜘蛛、イシュカナ

クリーチャーを削って除去を入れる。このマッチアップはサイド前から有利で、サイド後はさらに良くなる。一番良いマッチアップだから、ずっとスピリットに当たりたいと感じていた。

対白赤人間

OUT
2棲み家の防御者
2精神壊しの悪魔
1破滅の道
IN
1衰滅
2ゲトの裏切り者、カリタス
2墓後家蜘蛛、イシュカナ

このマッチアップは良さそうに見えるが、序盤のドローが良くないと難しい。《精神壊しの悪魔》のステータスはこのマッチアップでは素晴らしく《墓後家蜘蛛、イシュカナ》のために昂揚を達成させてくれるが、昂揚を達成できず毎ターン4ライフを失うリスクは大きい。このマッチアップには2枚目の《衰滅》が欲しい。

対緑白トークン

OUT
1死の重み
3節くれ木のドライアド
1精神壊しの悪魔
1墓後家蜘蛛、イシュカナ
IN
4精神背信
2ゲトの裏切り者、カリタス

《搭載歩行機械》を倒せる《死の重み》は有効だが、4枚全部は要らない。《節くれ木のドライアド》は序盤の《搭載歩行機械》に弱いから抜ける。《精神壊しの悪魔》はこのマッチアップに良いが、《ゲトの裏切り者、カリタス》の方が4マナ域としては良い。出来るだけ《神聖なる月光》をケアして《死霧の猛禽》をプレイしよう。

対スゥルタイコントロール

OUT
4死の重み
2節くれ木のドライアド
1墓後家蜘蛛、イシュカナ
IN
4精神背信
2強迫
1棲み家の防御者

このマッチアップで対戦することは無かったが、サイドボードをやるならこうだ。《節くれ木のドライアド》は《衰滅》に弱く、《墓後家蜘蛛、イシュカナ》はこのマッチアップでは遅すぎる。

対緑赤ゴーグル

OUT
4死の重み
1墓後家蜘蛛、イシュカナ
4闇の掌握
IN
2強迫
1棲み家の防御者
2ゲトの裏切り者、カリタス
4精神背信

俺をトップ8争いから蹴落としたこの緑赤ゴーグルは最悪のマッチアップだ。このデッキは相手が流れを掴む大型呪文を唱える前にゲームを終わらせるほど早くはない。君は手札破壊を引いてそれがうまく機能することを祈るしかないが、俺はそうならなかった。そう起こらないと思うけれど、もしメタゲームの大半が緑赤ゴーグルになるようなら、俺のような黒緑アグロは使わない方が良い。

(翻訳終了)

昂揚に依存しすぎない昂揚デッキ、良さそうですね。龍紀伝の資産がけっこう必要ですが、新しいデッキがやりたいプレイヤーは試してみては?

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