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ようやくMTGに復帰できた雑魚プレイヤーの翻訳中心ブログです。

【翻訳】正直今のスタンダードってどうなの?(SCGより)

      2016/07/17

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原文の書き出しは新環境の準備や構築に向けたアドバイス、と見せかけて本当の趣旨は・・・

バランスは大事。

長いので、別ジャンルのゲームに例える部分などの省略も多め。(それでもいつもより長いですが…)
原文もどうぞ。
A Critique Of Shadows Over innistrad Standard by Ross Merriam

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翻訳

異界月がすぐ迫っている。エムラクールがイニストラードの住民たちを壊滅させに来た。

君たちがこれを読んでいる間も新しいカードが公開されて、みんな未知の世界に潜り、どのカードがフォーマットを支配してどのカードがそうでもない《スカーブの殲滅者》や《オレリアの憤怒》の仲間に連なるのか、考えているだろう。

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熱い議論を交わし、デッキのアイデアを練る、マジックで一番ワクワクする数週間を始める前に、少し時間を取って「イニストラードを覆う影」のスタンダードを振り返ってみよう。これには2つの意図がある。

第一に、「異界月」の前にフォーマットがどんな状態なのかアタリをつける。こうすることで、公開されたカードを分析するときに適切な判断基準が与えられ、次のスタンダードで活躍できるかの可能性を評価することが出来る。

第二に、今のフォーマットに何が欠けているのかを知り、その穴をカードや戦術で埋めることで、最初は古いデッキで埋まる環境からどんな新しいアーキタイプが作れそうか考えることが出来る。

はじめに、私はここ数年のスタンダードに満足していると言っておこう。

僅かな例外を除いて、1つのデッキが支配したことは無く、あらゆるアーキタイプと戦術が混ざり合い、デッキ構築、サイドボード、プレイングで素晴らしい選択が創り出されていた。プレイヤーは新しいデッキやサイドボード戦術を考えるほど報われて、もし同じデッキを1、2週間も使い続けていたら、メタゲームに追いつくために相当努力しなければ置いていかれる環境だった。

スタンダードがこれほどダイナミックになる鍵はバランスだ。何よりも他のプレイヤーの行動に併せて自分の選択を行う環境であるためにも、誰も変化を起こそうとしない停滞したメタゲームにならないためにも、カード、色、戦い方がバランスよく収まっている必要がある。マジックが一週間ごとに新しい勝者を決めるたびに、集団心理が変化して、次のトーナメントのメタゲームが変化するのだ。

この慎重に作られたバランスが脅かされたら、少数のトップデッキが群れを離れて、競技重視のプレイヤーは延々と同じ選択を《むかつき》ながら繰り返して、そうでないプレイヤーはTier1デッキとまともに戦えるローグデッキも見つけられずフラストレーションが溜まっていく

最初は面白くても変化が無ければみんな退屈になる。新しいカードを通じたメタゲームの継続した変化、フォーマットのローテーションがマジックをチェスやポーカーと分けるものだ。それは複雑さをもたらしているが、君をおいて行ったりはしない。デッキが嫌なら変えればいい。今のスタンダードが嫌なら、三ヵ月後には変わる。牛乳は体に良いが、変化は心に良い

はっきり言おう、今のスタンダードには変化が必要だ。異界月にはこれまで記憶にあるどのセットよりも、ただそれだけを求めている

私は同じデッキを使い続けるのが好きだ。レガシーではエルフとマーヴェリックを使い、スタンダードでは青白Delverと青単信心を使い、モダンでは出産の殻を使い続けた。しかし青単信心を除いてそれらのデッキのフォーマットは常に変わり続けるもので、たとえ自分の使う道具が大きく変わらなかったとしても、常に新しい挑戦に挑み新しいパズルを攻略していた。そういう時は制限がクリエイティブさを生み出し、他のプレイヤーが単にデッキを変えている間に私は解決策を見つけてきた。

今回のスタンダードでは、早い段階でトップデッキが見つかり、そこから流れが逸れる事は無かった。《謎の石の儀式》の隆盛と没落があり、人間デッキが帰ってきて、白緑トークンが攻撃よりコントロールに寄ったが、それらは固定したグラフの誤差でしかない。先のGPピッツバーグまで、みんな最強のデッキは何か分かっていて、そのどれかを使わなければ確実に間違っていた。

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緑白トークンは明らかなトップデッキとして君臨し、プロツアーを優勝してからその座を譲ることは無かった。《集合した中隊》と《反射魔道士》は誰が見ても分かるように優秀で、人間アグロは対策すれば勝てるけど無視したら危険だ。一部のマイナーなプレイヤーはグリクシスコントロール、青赤エルドラージ、白黒コントロールでメタゲームに割り込もうとしたけれど、どれもそこそこ程度の結果に過ぎない。

総合的には停滞したスタンダードであり、その一番の原因はバランスが無くなったことだ。白と緑は強くなりすぎて、グリクシス(青黒赤)カラー、特に青が弱かった。私はピッツバーグで13試合を戦って全てのプレイヤーが緑か白をメインカラーとしてプレイしていた・・・緑白トークンミラーが7回、ナヤ・プレインズウォーカーが1回、バント人間が2回、白黒コントロールが1回、緑赤ランプが1回、それにスゥルタイが1回。

青と赤はタッチカラーでしか存在しない。黒はほとんど白と緑の強力なカードへの除去としてのみ使われている。現実は、《森の代言者》、《不屈の追跡者》、《ドロモカの命令》に支配された環境にいた。なぜこれらの色がここまで支配的になったのだろうか?

★緑のカードアドバンテージが多すぎる

これまでカードアドバンテージは青の領域で、黒はいくらかの代償を支払えばアクセスできた。マジックの歴史の大半において、脅威は回答よりも弱く作られていて、カードアドバンテージが全ての王様であり、それ故に緑は《ドルイドの誓い》や《適者生存》のようなよっぽど壊れたカードが無ければ置いてけぼりになっていたんだ。

プレインズウォーカーは全ての色にカードアドバンテージを与え、プレインズウォーカーは従来のやり方で除去するのが困難であったから、リソースの基盤としてテンポアドバンテージがより重要になった。クリーチャーの強化がゲームのバランスを戻して、その一番の恩恵を受けたのは緑だった。

しかしここ最近のセットでは、緑はカードアドバンテージを稼ぐ強力なカードを得て、強くなりすぎた。《巨森の予見者ニッサ》、《不屈の追跡者》、《集合した中隊》、《進化の飛躍》はどれも緑がカードアドバンテージを得る強力な手段で、どれもデッキに入らないということはありえない。どれもクリーチャーと土地が中心だから緑らしく感じる。しかしこれを緑に全部同時に与えたとなると、緑がもってはいけないレベルのアドバンテージの密度になってしまう。

さらに、《集合した中隊》、《巨森の予見者、ニッサ》、《不屈の追跡者》は特にテンポを失わずにカードアドバンテージを得られるから、なおさら強力だ。相手が《骨読み》や《死の宿敵、ソリン》を唱えるためにタップアウトする場合、カードを引くために戦場に干渉するターンを失ってしまう。君はそれを利用して盤面の構築で優位に立ち、相手が稼いだリソースを解き放つ前にゲームを終わらせることが出来る。そうすることで相手のカードアドバンテージを無力化することが可能なんだ。

このテンポとカードアドバンテージの緊張関係がマジックの根本であり、これらの緑のクリーチャーがリソースを増やしながら戦場に影響を与えるのはとてつもなく強力だ。君は絶対に無防備にならないからだ。

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緑が他よりも優れているのは汎用性だ。本来、強力なアドバンテージカードは序盤に引くと弱いもので、逆にコストの低いクリーチャーはゲーム終盤になると弱い引きになるはずだ。しかし《巨森の予見者、ニッサ》と《集合した中隊》はいつ引いても強力だ。同じように《森の代言者》、《薄暮見の徴募兵》、《搭載歩行機械》もだ。序盤向きのカードがゲーム終盤で効率よく強化され、中盤向けのカードが5マナ域6マナ域と変わらないくらい強力だ。

死にドローが無く大量のカードアドバンテージを誇るため、緑のデッキは絶対にリソースが尽きることが無い。両方のプレイヤーが10ターン後に手札を5枚も持っているようなゲームはどれくらいあった?君の答えが「たくさん」じゃないなら、Tom Ross(訳注:白赤人間でSCG優勝)と仲良くなれるよ。相手が挽回できないようなアドバンテージを誰も作れないから、ゲームは永遠に続いてこのフォーマットはかつて無いほど引き分けが増えた。

長く緊迫したシーソーゲームは良いが、このフォーマットでは押し付けられた感じがする。それは同じカードを使っていた場合、誰も相手を上回れないゲームを自然と作り出すからだ。私が緑白トークンのミラーマッチで3ゲームをきっちり終えて18分残っていた時、もうそれだけでメダルでも貰って良いんじゃないかという気がした。先週は時間終了と同時にゲーム2を勝って、引き分けを選択した。GPニューヨークではゲーム1が終わるまでに47分かかって、マッチは1-0-1で勝った。このスタンダードが終わるころには、私はずっと対戦相手にプレイングを早くするように急かし続けた。そうしないとマッチが終わらないと感じるのは問題だ。

★白の強さ、緑との相性の良さ

カードアドバンテージに重きを置いたデッキは大抵の場合2つの戦術に弱い。極端なアグロと、極端に強いカードで相手を上回るコンボやランプデッキだ。

前者には、白が最強の除去にアクセスできる。小型クリーチャーには《石の宣告》、《絹包み》、それに《悲劇的な傲慢》と《次元の激高》というリセットで対応できる。大型クリーチャーには《現実を砕く者》にも《不敬の皇子、オーメンダール》にも回答できる《停滞の罠》がある。《アクロスの英雄、キテオン》から《世界を壊すもの》まで、安全な脅威は存在しない。白の除去は効率的でいて、かつ他のどの色よりも制限が少ない。

《石の宣告》のデメリットは緑のアドバンテージ能力や《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》と《大天使アヴァシン》の攻撃力で補うことが出来る。1枚程度の差がどうにもならないくらいカードを引くか、《石の宣告》で引かれたカードを使う時間も与えないことが可能だ。

強力な白の脅威は相手とプレインズウォーカーに圧力をかけ、除去を防御的に使わせ、君のカードアドバンテージ・エンジンが除去されないようにする。緑と白のカードはあらゆる場面で一瞬でも無視することは許されず、他の色はこれほど強力なカードもそろってなければ、力の差を埋めるシナジーも充分ではない。

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《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》などの白いカードはランプ相手のマッチアップで重要だ。相手に強い引きを要求し最速でこうマナ域の呪文を強要し、そうでなければずっとビハインドから取り返せなくなる。そしてその頃には《石の宣告》が簡単に除去してしまう。つまり、ランプ側はゲームを続けるために追加の戦力を用意しなければいけなくなる。

3枚目の大型呪文があれば優位を奪えるだろうが、根本的に継続性やカードの選択が苦手なランプにそれを求めるのは酷だ。たとえ《絶え間ない飢餓、ウラモグ》でもゲームに勝てるとは言い切れないんだ。緑と白がどういう状態になっているのかは以上だ。

★異界月で何を探るべきか

異界月が出る段階でスタン落ちするカードは存在しないから、緑白トークンとバント人間が勝たなければいけないデッキだ。このメタゲームでは極端なアグロデッキと、コンボかランプデッキを求めないといけない。まともなマジックでは太刀打ち出来ないからだ。そのため、私がこのスポイラーの時期に見つけるのは次の二つ:部族シナジーとゲームを終わらせるフィニッシャーだ。

マジックの歴史で最もシナジーに富んだアグロは部族デッキだ。人間デッキは《サリアの副官》と《石の宣告》の力で見てきた。しかしイニストラードのもっと邪悪な部族にも目を向けたい。吸血鬼とゾンビだ。

吸血鬼は「イニストラードを覆う影」で明らかに構築でプッシュされていたようだが、完全な失敗だ。デッキを組んでも他のデッキと戦うレベルに到達するためにシナジーを待ち続けるクリーチャーの束でしかない。オリヴィアのような飛行持ちやマッドネス関係も単純十分な強さではなかった。

《ファルケンラスの貴種》のような回避能力と高い打点をあわせ持つクリーチャーがいたら、序盤の緑のクリーチャーをすりぬけて相手やプレインズウォーカーを狙う事が出来た。こういうクリーチャーと黒の除去、いくらかのゲームに勝つ火力、若干のドラゴンでマナカーブの高い所を埋めればいいレシピが作れただろう。それでも《反射魔導士》が辛いが。

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ゾンビは《無情な死者》の影響で過剰に期待された。墓地シナジーを使える《ナントゥーコの鞘虫》や相性の良いプレインズウォーカーの《異端の癒し手、リリアナ》がいるが、それでもデッキを完成させるには不十分だった。

ここでは《墓所這い》《ゲラルフの伝書使》クラスの生け贄エンジンに、マナカーブを埋める堅実なクリーチャーが欲しい。3マナ域には選択肢がいくらでもあるから、1~2マナ域に注目しよう。《ナントゥーコの鞘虫》は黒緑アリストクラッツで強さを証明してくれたけど、私の《森》はもう何か月も残業していたから休みが必要だし、《無情な死者》は強力なカードだけど住む家を無くしている。

ゲームを終わらせる脅威は、もう《約束された終末、エムラクール》がある。今ならあちこちで記事を読んでる頃だろう。エムラクールはまさに我々が必要なものだ。多くのデッキは《絶え間ない飢餓、ウラモグ》から立ち直る力を持っているけど、《精神隷属機》の効果を超えるのは《引き裂かれし永劫、エムラクール》だけだ。

元祖のエムラクールはコストが高過ぎてスタンダードではさほどプレイされてなかったが、こいつはゲームを動かす。《精神隷属機》は支配的な立場にいる相手を完全な無に追い込む力がある上に、今回は復帰する前にゲームを終わらせる巨大なクリーチャーを残していく。緑白トークンが必死で《手掛かり》を調べている間に、そもそも相手が何を「調査」しているのか見せつけてやろう。

このスタンダードは失敗だった、しかし滅多に無い類の失敗だと言う事は理解しておこう。ウィザーズはスタンダードのデザインとデベロップをよくやっていて、異界月がフォーマットを作り直してイニストラードのシナジーがしっかり準備されてフォーマットの最前線に出て来ると思うよ。万が一そうでなかったら、まあ、カラデシュまで数か月さ。注視するべきただ一つの物は、変化だ。

(翻訳終了)

翻訳している間にChannel Fireballでも「セレズニアポカリプス(セレズニアによる終末)」というタイトルで同様の記事が登場。こちらではストレートにスタンダードは不健全だとして《ドロモカの命令》を禁止候補にしています。

今後のスタンダード、どうなると思いますか?禁止はあるのか?もしあるとしたらどのカードですか?

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