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無名の黒好きプレイヤーによるMTG記事の翻訳中心ブログです。ほとんどモダン。

【翻訳】失敗作になるオリジナルデッキの5つの特徴

      2019/07/21

お久しぶりです。マジックと言えばデッキ。管理人のように大会で結果を出したデッキをコピーするプレイヤーもいれば、自分のアイデアで組み上げたデッキリストで勝つ事を目指すプレイヤーもいます。

しかしオリジナルデッキの道は茨の道。時には諦めて新しいデッキやメタ上のデッキを使う選択をしなければいけない場合もあります。その判断はどうやるのか?

管理人がひっそりお気に入りのプレイヤー、このブログでも特に話題になり今でもシェアされる翻訳記事『【翻訳】ベストデッキも使わないで何言い訳してるの?』を書いたSimon Nielsen選手の記事です。2カ月ほど前の記事ですが、ローテーションでスタンダード環境のカードが変わる前にチェック。

(原文はこちら)

Fail Fast: Five Signs to Identify Your Deck Is Failing(mtgmintcard)

(翻訳)

もし君が常に一番ポピュラーなデッキを選ぶタイプの人なら、この記事は君には関係ないだろう。君が大抵の場合ベストデッキの定番リストを手に取って上手くなるために練習を繰り返すのなら、君は私たちの大半より上手いだろうからこのアドバイスは必要ない。代わりにこのウェブサイトの他の記事を読みに行くと良いね。

だけどもし君が私のように環境で主流じゃないデッキを探したり自分自身で構築を試すのがすきなら、これは君のための記事だ。このアプローチが間違っているとは思わない。とても楽しいし、特に研究が進んでいない環境でこっそり強力なデッキを見つける事が出来たら有利になれる。

しかしこのアプローチの主な問題は、競技で勝てないまま終わるデッキに時間を無駄遣いしてしまうことだ。それが自分でデッキを組むという事だ。最近友達がこの一節を見つけて僕は気になったんだけど、この状況にぴったり当てはまると思う。

「失敗するなら、早いうちに失敗せよ。」- Keith Richards -

90%は失敗が避けられないから、そのデッキが成功しないと素早く気付いて辞めることが出来たら君はずっと上手くやれるだろう。最悪なのはテストの最初の方で引きが強くて、デッキが強いと君が思い込んでしまうことだ。その場合大抵どうなるかと言うと、君はあまりにも多くの時間を絶望的なデッキで無駄にして、もしかしたら大会でも使ってしまって、君が速いうちに《予期》出来なかった何らかの欠陥に気付いても手遅れになる。

これから並べるのは、君のプロジェクトが失敗する可能性が高くて他のデッキに変えた方が良い事を示す、君が見つけられる5つの兆候だ。

#1: プラン通りに回らないと勝てない

ほとんどのデッキは強力で実用的なゲームプランがある。結局デッキはそのためにあるからだ。時にそのゲームプランは「相手を倒すまで相手の強力なプレイに干渉し自分は強いクリーチャー/プレインズウォーカーをプレイする」だけの場合もある。それでも構わない、みんながコンボデッキをプレイする必要はないからだ。

しかし良いデッキは多角的なものだ。カードが特定の直線的な範囲以外でも機能するから、プラン通りに行かなくても勝ちを拾ってくれる。この例はスタンダードの赤単で、これはクリーチャーを火力でバックアップして5ターンで勝つのがプランのデッキだが、《実験の狂乱》で相手を消耗させてしまう時もある。

それか、緑単トロンが3ターン目に《忘却石》を普通にプレイして、数ターン後に戦場を吹っ飛ばしてしまうのを思い出してほしい・・・このデッキを妨害するはずの《血染めの月》ごとだ。

スタンダードのシミックネクサスのようなデッキは、サイド前のデッキの勝ち方は同じだ。しかしそこにどうやってたどり着くかは君の引きとどんな干渉を受けるかで変わる。多角的であるとは限らない強力なデッキだが、あれは間違いなく序盤に《荒野の再生》が無くても勝てるデッキだ。

もし君が勝ちまくっているけどそれが完璧に君が描いた通りの勝ち方だったら、君のデッキが非常に一貫しているか、たまたま君の引きが強くて相手が回答を引けてないだけかだ。

君の運が良ければ君のデッキはプランA以外でどう動くか経験できないから、これを見抜くのは難しい。だから少なくともそういうゲームを体験するために十分な量をプレイしないといけない。

だけどもし君が正しい順番でカードを引かない、君の核となるカードが序盤に引かない、または相手が2~3枚回答を持っている場合に全く勝てないようなら、たとえ勝率が高くても別のデッキに乗り換える事を考えた方が良い。

#2: デッキのうち半分しか強くない

ほとんどのデッキ、特にスタンダードのデッキは弱いカードは入っていない。だがシナジー重視のデッキは、大抵の場合そうではない。強力な「報酬」となるカードを入れたら、それ以外のカードは単体で引いたら恥ずかしくなるような補助カードになってしまう。

何が問題かと言うと、現時点で君が「報酬」を大量にプレイ出来ているゲームばかりでも、いつでもそんな引きとは限らないのだ。時には君のデッキの補助でしかない方の半分だけを引いて、見苦しいものになってしまうこともある。

しかし、これらのシナジーデッキはゴミのような補助カードでも継ぎはぎして勝てる場合があり、そうなればそのデッキは本当に競技で勝てるかもしれない兆候だ。

だから君のデッキと個々のカードの強さを批判的に見よう。私は間違いなく弱いカードを使うのが好きな側の人間だ(《短角獣の歩哨》は今も大好きだよ!)が、それがデッキの中であまりにも多すぎたら代償は大きい。君のデッキに少なくとも何かはするカードが半分しかないせいで引きが弱くなってしまう、君はその限界を超えていないか、自分に正直になろう。

#3: マリガンが多い

理論上は良さそうなデッキを見つけても、実際にプレイしてみると、異なる問題でマリガンを選択する初手が多すぎて、リソース不足で勝てない事に気付く事もある。

これはデッキのマナカーブが高い、マナベースが野心的、土地と呪文があってもキープできない手札が多いデッキで起こる可能性がある。モダンの親和のようなデッキは、たとえ土地と呪文が妥当な数でも回すためのカードが無い手札はキープできない

追記するべきだがこれは特にマリガンが多くてマリガンに弱いデッキに限った兆候だ。モダンのトロンやドレッジのようなデッキは頻繁にマリガンをするが、7マナを生み出す3枚の土地で+4もリソースを増やすようなシナジーはカードアドバンテージを加速して手札5枚からでも復帰する助けになるから、これらのデッキはマリガンに強いのだ。

#4: ランダム要素を克服できない

これはいささか広いカテゴリーでの話になる、と言うのもランダム要素はマジックの幅広い状況で必然的につきものだからだ。不運が続いてしまうことは避けられないが、そのような圧力の中でどう回るかで君のデッキが本性を現す。

運が悪かったゲームを無視するのは簡単かもしれない、しかしこれが真実だ:良いデッキは3枚目の土地を引けなくても勝つことがある。良いデッキはマナフラッドが酷くても勝つ手段をみつけられる。そして良いデッキは5枚までマリガンしても即負けには確実にならない。

だから自分の事をよく分かっておこう。もし君の大切なプロジェクトがこういった状況で全く、もしくは滅多に勝てないなら、そのデッキはそんな逆風を乗り越えるパワーレベルが無いのかもしれない。

ランダム要素はペアリングも含む。君は環境の上位3デッキをバターのように切り裂く鋭利なサムライソードを見つけたが、メタゲームの他のデッキが岩や斧で泥臭く戦っているようなら君は彼らに勝つ見込みは全く無い、そして大会で勝ちたければどんなナンセンスも打ち破らないといけないのだ。

#5: サイドボードの枚数が合わない

競技で戦うデッキが成功するためにはサイドボーディングが重要な事、メタゲームの変化に合わせて少し変更するだけで大会の成果が劇的に変わる事はみんな分かっている。君が必要な準備は、サイドインするカードとサイドアウトするカードを揃える事だ。

一部のデッキに取って、例えばシナジーやコンボに依存したデッキの場合、一番の問題は何を削るかだろう。これは悪い兆候とは限らず、君のデッキが直線的でそれを利用出来ることもある。

しかし君のデッキの多くが受け身のカードや状況次第のカードを採用しているなら、君は全てのマッチアップに対して十分な枚数のサイドボードカードを用意し、デッキに弱いカードが残らないようにしないといけない。例えば、スタンダードではエスパーコントロール相手にはほとんどの除去を抜きたくなるだろう。しかしそれは、コントロールに入れるためのカードをサイドボードに用意しなければならない事を意味する。同時に君は赤単とのマッチアップをカバーするためのカードも入れなければならず、もしかしたらイゼットフェニックス相手にどうしてもサイドアウトしたいカードが3枚あるけどサイドインするカードの枠が足りなくなるかもしれない。

私がロンドンのミシックチャンピオンシップ2でプレイした白単エルドラージでも同様の問題が起こった。人間相手に《レオニンの裁き人》、《スレイベンの守護者、サリア》、そして《虚空の杯》をサイドアウトしたかったが、人間に対してサイドイン出来るカードを10~12枚も用意できなかった、同時にトロンやドレッジに対策するカードも必要だったし、相互干渉をしてくるデッキと戦うための強力なカードも必要だった。他方で、イゼットフェニックスの相手はやり過ぎなくらいサイドインしないと不可能に思った。

いくつかの上位デッキとのマッチアップで欲しくないカードを残さなければならないなら、アラームが鳴っているはずだ。良いデッキはサイドボードもうまく使う、君のデッキがそうでないなら、もっと良いサイドボードに変えるか、もっと良いデッキに変えよう。

まとめ

ここまで説明した兆候が1個現れただけですぐに君のデッキを諦めろとは思ってない事は注意して欲しい、しかし君はそうしても良いのだ。強さが証明された定番のリストを手に取っても失うものは多くない事は覚えて欲しい。

だが、これらの兆候が2つ3つ現れたら、君の中のアラームが起動して、君が袋小路に向かっていると警告してなければならない。だから君がデッキを作って環境を切り開くのを続けるなら、こういう事を学んで君が誰よりも君自身を批判するように訓練するのは良い考えだ。

私がこの記事を誰よりも自分自身に向けて書いたことを認めよう。本当にこの記事をミシックチャンピオンシップ2の前に読みたかったが、今はこの教訓を将来の自分に説明できるように残している。

君のデッキから離れるのは辛いことで、特にプレイを始めたばかりで良い結果が出ている時はなおさらだが、文学界でよく使われている格言、「愛する者を殺せ(Kill Your Darlings)」を思い出してほしい。

(翻訳ここまで)

勝率が落ちる可能性は確かに高いんですがそれでも面白くて派手な動きを考えるのは楽しいですよね。最近はアリーナで《死者の原野》+《風景の変容》をなんとか決めるデッキで遊んでます。突然ゾンビが20体近く並んで、その後も土地からゾンビがわらわら出て来るのが本当に気持ち良い・・・

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