Gathered!

無名の黒好きプレイヤーによるMTG記事の翻訳中心ブログです。ほとんどモダン。

日本語版の萌えイラストが嫌いなプレインズウォーカーのための話

   

(一部の反応を見て修正をしています。)

今管理人がこれを書いている間、日本全国で『灯争大戦』のプレリリースの真っ最中。

このセットでは1つのパックに必ずプレインズウォーカーが封入されている。ちょうど半分は日本語版限定で日本のアーティストによって描かれた専用アートになっているのだ。

これには色々な反応があっただろう。

アメリカ初のゲームらしいリアルなイラストに取っつきにくさを感じていたプレイヤーにとっては、これからマジックを始める良いきっかけになるかもしれない。今まで当たり前のように存在していたキャラの新しい魅力に興奮したプレイヤーも多いだろう。

その一方で、いかにも日本のゲーム風な「萌え」を意識したイラストに嫌悪感を感じたプレイヤーも少なからずいる。むしろ、カードゲームは好きだけどアニメ風の絵が苦手だからこそマジックをやっている、そんなプレイヤーもいるかもしれない。

管理人自身はイラストだけなら割と普通に、今はむしろ積極的に見ているしこっそり描く練習までしている。しかしこれが音楽や声になるとハッキリ言って耐えられなくなる。

「お兄ちゃ~~んほらほら可愛い女の子だよ~萌え萌え~~~!」みたいな電波ソングとかアニメ・ゲームのセリフ回しとか、ついでに幼児向け番組のような雰囲気(例えば申し訳ないが、け〇のフレンズはオープニングと最初の1分で観れなくなった)がとにかくダメなのだ。

この事を自覚したのはアニメではなく、モーニング娘。のサブユニットだったミニモニ。・・・クソ、名前を出すだけでも吐き気がする

だから、今回の絵違いカードを見せられて嫌になる人の気持ちが、痛いほど分かる。

「自分は使わなければ良いじゃない?」
「選択肢が増えただけで良い事じゃないか?」

決してそんな簡単な言葉で片づけられる話じゃないことも。

「多様性」と言う名の「暴力」

マジックは人同士でプレイするゲームだ。色々な人が、それぞれ自分の好きなカードをデッキに入れてプレイする。だから自分が使わなくても目の前の対戦相手がそのアートを使ってくるのだ、これだけはどうしようもない。

相手がその日本式アートの描かれたカードを使うたびに、あなたが今までマジックやプレインズウォーカーに持っていたイメージを根元から否定する痛々しいイラストに、あなたはどれだけ嫌でも付き合わなければならない。

それだけじゃない、あなたはどれだけ嫌がっても、ほとんどの人は好きじゃないにしても「気にしない」、そしておそらくウィザーズも今後同じような企画を大なり小なり続けていくだろう、その方が売れるから

今までもずっとそうだった。いつものように他ジャンルのゲームから引用するが、

かつてストリートファイターシリーズに春日野さくらが登場した。当時はガンガン叩かれた。
比較的最近の鉄拳7にラッキー・クロエが登場した。海外ではブーイングの嵐だった。
音ゲーのbeatmania IIDXに『恋する☆宇宙戦争っ!!』や『突撃!ガラスのニーソ姫!』なんて出た時は「豚寺」と言われたものだ。
色々なものが擬人化されて女の子に作り替えられて、こんなの〇〇じゃない!と声が上がった。

しかし気が付いたら普通に受け入れられて、だんだん増えていった。

「俺は確かにゲームが好きだけど、こんなものにブヒブヒ鳴いてるキモヲタとは違う!」

そんな傍から見たら「所詮ゲームじゃないか、同じキモヲタじゃないか」としか思えない心の叫びは誰にも届かない。気がついたら右を見ても萌え、左を見ても女の子の絵、当たり前のようにアニメ声のアイドルソングがそこら中に流れ、どんなに嫌でも見せつけられるようになった。

多様性があり、選択肢が増えるという事は、裏を返せばそれが苦手な人、それでもゲームの根幹を愛してきたプレイヤーにとっては苦痛でありまさに暴力になっている。

それは単に萌えイラストが苦手というだけじゃない。好きな1つのゲームというタダでさえ限られたそのコンテンツで、自分の取り分が減らされ、空気が変わって行く中で自分だけが取り残されて、苦労して見つけた居場所がゆっくりと奪われていくという恐怖を感じているのだ。

これから

日本語版のイラストが苦手なプレイヤーへ。

あなたは一人じゃないという事を覚えて欲しい。こういう気持ちを持つことは、多数派じゃないけど決して異常でもない。

人によって時間はかかるかもしれないけど、いつかそのイラストもただの風景に変わって、気にせずにマジックをプレイ出来る日が来る。

元よりマジックが全ての人にとって完璧だったことは1度も無い。あなたは乗り越えてきた。

お気に入りのカードを打ち消されたり除去されたり手札から叩き落されたはずだ。
理不尽なカードパワーや除去耐性に何度も叩きのめされたはずだ。

ジェイスに精神を刻まれても、
《集合した中隊》や露骨に強化されたゲートウォッチに押しつぶされても、
《霊気池の脅威》から4ターン目にエルドラージを押し付けられても。

変身カードがどうしてもカードじゃないと感じたり、日本語の酷い翻訳でキャラ崩壊を見せられて不愉快に思った人も知っている(後者は私ですが)。

これまでもいろいろな事があって、それでも今マジックをプレイしている、または戻ってきたあなたなら、マジックの根っこに宿る本質的な面白さを知っているあなたなら出来る。今はしんどくても、きっと普通にプレイできるようになる。

だから、人にぶつけるのは止めよう。見ず知らずの対戦相手にぶつけるのだけはやめよう。

そのイラストが好きでプレイする人もいるのだから、そういう人を見下したり、傷つけるような事は駄目です。彼らがマジックをプレイする仲間であることを歓迎しよう。

日本語版のイラストが好きなプレイヤーへ。

もしかしたら対戦していて、またはマジックに関係するメディアやSNSを見ていて、今回のイラストを馬鹿にしたり、「こんなのマジックじゃない」等と言う人に遭遇してしまうかもしれません。

ほとんどのマジックプレイヤーは紳士的であるように努めていますが、初心者などを馬鹿にしたり残念な態度を取ってしまうプレイヤーが少数は存在します。

だからもしかすると、イラストについても中には嫌で我慢できなくてそれを口に出してしまう人がいるかもしれません。ですが、そんな人に対して文句を言うことを管理人は否定しません。

ただ一言、どうか「嫌ならやめろ」とだけは言わないで下さい。

日本語版のイラストが苦手な彼らも、マジックというゲームそのものが好きだからプレイしているのです。虫の良い話ですが、その気持ちまで否定するのだけは、踏みとどまって欲しいと思います。

それではまた。

この企画で、マジックがより良い方向に《発展》する事を期待しましょう。

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