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【翻訳】プロの記事などでよく見かける「一貫性」とは何か?

      2019/04/08

何かとマジックのプレイヤーが使うけどふわっとした言葉に「一貫性/Consistency」という単語があります。デンマーク出身のプロプレイヤーSimon Nielsenが、どういう意味で使われてどう定義するべきかを言語化。

(原文はこちら)

Consistently Misinterpreted – The Meaning of Consistency (Mage)

(翻訳)

「いや、そのデッキは好きじゃない、一貫性に問題がある」
「このデッキは一貫して3ターンキル出来るんだ!」
「それは一貫してマナカーブ通りにプレイ出来ないよ」

「一貫性」はマジックの専門用語として時折使っている言葉だが、それがどういう意味か僕たちは本当に分かっているのだろうか?もちろん君の頭の中にはどういう意味なのか心当たりはあるだろう。同じことを常に行う、ばらつきの反対、統率者に無いもの全て。

しかし君は本当に定義することが出来るかな?

この記事で、僕はこの問題について自分の考えを言葉にして、君が最初に考えるよりもずっと深く踏み込んでみよう。

マナベース

呪文を唱えられるのは良い事だ

マナベースの話なら、「一貫性」の意味についてはっきりした意見を僕らは持っている。君の土地は1つの役割を持っていて、それは呪文を唱える事だ。もしそれが充分な頻度で出来ないのなら、君のマナベースはプレイアブルじゃない、つまり君のデッキはプレイアブルではないという事だ。この用途では、僕たちは「一貫性」をただの数字として定義することが出来る。必要な時に必要な土地の枚数と色マナを君が持っている数学的な確率だ。

理想論ならこれは100%だが、たとえ赤単のようなデッキでさえいつも完璧な量の土地を引くわけではない、しかし少なくとも常に正しい色マナはある。

Frank Karstenはこの課題について数々の記事を書いていて(僕のもここで見れる)、僕たちが「一貫性のある」と思う一般的な最低基準は90%よりちょっと上くらいだ。これは10ゲーム中1ゲームは必要な時に君が唱えたいカードを唱えられないという意味になる。現実にはそういうゲームは増える、なぜなら《吸収》のための青マナ2個が足りない時があったり、《ケイヤの怒り》の黒マナ2個が足りないゲーム、《ドミナリアの英雄、テフェリー》を唱えるための5枚目の土地が無い場合もあるからだ。これが積み重なって君のプランが適切に機能しないゲームが増えていく、それは君のマナベースに異なるものをたくさん要求しているからだ。君のゲームの半分は、何かが準最適になっているかもしれない、そしてこれはパワーを求めるには結構大きな代償だ。

この事が、なぜ単色デッキ(特に土地を多くプレイするためのマナフラッド受けがあるもの)が魅力的になりやすいかを理解する手掛かりになる。

一貫性とはスピードである

アインシュタインはこう語った

アインシュタインはE=MC²で本当は「効率=たくさんの一貫性の二乗(Efficiency=Much Consistency²)」って言いたかったんだと思うよ。

では、モダンのGrishoalbrandみたいなコンボデッキを考えてみよう。このデッキは《グリセルブランド》を2ターン目に《御霊の復讐》でリアニメイトしてそこから勝とうとするデッキだ。このデッキは広く「一貫性が無い」と思われている。ここで考えるべきなのは、コンボを達成できるかどうかに関係なく、このデッキは一貫性が無いという事だ。むしろリーサルな状態を揃えるまでの速度について一貫性が無いのだ。

このデッキの引きが悪くてプレイヤーを裏切り、相手にイージーウィンされてしまうゲームがあるという事ではない。いつかは、例えば6ターンくらいにはたどり着くだろう、しかし多くの場合その時点で負けているのだ。

仮にこのデッキの相手がただ早くコンボを決めるだけの文字通り対話しないデッキなら、どのターンにどれうらいの確率で勝てるかを解析することが出来る・・・少なくとも理論上は、だが実際にはこれを計算するにはあまりにも多くの変化する要素がありすぎる。議論のためにGrishoalbrandが以下の数字を出すとしてみよう。

10%の確率で2ターン目に勝つ
25%の確率で3ターン目に勝つ
35%の確率で4ターン目に勝つ
30%の確率で5ターン目に勝つ

現実には、この数字はもっと微妙なもので5ターンよりもさらに先まで伸びるが、どこかの時点で最終的に勝たないといけないから合計は100%になる。
では、Grishoalbrandがバーンデッキと戦ったとしよう。このデッキはそこまで速くはない、というのも絶対に2ターン目に勝つことは出来ないからだ、しかし同じカードが大量に入っているためほぼ確実に4ターンキルに導く。仮想バーンデッキは3ターン目に勝つ確率が20%で4ターン目に勝つ確率は80%だとしよう。このターン数も実際はずっと先まで伸びるが、あまりにも非現実的という程ではないと思う。

直接対決

3、2、1、ファイト!

この仮想の戦いで、両者のデッキはお互いに干渉する手段が無く、純粋なレースだとしよう。君はGrishoalbrandが上(言いかえると、もっと速い)と思うかもしれない、なぜならGrishoalbrandは2ターン目に勝つことが出来て、3ターン目に勝つ確率もバーンより高いからだ。しかしここまで出した数字を足していったら、それぞれのデッキの平均キルターンが見えてくる。

Grishoalbrandは、僕たちが仮に設定した数字での平均キルターンが3.85ターンになる。

バーンは3.80だ。

つまりこのマッチアップでバーンは僅かに有利である、それは現実的にもっと速いからだ。大きな差ではない、この組み合わせで何千回も戦わせないと違いは見えて来ないだろう、しかしバーンの方が速いのだ。
一貫性を分析するためにあらゆる可能性を積み重ねて行ったら、君は全体的な「一貫性の点数」を得るわけではない。そのデッキが目指す目標にたどり着くまでにかかる時間の数値が得られるのだ。バーンは平均的にGrishoalbrandよりも早く目標を達成できる、より一貫性があるからだ
これがGrishoalbrandがプレイアブルでないと広く考えられている理由の一部である、それはいざやってみると、実際にはレースをしようとする他の多くのデッキよりも遅いからだ。そして、3ターン目に相手を殺せなくても4ターン目に殺せるルートが大量に存在し、キャントリップで一貫してそれらの道筋を発見できるイゼットフェニックスのようなデッキが、もっと「速い」ように見える他のデッキにレースで勝ち結果を残している理由でもある。

一貫して平凡

相互干渉をするデッキはどうか?

相手に何もされずに殺すターン数の話をしても、マジックのデッキの多くを説明は出来ない。多くの場合デッキは相互干渉をする、しかし純粋なレースの状態を語るのでなければ、「一貫性」とはどういう意味なのだろうか?

モダンの黒緑Rockのようなデッキを考えてみよう。一貫性のあるデッキとして広く考えられているが、モダンデッキの多くが一貫性を得るための手段である正しいカードを探すためのキャントリップをほとんどプレイしない。代わりにBGは重複する同じ効果のカードをプレイし、同時に綺麗なマナベースの2色デッキでもある。もし君が《タルモゴイフ》を引けなくても《漁る軟泥》で満足できる。君の初手に《思考囲い》が無くても《コジレックの審問》があるかもしれない。君は《闇の腹心》と《不屈の追跡者》を使ってカードアドバンテージを稼ぎ、《致命的なひと押し》と《暗殺者の戦利品》はどちらもクリーチャーを排除する。
だから僕は一貫性ゲームに勝てる速度ではなく、目的を達成するための平均的な速度と定義した。これらのデッキは明らかに大半の直線的なデッキとレースをしない。むしろ、目標は相手の脅威に回答し、トップデッキ依存の状況にたどり着いたらカードの質と量で相手を沈めることだ。この一貫性を測るには、脅威が提示された時にどれくらいの頻度で君が回答を持っているかを解析しないといけない。

たくさんの回答を引く事には困らないが正しい回答を引かなければならない、スタンダードのエスパーコントロールのようなデッキにおいて、この考え方はさらにはっきりと表に出る。君が4ターン目に《ケイヤの怒り》が唱えられてもそれが君に必要な回答だとは限らないのだ、もしかしたらプレインズウォーカーに対する《吸収》の方が欲しいかもしれない。つまりコントロールデッキは正しい量の土地と3色のマナベースを最適化するために何とか帳尻を合わせるだけでなく、受動的なカードをプレイすることで内在する一貫性の無さとも向き合わなければならないという事だ。
結局のところ、もし対戦相手の平均キルターン君のリセットを唱える平均ターンよりも早ければ、君は問題を抱えるかもしれない。そういう感じで、間違った回答を引いてしまう可能性から生まれる一貫性の無さを加えたら、受動的なデッキであっても「一貫性はスピードである」というレンズを通して考察が可能だ。

(翻訳ここまで)

よく使われていても直感的に分かり辛い"consistency"という単語は翻訳する時に使われる「一貫性」じゃめちゃくちゃ違和感あって解釈に苦労していたので、この記事本当に助かりました・・・。

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