デッキ紹介:GP直前!メタの一角・ボロスバーンを供養する
2019/04/17
モダン大好きな皆さんにとっては久しぶりかも知れないグランプリが、マジックフェスト横浜で間もなく開催されます。
管理人も楽しみにしていたのですが、休みを取れたときには既に参加受付が終了していたという失敗をやらかして、当日に間に合わせるのが不可能になりました。
なので今回は「供養」という事で、グランプリに使う予定で練習していたデッキの解説と自分の思考をまとめたメモです。
これでも3回戦くらいで全勝や勝ち越しは結構出していて、気に入っていたんですけどね・・・他にも電車が事故で止まって6回戦規模の大会に参加できなかった不運なオチもありました。
・・・気を取り直してリストです。
サンプルリスト:ボロスバーン
クリーチャー13
4《ゴブリンの先達》
4《僧院の速槍》
4《大歓楽の幻霊》
1《渋面の溶岩使い》
呪文28
4《稲妻》
4《溶岩の撃ち込み》
4《裂け目の稲妻》
4《焼尽の猛火》
4《ボロスの魔除け》
2《頭蓋割り》
2《稲妻のらせん》
4《批判家刺殺》
土地19
4《沸騰する小湖》
4《乾燥台地》
2《樹木茂る山麓》
3《感動的な眺望所》
2《聖なる鋳造所》
1《踏み鳴らされる地》
3《山》
サイドボード15
3《燃えがら蔦》
1《粉々》
2《外科的摘出》
1《安らかなる眠り》
2《流刑への道》
2《危険因子》
2《灼熱の血》
2《頭蓋割り》
どんなデッキ?
『ラヴニカの献身』がある環境でスタンダードやアリーナをプレイしているなら、1回は必ず赤いアグロデッキを見たことがあると思います。
基本的には同じです・・・開幕から軽いクリーチャーで誰よりも素早く殴って相手のライフを減らして行きます。相手の戦場が強くなってきたら、ダメージを与えるインスタントやソーサリーでブロッカーをどかしたり、直接ライフを削ってトドメ。
しかしモダン環境では1枚1枚のスピードも段違い。《ゴブリンの先達》はたった1マナで2/2速攻、《僧院の速槍》も火力と組み合わせながら殴る事で同じくらいのスピードを発揮します。
プレイヤーが3マナ以下のカードを唱えるたびにダメージを与える《大歓楽の幻霊》は、スタンダード以上に軽いカードが多いモダンならではの存在です。
そして《稲妻》《溶岩の撃ち込み》《裂け目の稲妻》、さらに『ラヴニカの献身』から参戦した《批判家刺殺》という4種類の「1マナ3点火力」で相手の中途半端なライフは消し飛んでしまいます。
理論上の話ですが、最初の3ターンでこの火力と6枚と土地3枚を引けば
1
1+1
1+1+1 と動いて合計18点のダメージ。
先手の7枚+2ドローでここまで減らすことが出来て、大抵のデッキはフェッチランドやショックランドで2点くらいライフを失っているのでここで倒れます。
クリーチャーの攻撃も計算しながらどうすれば効率よくライフを減らせるかという判断はありますが、慣れたらやりたいことは同じですので攻めっ気があるプレイヤーなら比較的簡単なデッキです。
一部のカード選択について
《舞台照らし》0枚
よくあるボロスカラーのリストではすっかり見かけなくなりました。
絢爛カードを固め引きしてしまうと動けなくなるため、多くても4枚で《批判家刺殺》との選択になります。
しかしこのデッキはドローで引き増ししたところで消耗戦で勝つようには出来ていません。それよりは速度で焼き切るための火力である《批判家刺殺》のほうが優先です。
《稲妻のらせん》2枚+《頭蓋割り》2枚
相手がライフゲインを使ってくる可能性がある場合は《頭蓋割り》を4枚入れたかったのですが、サイドの枠が足りなくなった結果こうなりました。
生き延びる事よりも「相手を倒せなくなる」事による損失の方が大きいという事で、同じ2マナ域でも《ボロスの魔除け》を残し《稲妻のらせん》をメインから削っています。
土地は19枚
18枚まで削るのは絶対に絶対にあり得ません。むしろ《渋面の溶岩使い》を削って20枚目を入れたいくらいです。
最低でも土地2枚でキープしたいし、グリクシスシャドウのようにドロー呪文で補うことも出来ないので、19枚は必要です。
《燃えがら蔦》3枚+《粉々》1枚
行きつけの店の地元メタで多いイゼットフェニックスの呪文連打を対策するためにこうなっていますが、鱗親和や《発明品の唸り》プリズン、《虚空の杯》入りデッキをよく見かけるなら《粉々》をがっつり取りましょう。どうしても鱗親和に勝てない場合は《石のような静寂》も候補ですが、《虚空の杯》に弱くなるというデメリットもあります。
緑を切って《粉々》しか取っていないリストもありますが、個人的にバーンのサイドボードは色々なデッキに合わせて出来るだけ散らしておき、最低限の入れ替えでスピード勝負を狙う方が良いと思います。
《危険因子》2枚
これも実質フェアデッキが多めの地元メタで、《焼尽の猛火》が腐るミッドレンジやコントロール相手に使うカードです。
《極上の炎技》と迷う所ですが、《頭蓋割り》を構えやすいインスタントである事、1枚引けば最終的に8点相当のダメージかカードにアクセス出来るリターンの高さからこちらに落ち着きました。
《外科的摘出》2枚+《安らかなる眠り》1~2枚
体感的にですが今の環境ではもはや《安らかなる眠り》ですら墓地対策として遅すぎると思っています。
イゼットフェニックスがブン回れば、「《魔力変》→《信仰無き物あさり》を含むドロー呪文2回」という動きで2ターン目から《弧光のフェニックス》が殴ってきます。後手2ターン目に《安らかなる眠り》を唱えても間に合いません。
さらにドレッジが1ターン目《信仰無き物あさり》で《這い寄る恐怖》を墓地に落としたら、バーンは終わりです。
だからこそ《外科的摘出》(他のデッキなら《虚空の力線》)が墓地対策のベストカードであり、《安らかなる眠り》はリビングエンドなど墓地を全て消す必要があるデッキへの保険として散らすために入れています。
また、この記事を読んでいる中には墓地対策カードを持ってないけど高くなり過ぎてきつい!というプレイヤーもいると思います。その場合は0マナで使える《トーモッドの墓所》か《フェアリーの忌み者》、《貪欲な罠》をオススメします。序盤で動いて相手を倒してしまいたいバーンの動きとも相性が良くテンポで有利です。
もう1つ、《這い寄る恐怖》に触れないので《墓掘りの檻》も今は止めておきましょう。
キープ基準
まず大原則ですが、バーンは質より量のデッキです。
土地以外のどのカードもやる事はただ一つ、相手のライフを減らす事です。例えばウルザトロンやイゼットフェニックスみたいに特別なキーカードやコンボを探すわけではなく、全てのカードの価値が同じくらいになっています。
結果、手札が減れば減るほど勝てなくなるので迷ったらキープ、ゆるゆるのキープ基準を持つようにしましょう(例外はドレッジ相手に墓地対策を探す時のみ)。
マリガン判断の詳しい考え方は前に翻訳したこの記事を参照してください。
その上である程度意識しているキープ基準です。
土地0枚か5枚以上・・・マリガン。
土地1枚・・・軽いデッキですが序盤に1マナ2マナ3マナとスムーズに動かないと勝てないので、絶対にマリガン。
土地2~3枚・・・キープ。中身問わずマリガンするリスクの方が大。
土地4枚・・・一番悩みどころです。《ゴブリンの先達》か《僧院の速槍》、先手の《大歓楽の幻霊》がいたら1枚で4点以上取れる可能性があるのでキープ。サイドインしたカードがある場合もキープ、それ以外はその後の3~4枚のドローで土地を1枚でも引くと厳しくなるのでマリガン。
サイドボーディングの一部
現状MOまで使ってガッツリやっているわけではないので、トップメタ全てに対応は出来ませんが、ある程度勝って方針がまとまっているマッチアップだけ紹介します。
レシピも人やメタゲームによって変化するので、デッキを使うならぜひ自分の手で研究してみてください。
イゼットフェニックス
Out(先手)
-4《焼尽の猛火》
-1《渋面の溶岩使い》
-2《頭蓋割り》
Out(後手)
-4《大歓楽の幻霊》
-1《渋面の溶岩使い》
-2《頭蓋割り》
In
+3《燃えがら蔦》
+2《外科的摘出》
+2《流刑への道》
墓地対策だけしたら勝てるデッキではありません。とにかくフェニックスだけでなく色々な角度から攻めてくるデッキです。《氷の中の存在》も出て来るし、サイド後は《紅蓮術士の昇天》を置いたりコントロールとして立ち回ってくる場合も。
一番はデッキ全体を支える「インスタント・ソーサリーを連打する」という動きを咎めるカードで《燃えがら蔦》と《大歓楽の幻霊》がそれに当たります。ただし《大歓楽の幻霊》は相手にリードされるとこちらの方が不利になるカードなので、基本的に後手の時はサイドアウトしましょう。
ジャンド/黒緑ミッドレンジ(The Rock)
Out
-4《焼尽の猛火》
-1《渋面の溶岩使い》
-1《ボロスの魔除け》
In
+2《流刑への道》
+1《安らかなる眠り》
+1《頭蓋割り》
+2《危険因子》
色が多く不安定でライフ消費も激しいジャンドは有利ですが、黒緑2色のリストは勝てたとしてもギリギリの勝負です。基本方針としては全力でプレイヤーのライフを狙いながら、《タルモゴイフ》と《漁る軟泥》だけを処理していきます。
《安らかなる眠り》で《タルモゴイフ》が無力化し、《漁る軟泥》からのライフゲインも無くなりますが、絆魂を持つ《ゲトの裏切り者、カリタス》だけは注意。
トロン/エルドラージトロン
Out
-4《大歓楽の幻霊》
-4《焼尽の猛火》
In
+2《流刑への道》
+1《粉々》
+3《燃えがら蔦》
+2《頭蓋割り》
異なるデッキですが似ている点も多いです。《ワームとぐろエンジン》が殴ったら負け、そして相手が基本的にデカいため《大歓楽の幻霊》と《焼尽の猛火》が腐ります。
ですが相手の引きが完璧でなければこちらの方が圧倒的に早いので比較的有利なマッチアップです。大型クリーチャーを止めるためのあカードとアーティファクト破壊を全力投入、それでも枠が余るなら絆魂のアタックを1回でも止める《頭蓋割り》を。
人間/スピリット
Out(先手)
-2《ボロスの魔除け》
-2《頭蓋割り》
Out(後手)
-4《大歓楽の幻霊》
In
+2《流刑への道》
+2《灼熱の血》
殴り合い系のマッチアップですので、イゼットフェニックス同様後手では《大歓楽の幻霊》をサイドアウトします。
親和/《硬化した鱗》(鱗親和)
Out(先手)
-3《ボロスの魔除け》
-2《頭蓋割り》
-1《渋面の溶岩使い》
Out(後手)
-4《大歓楽の幻霊》
-2《頭蓋割り》
In
+2《流刑への道》
+1《粉々》
+3《燃えがら蔦》
対アグロと基本方針は同じですが、中途半端なダメージ除去はあまり効果がないので《灼熱の血》まで無理して入れることは有りません。
(最後に)
少ないですが今伝えられるのはこれくらいです。
バーンを使う方もそうでない方も、GP横浜で良い結果が出せるように・・・グッドラック!