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【翻訳】《運命のきずな》禁止の良い所、悪い所、クソな所

   

つい先日、MTGアリーナの1本先取限定で《運命のきずな》が禁止されました。この決定によって今後のマジックにどんな影響が出るのか、新セットのたびにチャネルで"Sperling's Sick of It"という皮肉ネタ記事を連載するMatt Sperlingが考察しました。

(原文はこちら)

Nexus Of Fate Banned In BO1: Excitement “And” Anxiety(Channel Fireball)

翻訳

ブランド戦術としてMTGアリーナとマジックを両立させていくなら避けられない真実、それは2つの物を成功に導くのは1つよりも難しいということだ。誰でも、どんな企業でも、ブランドについて堅実で時期に合った判断(そしてアナウンス)を続けるのは限界がある。しかし多くの利点もある。MOと神のMTG(テーブルトップと呼んでも良い)を一つのものとして管理する手法はMTGアリーナのようなeスポーツ(Eスポーツ、それともe-スポーツだっけ?)としての成功には至らなかった。僕はウィザーズが挑戦することを嫌がるつもりはないが、それがどうなるのか不安で、かつ楽しみに思う理由がある。

一部のオンライン専用フォーマットで《運命のきずな》を禁止し、しかし全てのオンラインフォーマットではなく、紙でも禁止しないという決断は、この挑戦の旅における無視できない節目となる。プログラミングに例えると、このような分岐は柔軟性を与えるが、これで複数のルール/フォーマットをモニタリングして維持しなければならなくなる。スタンダードで1つしか禁止リストが存在しないことは2つより良いとも悪いとも限らない。しかし確実に違う事だ。

この違いで重要な事は、1本先取スタンダードは今まで以上にトラディショナルスタンダードや紙のスタンダード(こちらの2つは今は完全に同じだけどこれからもそうとは限らない)からかけ離れたものになる事だ。これまでも違っていた(サイドボードは大きい)が、これからはアーキタイプそのものが無力化されたり消えるのだ。

これを3つのパートに分けて要約したい:良い所、悪い所、クソな所だ。

良い所

1本先取(BO1)のために異なる禁止リストを作るのは現実の問題にする解決策だ。サイドボードが悪質な戦術を監視している環境でバランスを維持するのも十分難しい、しかしその監視すら無くなってしまえばさらに困難になってしまう。《運命のきずな》は価値のあるケーススタディを提供してくれる。毎回赤単に当たる可能性があるプレイヤーに、《強迫》や《否認》などをメインデッキに強制するのは、フラストレーションを招くだろう。もしフォーマットが強力なアグロ、ミッドレンジ、コントロール、コンボを含んでいれば、何を使うかはグーチョキパーから選ぶジャンケンみたいなものに感じられる。サイドボードはこの調整やメタゲームのための場所だった、しかしBO1ではメインデッキでその戦いに出るしかない。そして、もしそのイライラするほど強力だけどいつもいつも当たるわけではない(構築の値段が高かったり、プレイに時間がかかる、および/または難しいからだろう、心当たりあるかも?)なら、君はそのデッキとろくに戦うことも出来ず当たったら画面を呪うだけで終わりだ。そういうデッキを禁止すれば問題は解決できる。

このテストケースはもしウィザーズが墓地コンボやアーティファクトシナジーを推奨し過ぎたら、起こるべくして起こる(他にもあるだろうがこれらは過去に繰り返されている)。サイドボードが無い世界で「発掘」や「親和」が生まれるなら、何かが起こらないといけない。1白でカードを墓地から追放するキャントリップも良いが、本当に「推」されたらちょっと減速させるのがやっとだ。プレイヤーに赤単のメインデッキに《引っかき爪》を使わせずにBO1のメタゲームを修正する仕組みをテストするのは良い事だ。

オンラインのみでカードを禁止するもう一つの良い所は、禁止されたカードをワイルドカードに変換して、コレクションが悪化するのではなくむしろ強化されることだ。子供たちが25ドルや40ドルもかけて買ったばかりのカードを禁止するのは避けたいから、これもウィザーズが意図的にオンラインの方で紙よりも早く引き金を引く決断をする理由として使われるだろう。

悪い所

我がSick of It(もうたくさんだ!)社ではダメなところは飛ばさない、今日も例外ではない。まず、ウィザーズは問題の一つである《運命のきずな》を修正したが、一番大きな問題に手を付けていないじゃないか!《運命のきずな》は紙ではボックス専用プロモのFoilしか存在しない、しかしTier1級のカードになってしまった。全てのスタンダード環境で禁止する(出来れば、ボックスプロモを使用禁止にしたい)ことで初めて問題は収束する。ウィザーズはそこまではやらなかった。

2本先取のスタンダードはオンラインでも紙でも追加ターンを取り続けるデッキ、それもテフェリーが自分をデッキに戻して勝つようなのが残っている。世界の終わりというわけではないが、理想的な環境とも言い難い。フォイルカードをデッキに入れるかプロキシを使わないといけないというのは世界の終わりに近いが、本当の終わりではない。

プレイヤーは今回のタイミングに驚いたかもしれない。僕はこの禁止をツイッターで知ったが、中には生活と常識があるためソーシャルメディアのアカウントを消した人もいるだろう。アプリケーション内でアナウンスを行えばこの穴を埋められたと思う。将来的にみんながBO1の大会に向けて準備している時に、そのイベントの数日前や数時間前にカードがBO1で禁止されたと知る、僕はそんな事は嫌だと思う。

クソな所

システム上最も重大な不利益は、BO1が今までのようなBO3へのステップアップとして使えなくなったことだ。結果として、アリーナは以前のように紙に向けた道具として使えなくなった。これはルールや使えるカードが多様化したら起こることだ。BO1だけをプレイしていてもBO3をマスターすることは絶対に出来ない、しかし紙やトラディショナルで試す前に、少なくとも全てのアーキタイプと主要なコンボ・シナジーを探索することは出来る。

こういう事例が起こった事とどんな違いがあるのかを覚えるという精神的な負担もある。変更がアナウンスされたばかりで1枚のカードが禁止されただけだと小さな負担にしか思わないかもしれない、しかし思い出してほしい、これはシステムと方針の問題でありこういう事は積み重なっていく。カードX、Y、ZがBO1で禁止されて、BO3ではXだけが禁止されて、Zは紙やMOには存在すらしない、そんな未来が差し迫っている。アリーナと紙のコレクションを「両立」して維持するだけでも大変なのに、スタンダード環境を3種類も4種類もマスターしてどれがリーガルで効果的なのかを記憶するのがいかに過酷かは言うまでもない。

「紙のイベントを有意義にテストするには何をやれば良いの?」という質問に答える際に、「両立」は時に「どちらでもない」という意味になるかもしれない。もし物事が完全に今までと同じままなら、君はMOや、アリーナのトラディショナルイベントに行けば良い。しかし、僕たちは自信をもって、これからも変わらないと言い切れるだろうか?

(翻訳ここまで)

個人的にアリーナやMOは単体で楽しむものではなく、紙のイベントの準備や疑似体験として位置付けているので、それぞれが独立して別物になっていくのは出来れば避けて欲しいですね。

みなさんは、特にアリーナで構築をプレイしている方々はどうでしょうか?

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