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【翻訳】レガシー各デッキの難しさをみんなに聞いてみた(後編)

   

レガシーデッキの難しさランキング。前の記事の続きで、最も難しいと思われた5位から1位の投票結果になります。モダンについてはこちら。デッキの難しさについての考え方はこちらを。

(原文はこちら)

Ranking the Decks of Legacy From Easiest to Most Difficult to Play(Channel Fireball)

(翻訳)

#5:デス&タックス

みんなの評価:3.5
プロの評価:3
PVの評価:3.5

デス&タックスはマジックの一般的な知識だけでなくデス&タックス自体の知識も必要なため、マーヴェリックよりも複雑だ。レガシーで中間的な複雑さのデッキの多くは青いカードがあり、青いカードは考えないといけないから複雑になる。もし君がマジックの上手いプレイヤーなら、君は事前準備が無くてもちゃんと考えて扱えるだろう。

デス&タックスだとそうはいかない。《ちらつき鬼火》、《カラカス》、《霊気の薬瓶》、クリーチャーと装備品両方のチューターと、このデッキ独特の必要な知識が山ほどある。僕は同じ評価を出してはいるが、Death and Taxesをプレイするよりはテストせずに青いデッキを使うだろう。

一般論として、僕は青いデッキを使うには、青いデッキ自体の経験をどれだけ持っているかに関係なく、ゲームの技術と経験が必要だと思う。デス&タックスの場合、君は総合的な技術や経験は比較的必要ないけれど、このデッキ自体の経験が必要だから、テストをせずに「ぶっつけ本番」は出来ない。

#4:エルフ

みんなの評価:3.75
プロの評価:―
PVの評価:5

エルフはかなりプレイが難しいデッキだと思う。多くのコンボデッキのようにイージーウィンはある、しかし君のイージーウィンを実現するのは単に《グリセルブランド》を戦場に出すよりも難しい。

エルフを難しいデッキにしている要素は2つある。1つ目は君のコンボは他のコンボよりも、原則も仕組みも異なっている、つまりこのデッキ自体の経験が必要だ。君がどれだけ上手いプレイヤーだろうと、プレイしたことが無いまま大会にエルフで出るわけには行かない、逆に《グリセルブランド》デッキは簡単に出来る事だと思う。また数多くのチューターがあり毎回同じものを探すわけではない、だから毎回「足りないピース」を持ってくるような簡単な事でもない。

2つ目は、君のプランB(《自然の秩序》自体をプランとするならプランC)が他のコンボデッキのプランBと違って実際にはかなり現実味のある事だ。これによってゲームにもう一つ選択の幅が生まれる、なぜなら君は常に「コンボを使って勝たないといけないか?」と自問自答することになり、これは他のコンボデッキには無い問いである、常に答えは「イエス」だからだ。時には最善の選択肢がコンボを忘れてフェアゲームに勝ちに行くことで、時にはフェアゲームを諦めてコンボを目指すのが最善になる。これは1つのゲームで絶えず変化し君の判断の全てに影響する(例えば、君のゲームプランを進めるためにクリーチャーをプレイするか、《垣間見る自然》を撃つターンのために取っておくか?)。

複雑なプランAに、実効性のあるプランBやプランC、大量のチューターが絡み合っているので、君がマジックやこのフォーマットにどれだけ親しんでいようと、僕はよほどエルフの経験を積んでいない限り大会に持ち込んではいけないと思う。

#3:土地単

みんなの評価:3.95
プロの評価:4.3
PVの評価:5

土地単は他のコンボデッキと同じようにイージーウィン(素早い《暗黒の深部》や、《不毛の大地》で相手を締め上げる)があるため難易度詐称になりやすい。現実には多くのチューターと、他のどのデッキとも僅かに異なる角度の選択を含むデッキだ。ドレッジに近い、しかし最初のハードルを乗り越えても複雑さが消えることは無い・・・あらゆるゲームが異なり、君の優先順位は変わり続ける。もし君が慣れ親しんでいなければ、土地単でしかお目にかかれない相互作用で簡単に失敗してしまう。《演劇の舞台》は結構複雑なカードで、《Glacial Chasm》のようなモノが加わると、まあ、君は急がないといけないね。経験が無ければ、僕は土地単は勧めない。

#2:奇跡

みんなの評価:4.05
プロの評価:2.25
PVの評価:3

奇跡の難しさは誇張されている。繰り返しになるが、レガシーの青いデッキだから、それなりの簡単さにしかならない、しかしコントロールデッキだからと言って必ずしも難しくなるわけではない。実際のところ、僕はコントロール要素があるとDelverのようなデッキよりもプレイが簡単になると思う、なぜなら君は常にはっきりした方向性を持っているからだ(君はゲームをコントロールしなければならない)。

奇跡で一番難しいところは《相殺》や《終末》を正しい時に正しく仕込むことだ。《終末》はより分かりやすいが、《相殺》は本当に何が起こっているか理解していないといけない。例えば、1ターン目に《思案》か《渦巻く知識》をプレイして2ターン目の《相殺》のためにお膳立てをする事も珍しくなく、その際に君はどのマナ域をトップに置くべきか知っていなければならず、それは対戦相手が何をプレイしているかによって変わり、君は止めないといけない厄介なマナ域を判断するため少なくとも環境全体を通した知識が必要である。

全体として奇跡は全ての要素が少しずつ必要だと思う・・・君はゲームの経験が必要で、君は奇跡コントロール自体の経験が必要で、この環境を知っていなければならない、しかしそれらは多くが必要なわけではない(エルフや土地単と違って、やらかさないための少量の知識があれば十分だ)。もし君がコントロールデッキが好きだけど奇跡に対して躊躇しているなら、僕は試してみる事を勧める。見た目ほど難しくない。

#1:ストーム

みんなの評価:4.35
プロの評価:4
PVの評価:4.5

レガシーのストームはキャントリップで失敗する余地がより多くあるからモダンよりもずっと難しい。モダンの場合は、君は大抵の場合「このカードが欲しい」と「このカードは要らない」で選ぶだけだが、レガシーでは君の手札全体を評価してどのカードがより必要かを判断する感じになる。

デッキの機能について言うと、このデッキは少し慣れが必要だけど、コンボは多くの場合決定論的だ(つまり一度コンボを開始したら確実に相手を殺せるから、例えばエルフのように、引いたカードに基づいて考えを修正する必要はない)、だからその部分はそこまで複雑じゃない。しかし、いつコンボを開始するかを判断するのはかなり難しく、はっきりしていないゲームでは極めて複雑な勝ち筋を見抜く必要があり、膨大な計算を要求されるかもしれない。

このデッキはコントロールデッキに対するプレイも非常に難しい、特にサイドボード後は。多くの場合コンボのためにオールインするから1回きりの勝負しか出来ない・・・タイミングを間違えても次のターンにまた仕掛けられるリアニメイトやSneak and Showとは違う。Belcherのようなデッキとも異なる、というのはもしBelcherをプレイしていたら、まあ、君の状況が良くなることなんて無いから、ただ突っ込んで相手が何も持っていない事を祈るしかない、しかしストームのようなデッキなら君は打ち消しを破る道具を持っているから、時には理論上コンボを開始できる時でも待つ方が良い場合もある。

僕はストームがマジックやレガシーの知識すら必要ないと思うが、膨大なストームの知識が必要だ。しっかり練習しなければ、僕は大会でストームは使わない(実際に僕は満足できるレベルでプレイできるまで練習しきれると思えなかったため大会でストームを使わない選択をしたことがある)。それでも、一度このデッキで練習したならエルフや土地単の両方よりも簡単だと思うから、それを反映して4.5にした。

というわけで、これが結果だ!

#14:赤単プリズン(1.76)
#13:黒赤リアニメイト(1.78)
#12:エルドラージポスト(1.81)
#11:Sneak and Show(1.91)
#10:ドレッジ(2.74)
#9:マーヴェリック(2.98)
#8:青白(黒/赤)Stoneblade(3.1)
#7:グリクシスDelver(3.1)
#6:グリクシスコントロール(3.39)
#5:デス&タックス(3.5)
#4:エルフ(3.78)
#3:土地単(3.95)
#2:奇跡(4.05)
#1:ストーム(4.35)

こうまとめる:

・赤単プリズン、黒赤リアニメイト、エルドラージポスト、Sneak and Showはたくさんの経験は必要なく、大会に取りあえず持ち込んでよいデッキだ。
・ドレッジはハードルを越えないといけないデッキだが、一度越えたらどのゲームも似たようなものだ。
・マーヴェリックとデス&タックスは複雑なデッキだが、寛容なデッキでもある。デス&タックスはデス&タックスの特別な知識がずっと必要だ。
・Stoneblade、グリクシスコントロール、グリクシスDelver、奇跡はデッキ自体や環境の知識はほとんど必要ないが多くの厳しい選択を突き付けてくる。君がレガシーの経歴が無くても技術のあるプレイヤーなら、ただ手に取っても上手くやれるだろう。君が経験が少ないけど一つのデッキに集中してマスターしたいなら、僕はこれらのどれも勧めない、なぜならどれも勝ち方を知るのではなく勝ち筋について考えるデッキだからだ(僕ならそれよりもデス&タックスみたいなデッキを勧める)。
・エルフ、土地単、ストームはどれもそのデッキの膨大な技術と経験を要求する複雑なデッキだ。僕はこの中のどれも、山ほど練習していなければ大会に登録はしない。
・レガシーは僕個人の評価が最も歪んでいる可能性があるフォーマットであることは注意しておこう、と言うのも僕は青いデッキをたくさんプレイしてきたから、実際よりも簡単めに評価している可能性がある事は認める。僕は間違いなく、これらのデッキはそのデッキの経験をどれだけ持ってるかよりも君がどれだけ優れたプレイヤーかを問うデッキだと思う、そして1つの青いデッキで経験を積めば全ての青いデッキを使う助けになる。

全般的な考察:

・全3つの環境で最も難しいデッキは4.59でモダンのアイアンワークスだ。(訳注:《クラーク族の鉄工所》は禁止されました。)最も簡単なデッキはバーンの1.69だ(ただし僕は個人的に同意しないし、どの環境にもバーンより簡単なデッキは複数存在すると思っている)。最も両極端なデッキはスタンダードの青単で、平坦な分布になっていた・・・1と5を出した人が同じくらいだった。
・全体的に、3つのフォーマットを通して、プレイヤーはゲームプランの変更を充分に重く扱っていない傾向がある。僕はマジックで最も難しい事の一つは方向性を決める時だと思う・・・方向性に従うことはずっと簡単だ。コントロールとアグロは常に方向性が決まっていて、君が必要な事はそれを達成する最も良い手段を見つけるだけだ、しかし一部の他のデッキ(例えばグリクシスDelver、Stoneblade、青赤ドレイク、エルフ)はゲームの中で何回も君がどちらに向かっていくべきかを考えないといけない、そうした後で決めた方向性に従うことが出来る。僕はこの部分が複雑さを構成する要素としてかなり見逃されていると思う、そして君が知り尽くすことが出来ないものでもある。君が特定のデッキを何回使っていても、君は常にいろいろ考えないといけない新しい状況に直面する・・・あらゆる道筋を記憶することなんて出来ない。このため、ゲームプランが移り変わるデッキは特定のデッキの知識よりもマジック全般のスキルや経験があると報われるデッキだ、だから君は必要な経験が無い場合、これらのデッキを使ったことが無くても手に取ることが出来る。
・コンボデッキは主に3つの形で現れる:
〇非常に簡単で一直線である(スケープシフト、リアニメイト)
〇ハードルを越えないといけないが、一度出来たら簡単で一直線である(ドレッジ)
〇とんでもなく複雑(アイアンワークス、ストーム)
・そのデッキがどれだけ難しいかに関係なく、コンボデッキはマジック全般よりもそのデッキの練習が報われるデッキだ。例えば、もし君に「今からMTGを始めるんだけど、デッキを勉強するのに6カ月だけある」と言われたら、君はコンボデッキをプレイした方が良いと思う、たとえどれだけ複雑でも、グリクシスDelverのようなずっと繊細で幅広いスキルを要求するデッキよりは。
・もし君がもっと深く知りたくてデッキの難しさについて事なる意見を聞きたいなら、Siggy、Sam Black、僕はPodcastで議論もしているよ。

以上だ!調査に参加してくれたみんなに感謝している、また来週に会おう。

(翻訳ここまで)

ちなみに、禁止されたアイアンワークスを除いて一番難しいと評価されたのは、4.47でモダンのアミュレットでした。

特にチーム戦で慣れない環境に手を出したり、管理人のように仕事であまり練習できない社会人プレイヤーは、割り切って簡単そうなデッキを選ぶことも決して恥ずかしくない選択だと思います。

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