Gathered!

無名の黒好きプレイヤーによるMTG記事の翻訳中心ブログです。ほとんどモダン。

MiniDeckTech:GP静岡トップ8!教導を活用するボロスアグロ

      2018/12/09

プロツアーでトップ8に大量のプレイヤーを送り込んだことでブームが起こったかのように見えたボロスアグロ、または白タッチ赤アグロですが、その後のグランプリでは対策されて数を減らしました。しかしグランプリ静岡では今までと似て非なる形のボロスデッキがトップ8に入賞しています。

高尾スペシャル

(青木 義次、グランプリ静岡トップ8)

土地23
10《平地》
5 《山》
4 《断崖の避難所》
4 《聖なる鋳造所》
クリーチャー20
4 《不屈の護衛》
3 《追われる証人》
4 《アダントの先兵》
4 《ボロスの挑戦者》
1 《凶兆艦隊の向こう見ず》
2 《軍勢の切先、タージク》
2 《正義の模範、オレリア》
呪文17
3 《軍団の上陸》
1 《溶岩コイル》
4 《ベナリア史》
4 《議事会の裁き》
3 《暴君への敵対者、アジャニ》
2 《英雄的援軍》
サイドボード15
4 《トカートリの儀仗兵》
2 《溶岩コイル》
1 《苦悩火》
3 《一斉検挙》
2 《焦熱の連続砲撃》
1 《実験の狂乱》
2 《黎明をもたらす者ライラ》

(デッキリストはGP静岡のカバレージ記事から引用)

名前はデッキの軸を作成した高尾翔太氏にちなんだもの。

《不屈の護衛》《軍団の上陸》《アダントの先兵》《ベナリア史》など白ウィニーの定番カードで序盤から攻めていく動きは同じですが、今まであまり使われなかったカードが採用されています。


プロツアー以降は白単を軸にして《ベナリアの軍司令》を運用する様々な形のアグロが主流になっていましたが、このデッキは赤を濃くして《ボロスの挑戦者》《軍勢の切先、タージク》を採用。「赤白」「1赤白」のコストを支払うため山の枚数も増えています。

この2種類に《正義の模範、オレリア》を加えた教導クリーチャーやメインに3枚投入した《暴君への敵対者、アジャニ》を使って+1/+1カウンターをガンガン乗せていくコンセプトです。除去に弱い《ベナリアの軍司令》や一時的な強化に依存しないようにして、全体的に場持ちが良くなっています。

特にダメージ除去に依存する事が多いジェスカイコントロールや赤いデッキは、《軍勢の切先、タージク》が他の仲間を火力や《轟音のクラリオン》《裁きの一撃》から守り、タージク自身を《不屈の護衛》で破壊出来ないようにして、・・・という具合にお互いに守り合って除去が通りにくく、プランの大部分が崩壊します。

除去も《議事会の裁き》4枚に加えてメインから《溶岩コイル》を1枚。さらに《凶兆艦隊の向こう見ず》で相手の除去を利用したら瞬速の《貪欲なチュパカブラ》のような効果に。《ベナリアの軍司令》を手放すことで調整の幅が広がり、大事な場面に対応できる柔軟性も白単より上がっています。

サイドボード

メインデッキはコントロールやイゼットフェニックス系のデッキに強い印象を受けましたが、サイドボードは特にゴルガリミッドレンジへのヘイトが高まっています。

おなじみの対ゴルガリクリーチャー。戦場に出ることで誘発売る能力を拒否する《トカートリの儀仗兵》を、メインに入れられない分サイドに4枚フル投入。《野茂み歩き》を育てる探検持ちのクリーチャーや、クリーチャーの天敵《貪欲なチュパカブラ》を2/2前後のバニラに変えてデッキパワーを大きくダウンさせます。

GP静岡のシングルエリミネーションではデッキリストが公開されてケアされましたが、カバレージでも注目されるほど特徴的なのが《一斉検挙》3枚。これもゴルガリを乗り越えるためのカードです。

殆どの除去が通らない《殺戮の暴君》だけでなく、アグロをメタる場合にゴルガリが採用する事がある《破滅を囁くもの》、再利用の他に壁としても優秀な《ゴルガリの拾売人》、探検が誘発して成長してしまった《野茂み歩き》をまとめて除去し、アグロ側のクリーチャーだけを生き残らせます。

他のアグロであまり使われないもう一つのカードが《焦熱の連続砲撃》。特に大量の1/2や2/1サイズを連打する白単や白タッチ赤に対して効果が大きく、こちら側は元々タフネスが高めだったり、教導で鍛えたり、《軍勢の切先、タージク》で守るなどしてほとんど被害を受けないように出来ています。

対アグロ最強のフィニッシャー、現代の《悪斬の天使》こと《黎明をもたらす者ライラ》も、ちょっと重めのこのデッキだからこそ2枚サイドインすることが出来ます。白は《議事会の裁き》、赤単は《火による戦い》という回答を持っていますが、同じタフネス5の《正義の模範、オレリア》と合わせて4枚分に回答しきる枚数は入らないリストが多いです。

そろそろTier1も出そろったかな~?と思った時でもこうして新しい調整が結果を残しています。もしデッキ作成に行き詰ったら、完全に新しいアーキタイプを無理に作るよりも、今あるデッキに違うカードを入れてみたり別のパッケージを組み込んでアレンジすると、思わぬ進化を遂げるかもしれません。

関連

 - スタンダード