MiniDeckTech:ジェスカイコントロール(スタンダード)
2018/11/01
ほんの少し前までゴルガリが圧倒的に強いという印象が強かった『ラヴニカのギルド』環境のスタンダード。しかし先週末欧米2箇所で開催されたグランプリでは、他のデッキもトップ8に次々入り込んでメタゲームは再び分からなくなってきています。
その中でも、管理人が現在使っているデッキに一番近いリストを紹介。
ジェスカイコントロール
(Florian Trotte GPリール5位)
クリーチャー5
4:《弾けるドレイク/Crackling Drake》
1:《パルン、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, Parun》
呪文29
1:《イゼット副長、ラル/Ral, Izzet Viceroy》
3:《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》
4:《選択/Opt》
3:《中略/Syncopate》
3:《本質の散乱/Essence Scatter》
1:《否認/Negate》
4:《轟音のクラリオン/Deafening Clarion》
4:《悪意ある妨害/Sinister Sabotage》
4:《薬術師の眼識/Chemister's Insight》
1:《絶滅の星/Star of Extinction》
1:《発展/Expansion》
1:《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
土地26
4:《断崖の避難所/Clifftop Retreat》
4:《氷河の城砦/Glacial Fortress》
6:《島/Island》
4:《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
4:《蒸気孔/Steam Vents》
4:《硫黄の滝/Sulfur Falls》
サイドボード15
1:《裁きの一撃/Justice Strike》
2:《否認/Negate》
2:《活力回復/Revitalize》
3:《封じ込め/Seal Away》
1:《焦熱の連続砲撃/Fiery Cannonade》
1:《神聖の発動/Invoke the Divine》
1:《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》
1:《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》
1:《パルン、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, Parun》
1:《原初の潮流、ネザール/Nezahal, Primal Tide》
1:《絶滅の星/Star of Extinction》
(デッキリストはMTG Goldfishより翻訳)
コントロールは青黒、グリクシス、エスパーと様々な形があってどれも一長一短ありますが、結果を出している数では青白赤のジェスカイカラーがダントツで多くなっています。
管理人自身も、(8人未満の小さな大会ですが)スタンダードショウダウンで3-0を達成しましたが、このデッキに含まれているカード1枚1枚パワーが相当高いことを実感しています。
今のコントロールを高いレベルで支えているのはやはり《ドミナリアの英雄、テフェリー》。
5マナで安定してアドバンテージを稼ぎ続けるプレインズウォーカーは前から定番になっていましたが、カードを引きつつ土地をアンタップ出来るテフェリーのプラス能力はやはり格が違います。
ミラーマッチ以外なら5ターン目に唱えてカードを引き、直後の相手のターンにカウンターや除去を構えていられるのでとにかく守りやすいのが特徴、実質3マナの感覚です。小マイナス能力も処理できないパーマネントに対してとりあえず回答を引くまで時間稼ぎが出来ます。
コントロールでこのモダン級のカードを使えるのと使えないのでは、かなり決定的な差があるのではないかと思いますが、問題は3色目をどうするか。
個人的にジェスカイを選ぶ最大のメリットはこのカードだと思っています。
《轟音のクラリオン》は3マナと言う軽さで早い段階から、またはカウンターなどを構えやすい状態で盤面をリセット。処理できないカードは打ち消しや単体除去で捌いていくというのはコントロール定番の動きでした。
今のスタンダードでは完全な全体除去は原則《浄化の輝き》のような5マナ、4マナの選択肢は《煤の儀式》か《残骸の漂着》など、かつての《神の怒り》や《審判の日》と比べて処理できる相手に条件が付く者がほとんど。であれば、3マナで小回りを利かせた方が動かしやすくなります。
特に軽さが目立つ中で唯一7マナソーサリーという重さの《絶滅の星》は、ゴルガリミッドレンジへの切り札。コントロール対策として採用され始めた《殺戮の暴君》に対する回答と同時に、ゴルガリが並べてくる大量のプレインズウォーカーやアドバンテージクリーチャーも一緒に絶滅させる、盤面次第では大逆転の一手です。
みなさんは、《弾けるドレイク》はもう使ってみたでしょうか?
一見専用デッキが必要に見えて、普通にコントロールが適当に使うだけでもとんでもなく強力でした。
4マナのクリーチャーとは思えない打点を叩き出し、戦場に出るだけでカードアドバンテージが確定するため連打すれば除去にも強く、一部では「現代の《奔流の機械巨人》」という声も聴きました。
さらに青赤やジェスカイのコントロールが苦手な《アダントの先兵》、何度も墓地から戻ってくる《弧光のフェニックス》をタフネス4でブロック出来て、パワーが上がれば《殺戮の暴君》とも少量のダメージと引き換えに交換できるので、ジェスカイコントロールにとってはメインデッキから弱点を埋める存在となります。
単純に終盤戦に唱えてから10点以上のパワーで殴るだけでも、文字通り「ハジけた」気分になれて周りのギャラリーも盛り上がること間違いなしです。
ジェスカイコントロールに限らずイゼットの専用デッキでも、それこそスタンダードが無理ならモダンでもOKですので、ぜひこのカードの気持ち良さを体感して欲しいですね。
最後に
今のスタンダードはあらゆるアーキタイプにとんでもなく派手で強力なカードがあり、同時に大抵の戦術に対して回答や対策が用意されている、かつての『ラヴニカの回帰』ブロックを思わせる多様でパワフルな環境。
まだまだどんな新しいデッキが現れてもおかしくないですが、それにしっかり回答しつつプロアクティブにカードを叩きつけて勝利も目指せるコントロールも、簡単には負けることは無いでしょう。