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【翻訳】リミテッドでタッチ出来るカードとマナベースの基準

   

大抵の初心者向け記事やプレリリースで配られる説明書では、リミテッドは基本的に2色のデッキを組めと教わります。ほとんどの場合3色以上はマナベースが不足して色事故を起こすからです。しかし場合によっては3色目の色が入るときもあります。タッチを選択できるにはどれくらいのマナベースが必要か?タッチしてでも入れる価値のあるカードとは何か?数字からマジックを分析するMagic MathをChannel Fireballで連載中の殿堂プレイヤー、Frank Karstenの記事です。

(原文はこちら)

To Splash or Not to Splash in Limited?(Channel Fireball)

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(翻訳)

リミテッド環境の多くは2色デッキが標準だ。しかし3つ目の色を少しだけタッチするのが魅力的になることもある、特に『ラヴニカのギルド』のような強力な多色カードが盛りだくさんの多色セットではそうだ。君のシールドやドラフトのデッキでタッチを選択するべきか判断する助けになるように、今日はいくつかのガイドラインや考察を用意してみた。

タッチとは何か?

まず言葉を定義するところから始めよう。私が「タッチ」という時は、ある色のカードを1枚から4枚プレイするという意味だ。緑のカードが10枚、黒のカードが10枚、青のカードが3枚ある時、君のメインカラーは緑と黒で、青はタッチしている。

大抵は1色しかタッチしない。2色以上をタッチすることは稀で、複数の《進化する未開地》が必要になる。

もし青のカードを5枚以上プレイしているなら、君は完全な3色デッキをプレイしていると言う事だ。そういうデッキはマナベースの要求が厳しくなり、ドラフトが上手く行っていないサインであるが、今日はそういう状況については考慮しない。

タッチするために色マナ源は何枚必要?

後で説明するが、もっと良い質問は「タッチカラーしか出せない土地は何枚まで許容できるか?」だろう。通常、この問いに対する答えは1枚か2枚だけだ。しかしタッチした呪文をどれくらい安定して唱えられるかを知るのも役に立つ。

数週間前、私は「君の呪文を唱えるために色マナ源が何枚必要か?『ラヴニカのギルド』版」という記事を書いた。その記事で仮定した内容を基に、以下の表では40枚のデッキでマナカーブ通りに呪文を唱える確率を示している。それぞれのマナコストで、推奨されるマナソースの枚数が緑でハイライトしてある。

(リンク先はChannel Fireballの画像)

例えば君は青をタッチして、青マナ源を3枚しか入れていないとする。すると、《つぶやく神秘家》のようなコスト「3青」の呪文の場合、先手4ターン目に少なくとも土地を4枚引いたとしても、島を引ける確率は66.1%しかない。この確実性はゲームが進めば自然と増していくが、ドローステップを数回しか行っていないなら、とても信頼できるとは言えない。

特定の遅いデッキで強力な呪文の1枚や2枚のために土地を3枚だけでタッチすることも許容は出来るが、それでも4枚か5枚は欲しい。より深く3枚から4枚の呪文をタッチするなら、4枚か5枚のマナソースが必要だ。これは私がタッチで要求する最低限だ。それでも呪文を安定して唱えるために私が推奨する枚数より少ない・・・青マナ源が5枚でも、土地を4枚引いたとして《つぶやく神秘家》をマナカーブ通りに唱えられる確率は85.5%しかないのだ。しかし、タッチしたカードが充分に強力ならば、色マナの不安定さをある程度補うことが出来る。

このマナベースの制約を踏まえて、どんなカードが良いタッチになるだろうか?ガイドラインを見ていこう。

コストが高いカードだけをタッチしよう

赤マナ源を5枚タッチしている40枚デッキを考えよう。表を見ると、《気難しいゴブリン》のような「1赤」の呪文をマナカーブ通りに唱えられる確率は72.8%だけだが、《嵐の行使》のような「4赤」の呪文を唱えられる確率は90.6%だ。

結果、序盤向けのクリーチャーはタッチに適さない。それが役に立つときに唱えられない可能性が大きい。だから序盤のカードは本当にメインカラーを優先させる必要がある。もし欠けているのなら、それはタッチで補うことが出来ない数少ない弱点だ。

逆に、コストの高い呪文はタッチに最適である、なぜなら必要な色マナを見つけるためのドローステップを多く取れるからだ。またコストの高いカードは終盤戦に強いものだから、タッチした色マナ源を後になるまで引けなくても役に立つ。

シングルシンボルだけをタッチしよう

黒マナ源を5枚タッチしている40枚デッキを考えよう。表を見ると、《致命的な訪問》のような「3黒黒」の呪文をマナカーブ通りに唱えられる確率は56.2%だが、《光を遮るもの》のような「4黒」の呪文を唱えられる確率は90.6%だ。

一般的に、ダブルシンボルの呪文はタッチするには適していない。私は少なくとも7枚か8枚の色マナ源を確保できなければダブルシンボルのカードを入れようと考えもしない、そして9枚か10枚マナソースを入れる方がずっと良い。メインカラーなら9枚か10枚のマナソースをプレイするのは実行可能だが、タッチカラーでは不可能に近い。

除去、強力なボム、フィニッシャーだけをタッチしよう

《光を遮るもの》は前の例だと魅力的に見えるが、典型的なタッチ用カードではない。替えが利くレベルのクリーチャーだから、メインカラーの別のクリーチャーよりずっと良くなることは無く、普通はそのためにマナベースを壊す価値は無い。例外として《光を遮るもの》が君のデッキの「穴」を埋める(例えば除去は引いているがゲームを終わらせるフィニッシャーが無い)時もあるが、大抵は強力なボムか高性能な除去のためにタッチをしたい。

例えば、《正義の模範、オレリア》や《地底王国のリッチ》のようなボム。または《名声の対価》や《議事会の裁き》のような除去呪文だ。基本的に真っ先にピックしたいと思うもの、それがタッチしたいカードだ。強力で、ゲーム後半でも強く、君のデッキの弱点を補うものでなければならない。

分割カードをタッチする

タッチカラーを引けなくても使い道があるカードは最高のタッチ用カードだ。数年前、私は例としてサイクリングを持つカードや変異が出来るカードについて解説したと思う。しかし『ラヴニカのギルド』が最新のセットである今は、分割カードがタッチとして完璧なカードの例だ。たとえ混成じゃない方のコストを支払うための色マナを引けなくても、混成マナの方でいくらかのバリューを得ることは出来るのだ。このためカードが腐ることは絶対に無い。

グランプリメキシコシティのトップ8に良い例がある。8人中3人が色をタッチする事を選び、3人とも少なくとも1枚は分割カードをタッチしていた。Mark Jacobsonは《採取/最終》《地底街の反乱》《席次/石像》をタッチし、、Steve Rubinは《席次/石像》と《切断された糸》、Martin Juzaは《反応/反正》をタッチした。全員がタッチカラーの色マナ源を3枚から4枚採用し、タッチカラーのマナを出す土地の中では基本地形を1枚までしか使っていない事も特筆に値する。

メインカラーの安定性を損なわない時だけタッチしよう

ボロスデッキに緑をタッチする時に《森》4枚でタッチするのと、《セレズニアのギルド門》2枚《寺院の庭》1枚《森》1枚でタッチするのには大きな違いがある。どちらの土地構成も緑マナが4枚入っているが、後者の方がメインカラーのマナ源を充分維持できるだろう。

メインカラーで安定したマナを確保する事を過小評価してはいけない。メインカラーは、もし私が大量の2C、3C 、4C、4CCをプレイしているだけなら少なくとも8枚の色マナ源は欲しい。もし私がC、1C、および/または3CCをプレイしていたら、9枚は欲しい。そして1CCや2CCの呪文を持っていたら、枚数を10枚まで引き上げるのが好ましい。この枚数は2色デッキなら簡単に達成できるが、タダで色を修正できるカードが無ければ3色デッキでは届くのは難しい。

色を修正するカード、特にコストを要求しないカードがある時だけ、タッチは良い考えになる。タップインデュアルランドが良い例だ。君のメインカラーのギルド門でも助けになる。例えば、緑白デッキに黒をタッチするなら、《セレズニアのギルド門》を加えたらその分《平地》か《森》を《沼》に置き換えられる。

アグロデッキやダブルシンボルを含むデッキではタッチを避けよう

説明したように、もしC、1C、1CC、または2CCをプレイしていたらメインカラーのマナ源を増やしたい。これはアグロデッキや、ダブルシンボルを複数採用しているデッキではタッチを避けるべきだという事を暗に示している。

もし君がボロスで《不和のトロスターニ》を採用していて、《山》ではなく《森》を引いたせいで《気難しいゴブリン》や《直流》を適切な時に唱えられなかったら大惨事だ、特に君のデッキが低マナ域をマナカーブ通りに展開する必要があるなら。君は強力なタッチカードで勝つよりも色事故で負ける可能性が高いかもしれない。コントロールや、ダブルシンボルが少ないかゼロのデッキでのみタッチしよう。

7-7-3マナベースを避けよう

メインカラーに7枚、タッチカラーに3枚の基本地形をプレイするマナベースは昔ながらだが、私は避けるようにしている。量で分かる例として2つのデッキを比べてみよう。

デッキAは2色デッキで序盤から中盤の呪文が21枚、終盤の呪文が2枚ある。どの呪文もパワーや質のレベルは10点中6点だ。8~9枚のマナベースで、序盤から中盤の呪文は90%の安定性で唱えられ、終盤の呪文は100%安定して唱えられる(数字は四捨五入している)。

デッキBは2色デッキと同じように序盤から中盤の呪文がメインカラーに21枚だが、終盤向けのボムを2枚タッチして補っている。序盤から中盤の呪文は同じように10点満点中6点のままだが、終盤戦のボムはどれも10点だ。7-7-3マナベースでは序盤から中盤の呪文を85%の安定性で唱えることが出来、終盤向けのカードは75%唱えることが出来る(同じく数字は四捨五入した概数だが、表をもとにした現実的なものだ)。

タッチを評価する方法は、安定性の補正を受けた強さの期待値だ。終盤向けの呪文は、2色デッキでは100%の確率で6点になるが、2色デッキではタッチすれば75%の確率で10点が得られる。期待値では6対7.5で、終盤向けの呪文においては明らかにタッチする方がアップグレードになる。

しかし、序盤から中盤にかけての呪文の安定性が損なわれることも考慮に入れなければならない。(2色デッキなら)安定性による補正を受けた点数は6×90%=5.4だったが、タッチしてマナベースが弱体化した後だと、これが6×85%=5.1になる。これは小さく見えるが、カード21枚分積み重なる。実に、タッチすることで、安定性を加味した点数は(7.5–6)×2=3.0上昇したが同時に(5.4ー5.1)×21=6.3減少した。結果として、全体的には弱くなったのだ。これがまさに、私が7-7-3のマナベースを避ける理由だ。

まとめ

最終的に、タッチするかしないかはカードの質の上昇とマナの安定性の低下を検討する事に行きつく。カードの質については、シングルシンボルで終盤戦に強く、メインカラーの選択肢よりもずっと強いものをタッチしたい。タッチするカードとメインカラーの選択肢との強さの差が大きいほど、そのカードに関心がある。もしカードの質の上昇幅が僅かなら、タッチに値しない。しかし7-7-3の例で、もしメインカラーの選択肢が本当に酷い、たとえば10点中2点だったら、タッチする価値は十分になるだろう。

もう一つの要素は、タッチすることでどれだけマナベースが弱体化するかだ。私は普段、ギルド門のようなフリーのマナ修正が複数無ければタッチはしない。例えば7-7-3の例で、3の部分をギルド門でタッチ出来たら、タッチするのに大きな障害やデメリットは無いだろう。しかし、もしタッチカラーの基本地形が2枚以上必要ならば、メインカラーの安定性の損失が痛いため、私は通常タッチしない。わずかなタッチにも4枚や5枚のマナソースを求める私の傾向もあって、私はリミテッドではあまりタッチをしない。もしタッチするなら、土地の評価を上げてピックする。

(翻訳ここまで)

原文や他のMTG記事で頻繁に使われているconsistencyという単語は通常「一貫性」と訳されますが、例えば「マナの一貫性」と書かれても分かり辛いと思い「安定性」「信頼性」という意訳を当てています。

この記事、プレリリース前に読みたかった・・・

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