【翻訳】Matt Nass先生のハウツーKCI(アイアンワークス)
2018/09/09
モダン環境でMatt Nass氏がグランプリを2回優勝したことで一躍話題になり、ローグデッキから対策が必要なデッキの一つとして大きく出世を果たしたアイアンワークス。その立役者本人の解説のうち、新しい方を翻訳してみました。調整点、ループパターン、サイドボーディングがシンプルにまとめられています。
(原文はこちら)
How to KCI, Revisited(Channel Fireball)
(翻訳)
前回のKCIの記事からモダンのメタゲームはかなり変化した。それを踏まえてもう一度アップデートしたリストを使ってKCIの記事を書いてみるのも良いかと考えた。僕はこの記事を総合的なものにしたいから、前の記事から繰り返しになる情報が含まれているかもしれない。Ben Starkと僕が25周年プロツアーで使ったリストを見ようじゃないか:
KCI
(Benjamin Stark 25周年記念プロツアー2位)
クリーチャー6
2:《マイアの回収者/Myr Retriever》
4:《屑鉄さらい/Scrap Trawler》
呪文36
4:《古きものの活性/Ancient Stirrings》
3:《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
4:《オパールのモックス/Mox Opal》
3:《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
4:《彩色の星/Chromatic Star》
2:《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》
4:《テラリオン/Terrarion》
4:《胆液の水源/Ichor Wellspring》
4:《精神石/Mind Stone》
4:《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》
土地18
3:《埋没した廃墟/Buried Ruin》
4:《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》
2:《森/Forest》
4:《燃え柳の木立ち/Grove of the Burnwillows》
2:《発明博覧会/Inventors' Fair》
3:《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》
サイドボード15
1:《島/Island》
4:《稲妻/Lightning Bolt》
4:《自然の要求/Nature's Claim》
3:《否認/Negate》
3:《練達飛行機械職人、サイ/Sai, Master Thopterist》
新しいアップデートを紹介してみよう:
《練達飛行機械職人、サイ》:サイは対策カードの中で消耗戦に勝つための素晴らしい手段だ。単体でゲームに勝つことが出来、軽いアーティファクトとも墓地に落ちた時に能力を持つアーティファクトともシナジーがあり、さらにコンボを始めるのがずっと簡単になる。
《否認》:青マナ源を多くプレイしているので、《耳障りな反応》の代わりに《否認》を運用出来る。《否認》は全てのノンクリーチャー呪文に撃てるだけでなく、《安らかなる眠り》や《石のような静寂》といった対策カードも捕らえてくれる。《クラーク族の鉄工所》を通すのにはちょっと使い辛いが、最新の構成においては最優先でなくなった。
《ヤヴィマヤの沿岸》:サイは繰り返し使える青マナ源が必要で、サイドボード後のゲームは有色のカードが増えやすい、なので《霊気拠点》は使い辛くなった。《産業の塔》も選択肢であり、採用しない分赤マナ源が減ってしまうが、このデッキは1ターン目に《古きものの活性》をよく唱えるんだ。
《島》:島は実に重要なサイドボードカードだ。青白は《廃墟の地》と《流刑への道》を使うので、3枚目の基本土地が大きい。サイもマナを喰うカードだから、19枚目の土地は痛手じゃない。
アドバイス
まずはループのリストから始めよう。全てのループを覚える必要はない、複雑なループを少し回したらシンプルなループにたどり着ける、しかしこのデッキは失敗する可能性があり、ループの確定が速いほど良い。
●KCI+《屑鉄さらい》+《マイアの回収者》2枚+点数で見たマナコストが1マナ以下の物
《マイアの回収者》がお互いを、そして無限マナとカードを供給するための何かを戻してくれる。
●KCI+《屑鉄さらい》+《マイアの回収者》+追加の《屑鉄さらい》または追加のKCI+《オパールのモックス》
《マイアの回収者》が重いカードと《オパールのモックス》を戻し、重いカードが《マイアの回収者》を戻す。これで無限マナが得られ、サイクリングを行うアーティファクトがあれば無限にカードも得られる。
●KCI+《屑鉄さらい》+《マイアの回収者》+1マナのカード2枚(うち片方は《テラリオン》か《彩色の星》)
《屑鉄さらい》、《マイアの回収者》、1マナカードの片方を場に出す。
↓
《マイアの回収者》、1マナカード、その後《屑鉄さらい》を生贄に捧げて残りの1マナカードを宣言する。
↓
《屑鉄さらい》が《マイアの回収者》を戻し、《マイアの回収者》の能力が《屑鉄さらい》を、回収者自身が1マナカードを戻す。
↓
《屑鉄さらい》と《マイアの回収者》を再びプレイする、これで別の1マナカードが戦場にある以外は同じ状態になる。この流れをもう一度繰り返すと元に戻るが《テラリオン》か《彩色の星》によってカードが1枚増えている。
《仕組まれた爆薬》もX=1で宣言出来るから2枚目の1マナカードとして使える。
●KCI+《屑鉄さらい》+《マイアの回収者》+《彩色の星》or《彩色の宝球》+《オパールのモックス》
マナを出す目的で《彩色の星》を出すことを宣言し、《クラーク族の鉄工所》《マイアの回収者》《オパールのモックス》を使ってコストを支払う(7マナが出る)。
↓
《クラーク族の鉄工所》が《マイアの回収者》を、《マイアの回収者》が《彩色の星》と《クラーク族の鉄工所》を、《彩色の星》が《オパールのモックス》を戻す、これで全て手札に戻っている。
↓
浮いている7マナを使って全部プレイし直す。
↓
繰り返して、そのたびにカードを1枚引く。
●KCI+《練達飛行機械職人、サイ》+《マイアの回収者》2枚
《マイアの回収者》をプレイし、《クラーク族の鉄工所》で生贄に捧げて2枚目の回収者で戻し、これを続ける。毎回、飛行機械が1つ増える。
●KCI+《練達飛行機械職人、サイ》+《屑鉄さらい》+《マイアの回収者》
《屑鉄さらい》と《マイアの回収者》は生贄に捧げてお互いを回収できる。普通はこの交換をするたびにマナが減っていくが、サイの飛行機械が補ってくれる。
●《屑鉄さらい》はKCIが無くても本当に面白い小技をやってくれる。僕のお気に入りは《オパールのモックス》を引いたとき、《彩色の星》や《彩色の宝球》を生贄に捧げ続けて伝説ルールで落とした《オパールのモックス》を回収する事だ。
●KCIはほとんど常にカードが不足する、マナではない。それを念頭に入れて:
- もし《クラーク族の鉄工所》を唱えてから追加の《オパールのモックス》でさらにマナを出すことが出来るか、または2枚目の《オパールのモックス》を使って《クラーク族の鉄工所》を唱えた後《精神石》か《発明博覧会》か《埋没した廃墟》が起動できるか土地を置ける状態ならば、大半の場合2枚目の《オパールのモックス》をプレイするべきだ。
- 《彩色の星》は大抵の場合マナではなくカードのために使うべきだ。
●いつ卵(《彩色の星》など生贄に捧げてマナを入れ替えつつドローを行うアーティファクト)をサイクリングするかは難しい。一般的に:
- 他に《クラーク族の鉄工所》で生贄に捧げられるカード、例えば《ダークスティールの城塞》や《オパールのモックス》が多くあるほど、卵をサイクリングした方がよくなる。
- 《彩色の宝球》は《クラーク族の鉄工所》で生贄に捧げた場合はカードを引けないから、使ってしまうハードルはずっと低い。
●時にはコンボを始めるために必要なものが、マナを消費する手段のみである場合もある。
《仕組まれた爆薬》か《練達飛行機械職人、サイ》の能力を使うことを宣言して、《クラーク族の鉄工所》で《マイアの回収者》と《屑鉄さらい》を生贄に捧げて支払う。これで《彩色の星》を回収出来てループを続けられる。
サイドボーディングガイド
トロン
OUT
-2 仕組まれた爆薬
-1 マイアの回収者
-3 彩色の宝球
IN
+3 自然の要求
+3 否認
人間
OUT
-1 精神石
-3 彩色の宝球
IN
+4 稲妻
青白/ジェスカイ
OUT
-4 精神石
-4 テラリオン
-1 仕組まれた爆薬
-1 マイアの回収者
-1 オパールのモックス
IN
+3 練達飛行機械職人、サイ
+1 島
+3 否認
+4 自然の要求
バーン
OUT
-1 マイアの回収者
-2 仕組まれた爆薬
-2 精神石
-3 彩色の宝球
IN
+4 自然の要求
+4 稲妻
マルドゥ
OUT
-4 精神石
-4 テラリオン
-1 仕組まれた爆薬
-1 マイアの回収者
-1 オパールのモックス
IN
+3 自然の要求
+1 島
+3 練達飛行機械職人、サイ
+4 稲妻
ホロウワン
OUT
-1 森
-2 精神石
-3 テラリオン
-2 仕組まれた爆薬
IN
+3 練達飛行機械職人、サイ
+4 自然の要求
+1 島
次に会う時まで、君が対策される中で戦い抜けるよう祈っているよ。
(翻訳ここまで)
翻訳する途中でプロキシカードを書いて回しながら読んでいたのですが、デッキを理解して使いこなすのはとんでもなく難しいと圧倒されました。これを組むならしっかり練習、というよりも一人回しを積み重ねて、コンボの途中終了や遅延が出ないように備えたいところです。