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無名の黒好きプレイヤーによるMTG記事の翻訳中心ブログです。ほとんどモダン。

【翻訳】プロツアーで勝ちたければデッキを作るな

   

前回のプロツアー『ドミナリア』は、多数の赤系アグロに少しコントロールが混ざったようなトップ8という、それまでのグランプリからあまり変わらない結果でした。

メタゲームがある程度成熟した時期に開催される現代のプロツアーでは、誰も知らないデッキを組もうとするのは落とし穴かも・・・という話。

(原文はこちら)

How to Win at a Pro Tour in the Modern Era: Don’t Try to Break the Format(Channel Fireball)

(翻訳)

最近のプロツアーは二つのフォーマットを採用している:リミテッドと構築だ。その片方はもう一方よりもずっと重要で、それは多くの人が思っている事と逆で・・・ドラフトだ。

ステップ1:ドラフト!ドラフト!ドラフト!

現代のマジックで話題の中心は構築だ:我々はドラフトやシールドをほとんどテストせず、君はめったにそれらのイベントを目にしない、しかしプロツアーのドラフトは最も大事な部分なんだ。

君はいつでもMOCSから8-0デッキをコピーして、たくさんの記事を読み、あらゆるプロがスタンダードについて持っている知識の80%は得ることが出来る、しかしドラフトは努力をかけなければそこまでは・・・その半分も得ることは出来ない。

マジックオンラインは完璧だ!ドラフトを練習するためにプロプレイヤーが集まったチームを組む必要はない。プロツアー、特に初日で当たるポッドはちょうどマジックオンラインの競技リーグと同じくらいのレベルになる。

Team Genesisがオンラインでの準備に不満を上げて、イベントの1週間前に集まるべきだと感じたのは聞いた。僕はこのテストのやり方は世界選手権のような大会では良いが、プロツアーについては偏っていると感じる。

僕は2年間Team MTG Mint Cardのメンバーをやっていて、一番勝てるアーキタイプを知るためにMOでやった全てのドラフトのデータを集めている。

プロツアー前、僕は大体32回くらいオンラインのドラフトをやった。そのうち16で0-1、トロフィーは4回だけ、チームで最下位の50.88という勝率だった。

僕は教訓を得て、自分が嫌いな色と好きな色を把握し、どのアーキタイプが開かれている事が多くてどのアーキタイプがそうではないのかを確認した。勝利よりも敗北から多くを学んだ。

僕はたくさん負けたが、PTでドラフトしたい戦術を見つけるまでプレイを続けた。

PTでは5-1で終わった、その前はプロツアー『イクサランの相克』での6-0、これによってリミテッドマスター2位という誇りに思える結果を出した。今まで僕がリミテッドの部分でどれだけダメだったかを考えたら、たどり着けるとは夢にも思ってなかったものだ。

なぜ僕は急にプロツアーのリミテッドで上手くやれるようになったのだろうか?それは僕の相手よりも努力を注ぎ込んでいるから・・・そしてそれは報われている。

もし君が構築のリーグを32回やったとしても、MOCSでCorey Braumeisterが組んだ75枚をコピーした人よりもさほど多くの知識を得ることは無い・・・おそらく55:45だろう。僕は全体でスタンダードリーグを2回やって、自分のデッキ選択を良かったと感じた。

ドラフトは君がプロツアーで有利になれる場所だ、構築ではない。たくさんドラフトをやろう(ああ、金がかかる、しかし成功には代償が伴うものだ)、そして一度君が安心できる戦術を理解したら、君が思うようにドラフトをしよう。ドラフトで君が主導権を握るんだ、他の人に動かされるんじゃない。

僕や僕のチームはドラフトで殆どのプロと違う動きをすることが分かった。

シグナルを読むことに集中しすぎてはいけない。君の隣の人にシグナルを送る側になれ。

もちろん、君が青いカードを1枚も見ていなければ、たとえ最初のピックで《ボーラスの手中》を取っていても、降りないといけない。しかし彼らが《フレイアリーズの歌》を流したからと言って緑をプレイしないといけないわけではない。そのシグナルを流して2つ目のパックで利用しても良いのだ。

例えば、僕はドミナリアで緑を低く評価している。25回目くらいのドラフトで自分の勝率を確認した時にそれに気付いた。僕は緑で上手く行かず、エスパーカラーで素晴らしく回ってたんだ。

じゃあプロツアーの最初のドラフトでどうしたのか?僕は《ラノワールのエルフ》も《フレイアリーズの歌》も全部渡し、《エイヴンの歩哨》を全部ピックして、そして3-0を決めたんだ。

構築と違って、リミテッドでは単純に情報を吸収するだけじゃダメだ。君は自分自身でゲームをプレイし、自分で何が好みなのかを確認しなければならない。《ボーマットの急使》と《ドミナリアの英雄、テフェリー》の使い方は1つだが、ドラフトでは自分の運命は自分で決めるんだ。

ステップ2:構築―環境を打ち破るのは止めよう

むかしむかし、インターネットはまだ普及していなくて、マジックオンラインで最後のセットがプロツアーの4か前に出ていた。MTG Goldfishは存在せず、プロツアーはリリースの2週間後に行われた。そういう時は環境を打ち破ることでプロツアーで成功することが出来た。

ウィザーズは誰でもプロツアーでよく戦えるように何でもしている。プロのチームはもう関係ないのだ。我々は完璧な情報を持っている、最後に私がチームのデッキを見て「ワオ、こいつらやりやがった!」と思ったのは、プロツアー『アモンケット』に現れたTeam Genesisの《炎呼び、チャンドラ》入り《霊気池の脅威》デッキだ。

今では、プロツアーはセットのリリースから数か月後で、マジックオンラインで成功したリストが何千個もある、グランプリもだ!

基本的に構築でテストをするのは有効ではない。

Brad NelsonとCorey Braumeister、世界トップのスタンダードプレイヤー達は、1つ前の週のイベントで使ったものと同じデッキを使い、勝って、記事を書いた。

どうやって彼らより上手くやろうと言うのか?

僕がプロツアーで使ってきたデッキは常に背中を狙われ続けてきたTier1のデッキだ。赤黒ミッドレンジ、人間、ティムールエネルギー、ゾンビ、マルドゥ、そしてバントカンパニー。僕はいつもそれで良い結果を出してきた。

この2年で唯一構築で止まってしまったのはPTカラデシュで自前のジェスカイコントロールを作った時だった。マルドゥ機体や白青フラッシュを組まずにそれらを倒そうとした結果、僕はドラフトで2-1だが構築では0-4で終わった。

ウィザーズはリリースの数か月後にプロツアーを設定し、プロツアーの何週間も前にマジックオンラインで新しいセットを出すことで、以前よりもスタンダードに集中しなくなっている。環境を打ち破ろうとする人は誰でも惨めに失敗することになるだろう。これは考慮するべきだ。

君がマジックに捧げる時間の95%をドラフトに、5%をスタンダードの配信を観て使おう。

プロツアーの何日か前に、君が確かなデッキ選択を固めたら(例えば今回のプロツアーなら赤黒アグロや青白コントロール)、マジックオンラインかチームメイトを相手に構築のプレイを始め、記事や配信で言われている事を慎重に検討してサイドボードプランを書き出そう、これで君は準備万端だ!

まとめ

ドラフトをやり、コピーデッキを組み、そして恐れるな、そうすれば君はプロツアーで勝てるさ!

(翻訳ここまで)

読んでいてふっと思ったのですが、ドラフトの調整や研究が少ないのは、現実と同じテストが出来ないとMOのドラフトリーグ形式が嫌われているからかもしれません。

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 - スタンダード, リミテッド