【翻訳】再録禁止カードは既存プレイヤーにとっても高すぎる
2018/06/17
再録禁止カードの値段高騰によって、多くのプレイヤーにとってレガシーやヴィンテージへの参入は困難になっています。しかし、既にカードを持っているプレイヤーにとっても無視できない問題に気付いて、Brian DeMarsプロがChannel Fireballを通じて助けを求めました。
(原文はこちら)
Help! My Cards Are Too Expensive to Play With!(Channel Fireball)
(翻訳)
ぜいたくな悩みなのは分かっている・・・
先週末、私はSCG-CONでヴィンテージの大会に出た。私はここ数年間ヴィンテージをプレイしていないが、《Mishra's Workshop》デッキを使ってトップ8にたどり着いた。
このフォーマットは楽しく、ゲームは私が体験した中でも特にダイナミックで面白いものだった。昔一緒にプレイしていた仲間たちと再会し、新しい環境のスター達と出会うのは最高だった。
私はいつも、ヴィンテージのプレイヤーはマジックでも最高の体験をしていると言ってきた。1日目のイベントの後、ヴィンテージ勢はみんなでバーベキューをやる事に決めて、みんなで飲んで、Lebronが圧倒されるのを観戦した。少なくとも20人のプレイヤーがいた。ヴィンテージのコミュニティは宝だ。おそらくこの3年間で一番楽しいマジックの大会だった。
それでも、確かに楽しかったのだが、この体験の中で私を捉えて居心地を悪くしている重大な要素があった・・・箱の中にあるデッキの値段だ。私は紙でヴィンテージの大会に出たのが数年ぶりで、カードの値段は天文学的な数字に上がってしまっていた。特に再録禁止カードへの投機が意味不明な値段の暴騰を招いている。Unlimited EditionsのプレイドのMoxが1000ドル以上する。《The Tabernacle at Pendrell Vale》は2000ドル以上だ。もう少し無難なリバイズドの《Underground Sea》でも700ドルだ。こいつらは高い投資になる。
ヴァージニアに到着してイベントでプレイを始めると、こんな小さなボックスの中にそれだけ高額なコレクションを持ち歩いてウロウロするなんて俺はどんだけバカなんだと思った。無くすかもしれない。盗まれるかもしれない。強盗に遭うかもしれない・・・2日間それだけの価値のあるカードを持ち歩いていくのは誤った判断だと思った。99.9%は問題ない状況なのだが、その0.1%は明らかに壊滅的になっていただろう。
これはもう「盗まれた奴がバカなんだ」って済ませられる問題じゃない。私の友人はラウンド開始前にバックパックからスコア帳を取り出している間にレガシーデッキの入ったボックスをテーブルから掠め取られたことがある。私だって警戒しているが、何かが起こるのにはたった1秒あれば十分なんだ。どうにもならない状況が存在する。
分からない。私は少数派かも知れない、しかし私は楽しめるゲームをプレイするためだけに高いカードを持って行くのが嫌になるところまで来てしまったんだ。
保険
一番良い回答は、自分の身を守る事だ。君がエターナルのファンで高い再録禁止カードを持って旅行する予定があるのなら、君のコレクションに損害保険を適用させるのは納得できる。
私はコレクションに保険をかけるための具体的な事は知らない(おそらく契約内容や種類で異なるだろう)が、EFroが私のソーシャルメディアに、マジックのカードは一部の住宅所有者保険の契約で大会中もカバーされるという投稿をしていた。君のコレクションが写真として保存され、識別のために文書化されているかを再確認するのが重要だ。これは私がもう一度ヴィンテージの大会に出るかどうか判断するために調べる事だ。
君がエターナルをプレイするなら検討しよう。
プロキシを解禁するべきかも?
かつてSCGのパワー9シリーズは10枚までのプロキシを認めていたが今回のトーナメントではプロキシが禁止されていた。あくまで私個人の意見だが、私はエターナルプレイヤーにとってプロキシは素晴らしいと思うが、大会運営者にとっては以前に無かった障害を生み出している。特に、以前は無かったビデオカバレージと噛み合っていないのだ。
プロキシは判断の難しい問題で、ウィザーズの大会ではサポートされていない。彼らが自分たちのイベントでは自分たちの商品を使ってもらうことは当然で、プロキシを許すのは坂を転がり落ちるようなものだ。
ヴィンテージのような環境では、公認と非公認の違いはほとんど無い。これはヴィンテージのグランプリ、SCGオープン、RPTQでプロツアーやインビテーショナルへの参加権があるとかいう話じゃない。紙のヴィンテージの大会はプレイヤーが純粋にゲームを愛して、他のフォーマットのファンと遊ぶためだけに行われるからだ。
私はもっとプロキシのイベントを見たいと思う。その利点は2つある。第一に、多くのプレイヤーに環境にアクセスできるようになる。モックス、《Mishra's Workshop》、《Bazaar of Baghdad》はどれも1000ドル以上で安い代替品は存在しない。君は金持ちかな?違う?残念、君は遊べないよ。そんなのクソだろ、私は参加するだけで何千、何万ドルも要求されるルールは受け入れられない。
第二に、(先ほど書いたように)カードがあまりにも高くなりすぎて、たとえ君が持っていたとしても、持ち歩くのが不安になる域にまで達しているからだ。
個人的に、再録禁止リストへの投資は平均的なプレイヤーにとっては有害だと感じている。ヴィンテージとレガシーのカードは今からマジックをプレイする人が買うには非現実的な値段にまで上がってしまった。極端なエターナルのファンなら支払うだろうが、一から始めるなら本当に身を捧げる必要があるのだ。
私は自分のカードを再録禁止の状況を利用して金持ちになるための投機として買ったのではない。そのほとんどは何十年も前に、カードが好きで、プレイしたいから買ったものだ。ああ、今はとてつもない価値があるが、私にとっては実際にプレイ出来る機会が少なくなってるから、それがカードを持つ動機である以上むしろ価値を失っているように感じる。私がシャッフルをするたびに状態による価値も失ってるのは言うまでもないね!
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私は特に再録禁止のプロキシが認められて、再録禁止が平均的なプレイヤーに押し付ける障害を取り除くルールが現れたらと思う、それによって:
・殺されるリスクを覚悟して何千ドル分のカードを運ばなくて良くなる。
・シャッフルによってカードを痛めなくて良くなる。
・プレイヤーは必須カード1枚のために1000ドルを払うことなくエターナルにアクセスできる。
ウィザーズが魅力的な公式のプロキシカードで作られたブースターパックを作ってくれたら嬉しい。再録禁止の制限を回避して、コレクターへの信頼を損なわずにプレイヤーにゲームを楽しませる方法になるだろう。
私の考えは、ブースターパックの中にそれぞれの色・アーティファクト・土地の白紙カードを2枚入れるというものだ。これらのプロキシカードはテキストも画像も無いマジックのカードで、裏側はマジックと同じだ。プレイヤーはカードの名前、カードタイプ、コスト、パワー/・タフネス、オラクルを自分で描いて、自分でイラストを描くかお気に入りのイラストレーターグランプリでイラストを描いてもらうんだ。クールだと思わないか?
私と友人はエターナルの大会をカードが高くなり過ぎた現状に適応させる方法としてこの考えを話していた。これが機能しない理由がいくつかあることは分かっているが、私は真剣に、エターナル環境を育てるためにこういう何かがあっても良いと思う。
誰かがまた「プロキシが再録禁止カードの値段を暴落させるだろう」と言う前に、アルファの《蜘蛛の巣》が300ドルくらいする事を考えようか。
再録禁止カードの価値は、構築フォーマットでの強さよりもコレクションや希少性としての価値にずっと強く影響されているんだ。
もっと多くの人がカードの値段ではじき出されることなく、私の場合は大会にもっていって事件に巻き込まれるリスクに怯えずに、この素晴らしいフォーマットをプレイできるようになって欲しい。私は明らかに「俺は好きなゲームをやりたいだけなのに諸々のコストがかかるからダメなんだ」という見方に偏っている、しかし私はカードに投資している側の立場があるのは分かっているし尊重する。
君がプロキシや再録禁止リストその他に対してどういう見方を持っているのかに関わらず、君が使える損害保険を確認し、想定外の事が起こった時に備えがあるかを確認しよう。これは複雑な問題で、君がどう思っているかをコメントでぜひ聞きたい。この話には様々な立場があるが、私には一つだけはっきりしている:エターナルにおける再録禁止カードのデタラメな価格は、ゲームを実際にプレイしたいプレイヤーにとって良くない方向に、ゲームを変えてしまっているのだ。
(翻訳ここまで)
流石にここまで来ると「高くてもカードは買え」とは手放しに言いづらいかも・・・?