君は黒枠病の恐怖を知っているか?
2018/06/20
MTGを続けていると、単にデッキを組むだけではなく、カードの絵柄や言語まで統一しようという拘りに走り出すプレイヤーを時々みかけます。
自分で普通にデッキを組んていて、例えば「このカード、英語と日本語でバラバラ、絵がバラバラなのが違和感あるなあ・・・」と感じた事はありませんか?
そうなったら《沼》の入り口に足を突っ込んだも同然です。
気が付いたらカードの中身ではなく見た目に拘りだし、不揃いなのが許せなくなるようになっていき、とんでもなく高いカードを当然のように買ってしまう、財布のひもがユルユルになる状態。
その中でも特に古参のMTG関係者に恐れられているのが黒枠病です。
黒枠病とは?
昔のセットの一部にはカードの外側の枠が白枠になっているものが存在します。当時のルールでは「再録カードで構成されるセットは白枠」という原則が存在し、第9版までの基本セットはその言語で初めて登場した場合以外は白枠になっていたのですが・・・
「この白枠のカード、格好悪いな・・・」
そう感じて黒枠のカードを集めだす。
これが黒枠病の初期症状です。この小さな違和感が徐々に大きくなってきて黒枠のカードしか受け付けなくなる末期症状へと悪化していくのです。
最終的に、
「そのデュアラン白枠だからマナ出ないよ。」
「この《神の怒り》は白枠だから再生を許してしまう」
やがてこんな事を言いだして白枠はカードと認めないとまで言い張るようになるとか。実際にそんな場面に遭遇したことはジョークでも個人的にありませんが。
他にどんな症例があるの?
実はこの症状は、基本的にモダンより前のセットからプレイしてる方やレガシー勢に特有のものです。なぜなら、銀枠を除いてモダン以降のセットは全て黒枠で出ているから。
しかし、中には黒枠病以外でもポジティブなものからネガティブな物まで、それはそれで何らかのこだわりを持っている場合もあります。
Foil病
特定のデッキ、それも超高額のジャンドなんかを使っているプレイヤーでさらにフルフォイルで揃えているプレイヤーをたまに見かけます。
全てのカードがFoil、さらにフェッチランドなどの土地はZendikar Expeditionの特別に高い物でコンプリート。一体どこにそんな金があるのかと突っ込みたくなるのですが、最近逆だと気付きました。
モダンやレガシーは一つのデッキを使いぬくのが主流なフォーマット。ある程度高いデッキを揃えたらそれ以上カードを買うのはメタに合わせた調整程度です。
ですが、一度デッキを完成させても何か買いたい、金を消費したい、という欲求は出てきますし、大会で勝てばショップのポイントが溜まってくるかもしれません。
となると今のデッキをを強化するには・・・もっと見栄えのあるカードを!Foilを!というわけです。
銀枠基本土地病
もう少し手軽に挑戦できる例として、特定の基本土地にこだわりを持つ場合もあります。
特に人気が高いのは、アートとしてのクオリティが高いアンシリーズ(Unglued、Unhinged、Unstable)の基本土地で、比較的揃えるのが手軽で良く見かけます。
基本土地と言えば過去にウィザーズが限られた報償としてのみ配布していたグルランドも貴重なカードとして人気が高く、こだわる人がいますね。
両面カードアレルギー
逆に特定のカードに嫌悪感を感じてしまうプレイヤーというのも少数ながら存在します。
あれはだいたい『異界月』がスタンダードリーガルだった、バントカンパニーや白緑トークンが環境を支配していた頃。当時スタンダードをプレイしていた管理人が白緑のクリーチャーデッキと対戦した時、相手のデッキに強烈な違和感を感じて聞いてみたのです。
「そのデッキ、《薄暮見の徴募兵》入っていないんですか?」
すると、「両面カードはエラーカードだからデッキに入れたらいけないんだ!」と返されたことがあります。話を聞くと、その人は心底両面カードが嫌いで嫌いで仕方がないという感じでした。
両面カードはカードを裏返す際にスリーブから出したり、チェックシートを使ったり、リミテッドで公開情報として扱われたりと何かと面倒臭さが目立つカードです。
それに自分が持つ過去のイメージやパターンとかけ離れ過ぎたものが出てくると、人は本当に不快感を感じて耐えられなくなってしまうのです。
『イニストラード』で登場した両面カードはMTG全体としてはそれを乗り越えた成功例ですが、中には受け入れられない人もいるという事をその時知りました。
最後に:管理人の場合
管理人自身は今のところ、特にFoilで揃えたりはしていません。せいぜい基本地形を『ラヴニカへの回帰』ブロックで統一しているくらい?
ああ、そうですね、一言だけ言っておきましょうか。
日本語版のヤヘンニはプロキシだから公認大会では使えないよ!(真顔)
理由はこちら。