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MiniDeckTech:帰ってきた《スカラベの神》

   

『イクサランの相克』までのスタンダード環境を支配していたのは《スカラベの神》でした。カード単体の高いアドバンテージ能力に加えて《ヴラスカの侮辱》《致命的なひと押し》《光袖会の収集者》など脇を固める黒いカードが優秀だったことも追い風になっているようでした。グリクシスエネルギー、青黒ミッドレンジ、青黒コントロールは間違いなくDeck to beatとして君臨していました。

しかし『ドミナリア』が公開されてから、スタンダードの景色は大きく変わることになります。

赤単、緑単のアグロ。赤タッチ黒の機体。《ドミナリアの英雄、テフェリー》と白い除去に後押しされた青白コントロールに押されて、《スカラベの神》は話題にも上がらなくなります。実際、値段を見てみると注目度がダウンしたことが良く分かります。

それでもこのカードの強さは決して無視できるものではなかったようで、最近は採用するデッキが次々入賞リストに登場しています。

反撃の狼煙になったかもしれないのがこのリスト。

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青黒コントロール

(yaya3、MOCS 6-2)

土地26
1《オラーズカの拱門/Arch of Orazca》
4《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》
4《異臭の池/Fetid Pools》
3《廃墟の地/Field of Ruin》
6《島/Island》
3《水没した骨塚/Submerged Boneyard》
5《沼/Swamp》
クリーチャー6
2《スカラベの神/The Scarab God》
4《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》
呪文28
1《一瞬/Blink of an Eye》
2《喪心/Cast Down》
3《不許可/Disallow》
1《本質の散乱/Essence Scatter》
4《致命的な一押し/Fatal Push》
3《天才の片鱗/Glimmer of Genius》
2《ヒエログリフの輝き/Hieroglyphic Illumination》
1《渇望の時/Moment of Craving》
1《否認/Negate》
1《至高の意志/Supreme Will》
3《中略/Syncopate》
4《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》
1《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
1《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》
サイドボード15
3《悪意の騎士/Knight of Malice》
2《ジェイスの敗北/Jace's Defeat》
1《渇望の時/Moment of Craving》
1《否認/Negate》
3《強迫/Duress》
1《アルゲールの断血/Arguel's Blood Fast》
1《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
2《最古再誕/The Eldest Reborn》
1《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》

(晴れる屋のデッキ検索より引用)

"yaya3"という名前を見てピンと来た方もけっこういるのではないでしょうか?

そう、日本が誇る殿堂プロプレイヤーの一人、八十岡翔太選手が使うマジックオンラインのアカウント。青黒やグリクシスカラーのコントロールで多くの結果を残しているヤソさんが、この環境でも青黒コントロールで魅せてくれました。

『ドミナリア』で青黒コントロールを大きく強化しているのが《喪心》《中略》《一瞬》の3種類。

《喪心》は伝説こそ倒せないもののそれ以外のクリーチャーに対しては《破滅の刃》や《究極の価格》と同じパフォーマンスを発揮する柔軟な除去。非伝説のクリーチャーが全く入っていないデッキはコントロール以外はそうそう無いですから、同じコストの除去と比べて腐りにくそうです。

もう一つの新戦力は《中略》。

2ターン目に構えるカードとしては受ける範囲が広く、何より打ち消した呪文を追放出来るのが《屑鉄場のたかり屋》《地揺すりのケンラ》のようなカードが使われる環境で重宝します。

このカードを序盤に運用することで、後続の《再燃するフェニックス》やプレインズウォーカーに対して《ヴラスカの侮辱》を温存しやすくなったことでしょう。

《一瞬》はゼンディカーで登場した《乱動への突入》を、他の次元で印刷出来る名前に変えた同型再販。バウンスですがキッカーしたらアドバンテージを失わず、ゲームを長引かせて優位を目指すコントロールに向いています。

黒最大の強みである《致命的なひと押し》は、黒赤機体がブームになっているメタゲームなら警戒を持つ《キランの真意号》に刺さります。

他にもメインデッキから《否認》《本質の散乱》《渇望の時》と2マナの軽いアクションを丁寧に散らして選択肢を増やしつつ、《天才の片鱗》《アズカンタの探索》《奔流の機械巨人》で質・量ともにアドバンテージをガッツリ稼いでいく構成です。

普段モダン中心の管理人にとっては珍しいのがメインデッキとサイドの両方に1枚挿された《魔術遠眼鏡》。流石にメインデッキから《真髄の針》を撃つリストは見たことがありませんが、機体、プレインズウォーカー、《アズカンタの探索》《アルゲールの断血》など起動型能力を使う凶悪なカードが多い環境では貴重な対策です。

サイドボードの《悪意の騎士》は「白からの呪禁」という新しい能力が目を引きますね。

白のトークン系デッキで序盤に許してしまったカードをブロックしたり、青白コントロールに対して思いリセット以外では処理できないクロックとしてライフを詰めてくれます。

他にも同時期に出てきた青黒タッチテフェリーという感じのエスパーコントロール、前環境の青黒ミッドレンジにカーンを足したもの、スゥルタイ《巻き付き蛇》アグロと、《スカラベの神》を崇めるデッキ達が次々と表舞台に登場。

機体デッキ同様、環境が変われば思いがけないデッキが噛み合って活躍する可能性があります。一見偏ったメタゲームに見えた時こそ、チャンスが眠っていそうですね!

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