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無名の黒好きプレイヤーによるMTG記事の翻訳中心ブログです。ほとんどモダン。

【翻訳】PV先生のマリガン講座

   

ブラジルを代表する殿堂入りプロプレイヤー、Paulo Vitor Damo Da Rosa選手によるマリガン基準の考え方です。タイトルは何となく晴れる屋風のノリで改題(笑)

(原文もどうぞ。)

3 Tips to Mulligan Smarter(Channel Fireball)

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(翻訳)

今まで「キープ?マリガン?」という問題を出す記事はChannel Fireballに書いてきたけど、全体的なマリガン理論については書いたことが無かったから、書いてみることにしたよ!この記事では、上手にマリガンをするための3つのアドバイスを贈ろう。

1.自分のデッキを知る

マリガンはいつも前後関係によって変わる。君は手札をキープしたりマリガンするわけじゃない。君はいつも、何かのデッキを、何かのデッキに対して、先手か後手でキープかマリガンをする。相手が何をプレイしているのか分からない場合もあるが、君が何をプレイしているのかは把握している、そしてあるデッキがキープする手札は別のデッキならマリガンする手札だ。

マリガン判断をする際に最も重要な要素の一つは、君のデッキがマリガン耐性を持っているかどうかだ。一部のデッキは手札が6枚以下になると勝つのがずっと困難になる、一方で他のデッキはそうでもない、なので君のデッキがどちらなのかを知っておくことがマリガン判断の助けになる。

全体的なルールとして、僕はデッキを「量のデッキ」か「質のデッキ」に分類している。

「量のデッキ」は機能するために必要なリソース量がある。デッキに入っているカードの多くが均質で、飛びぬけたものが存在しない。これらのデッキは手札6枚からでも立ち上がりを支えるような強力なカードが無くて、リソースが欠けるたびに他のカードも全部弱くなる、そのためマリガンに弱い。

一部のコンボデッキ、例えばスケープシフトストームがこの例だ。スケープシフトは7枚の土地にたどり着きたい、そしてストームは大量の呪文を唱えたい(今のけちストーム型ではこの傾向は薄まったが)。スケープシフトは、《風景の変容》以外はどのカードも基本的に同じことをする、つまりカードが1枚減るということはそのままデッキが機能するためのカードが1枚減るわけだ。どのカードも同じことをするから、マリガンしてもより良い手札にたどり着く可能性は低い。ただ単純にマリガンして手札が減るだけだ。

別の例はマーフォークのようなシナジーに依存するデッキだ。君がマーフォークを引けば引くほど他のマーフォークが強くなる、つまり手札からカードを1枚減らせば他のカードが全部弱くなり、そしてこの状況を何とかするカードは無い。

僕がそんな「量のデッキ」をプレイする場合はマリガン判断で慎重になる、なぜなら失ったカードを補える強力なカードが無いからだ。代わりに引く手札がもっと弱いと分かっているから、僕は不完全な手札でもキープする。もし君がそんなデッキで頻繁にマリガンしているなら、君はマリガンのしすぎで、もっとキープを受け入れた方が良い可能性がある。

二つ目のタイプは「質のデッキ」だ。僕の考え方では、「質のデッキ」は他よりもずっと強いカードがあって、それらが単体でとても強いから枚数で不利な状態からでも脱出できる。

こういうデッキの例はフェアリーだ。フェアリーには《苦花》があった・・・《苦花》は異常な強さで、《苦花》がある6枚の手札は大抵の《苦花》が無い7枚よりも強かった。同じことがCaw-Bladeでも起こった、たとえ手札の枚数が少なくても《石鍛冶の神秘家》がある手札の方がたいていの場合強かったんだ。Mike Sigristがプロツアーで2位になった青赤《アーティファクトの魂込め》もこの中に入る。《アーティファクトの魂込め》のある手札の方が無い手札よりもずっと強い。ごく最近では赤単アグロが「質のデッキ」の素晴らしい例だ、なぜなら《熱烈の神ハゾレト》があればどんな手札の枚数でも復帰できた(それどころか手札の枚数が少ないほうが良い場合すらある)。デッキの中にハゾレトが4枚あるから、赤単をプレイする時はどんな微妙な手札でもマリガン出来ると分かっていた。

つまりこういったデッキをプレイしているなら、君はずっとマリガンを惜しまなくてよいのだ。もしも手札が中途半端なら、たとえ手札6枚になってもずっと強いカードがあるから、君は恐れずにその手札を投げ捨てて良い。例えば、僕は赤単のミラーマッチでは絶対に弱い手札をキープしない、なぜならハゾレトがあれば手札の他のカードが何であっても素晴らしいからだ。もし君がそんなデッキを使っていてほとんどマリガンしていないなら、君は十分に強くない手札をキープしてしまっていて、もっと積極的にマリガンした方が良い可能性がある。

僕は最初にCaw-Bladeをプレイしていて、Ben Starkが大会で引いた手札について聞いた時のことを覚えている。彼はミラーマッチの先手で、こんな手札だった:

《マナ漏出》
《呪文貫き》
《精神を刻むもの、ジェイス》
土地4枚

機能する手札だから多くの人はキープを選んだ、しかしBenは反対した。彼の主張は、ミラーマッチで強力な2マナ域が多く入っている(《戦隊の鷹》と《石鍛冶の神秘家》)から、それを先手2ターン目にプレイするアドバンテージにはマリガンする価値があるとうものだ。最初の手札は必ずしも悪いものではないが、それらのカードの存在から先手である事が重要で、もし手札に無ければ先手のアドバンテージを無駄にしているのだ。もう少しこのデッキをプレイしてから、僕はBenに賛成するようになった。

君のデッキを理解することも重要だ、君が実際にどのれくらいの手札を引き込むかを把握しておく必要があるからね。君が手札を見た時に、それがこのデッキでは普通の手札か、異常な手札かを判別する必要がある。これが普通の手札で、普段と違うことを強いられる特殊なマッチアップじゃなければ、たとえ君にとって好ましくないカードが入っていたとしてもキープしなければならない・・・それか次はデッキを変えるかだ。

君が土地18枚の超攻撃的なデッキをプレイしていると想像しよう。すると君の手札は土地1枚とたくさんの1マナ域だった。君はこの手札はマリガンできない。もし君が土地1枚と1マナ域の手札をマリガンするとしたら、君のデッキには土地が18枚よりも多く入っているべきだ。これは除去が17枚入ったデッキでも似たような事になる、君は除去が3枚入っている手札を引いて「これじゃ除去が腐るデッキ相手に弱いからマリガンしよう」と考えることは出来るが、デッキには17枚も除去があるんだ!君の手札、そしてきみのゲームプランの多くは、除去が弱いなら酷い事になる、そしてそれが受け入れられないなら、君はそもそもこれほど大量の除去をデッキに入れてはいけないんだ。

サイドボード後にはデッキが変わることも頭に入れて置こう。君が1マナ域が16枚入ったZooをプレイしていたとする。君は1マナ域が1枚もない手札はマリガンするという考えにたどり着いた。結局のところ必要だからデッキに入っているのだ。

しかし、サイドボード後に君は16枚の1マナ域のうち8枚をサイドアウトした。この場合はもう1マナ域の無い手札をマリガンするという考え方は合理的じゃない。それならサイドアウトするべきではなかったのだ。

2.相手のデッキを知る

君はいつも相手が何のデッキを使っているか分かるとは限らないが、もし分かっているならそれに合わせてマリガン判断をするべきだ。

モダンでよく起こるシナリオは、対戦相手が手札破壊デッキをプレイしている時だ。もし相手が手札破壊デッキ(この場合の手札破壊デッキとは《思考囲い》や《コジレックの審問》の入ったジャンドのようなデッキで、8-Rackとは限らない)であれば、君はキープをより受け入れるべきだ。手札破壊はあらゆるデッキを「量のデッキ」に変える。相手はカードを狙い撃ちできる1マナ手札破壊が6枚以上は入っているから、特定のカードを狙ってマリガンするのはこのマッチアップでは悪手となる、なので究極的に手札の厳密な内容はカードの枚数よりも意味が無い、どうせ1番強いカードを捨てさせられるからね。

この理由から、僕は手札破壊デッキを相手にするときはマリガンがずっと少なくなる。1枚で復帰できるような強いカードは捨てさせられるから期待できず、他の状況ではマリガンするような手札でもキープする。同じことは消耗戦を挑むデッキにも言える(1対1交換を繰り返すなら質より量が欲しい)が、手札破壊を相手にした時はさらに強調したい。

例えば、僕がプロツアーでスケープシフトを使った時、ジャンド相手にキープした手札を見てみよう。

《山》
《山》
《踏み鳴らされる地》
《踏み鳴らされる地》
《風景の変容》
《風景の変容》
《原始のタイタン》

大半の人がマリガンすると言ったが、僕はキープ、それも良いキープだと主張する。君がマナ加速を求めてマリガンしたとしてもガッカリするだろう。たとえマナ加速を引けたとしても、相手に捨てさせられるだろう。マリガンをして2枚のマナ加速を引けたとしても、今度は相手に大きな呪文を捨てさせられて困ったことになるはずだ。この手札は完全に《コジレックの審問》が効かなくて(実はこの時の相手はそちらから唱えてきた)、疑似的に《思考囲い》も効果が無い。

時には対戦相手が何のデッキをプレイしているか分からなくて、一部のアーキタイプには強く他には酷い手札をキープするか選ばなければいけない場合もある。君がジェスカイをプレイしていて、こんな手札だったとしよう:

《稲妻のらせん》
《稲妻》
《至高の評決》
《天界の列柱》
《廃墟の地》
《沸騰する小湖》
《蒸気孔》

この手札はアグロには強くコントロールには弱いが、もし相手が分からないならキープするべきだろうか?

僕の考えではキープだ。もしアグロが相手ならゲームはずっと速く、君がゲーム中に見るカードの比率がずっと少ない中の手札になる。もしアグロデッキ相手にとても遅い手札をキープしてしまったら、ドローで補う時間は無い・・・ゲームは4ターンで終わる・・・しかし逆の場合は違う。もしコントロール相手にこの手札をキープしても、ゲームは何ターンも続く・・・君はデッキを全部引ききってしまうかもしれないんだ!相手が特定のカードを持っていて君の手札が弱いと知っていない限り、君は良いカードを引けるはずだ。

相手のデッキが不明の場合は、僕はアグロに弱い手札よりはコントロールに弱い手札をキープする、なぜならアグロデッキはすぐ君のミスに付け込んで倒しに来るからだ。

3.君のプランを知る

君が最初の手札を見るたびに、ゲームがどのように動くかを考えよう。序盤のターンに何をするのか?君はどうやってゲームに勝つか?何が必要か?

手札によってはそれ自体にプランがあったり、必要なものが少ない場合もある。例えば、君がバーンを使っていて、手札が2枚の《山》、1枚の《溶岩の撃ち込み》、4枚の《稲妻》だとすると、プランはハッキリしている、相手が死ぬまで焼き尽くそう。それが合理的なプランで、実現するのに必要なものは少ないから、喜んでこの手札をキープするだろう。

では、君が5枚の土地と、《溶岩の撃ち込み》、《ゴブリンの先達》を手にしたと想像しよう。この場合のプランはどうなるだろうか?君は《ゴブリンの先達》を唱えて、相手が回答しない事を祈り、毎ターン火力を引くことを祈る。可能ではあるが可能性は薄い、なので6枚のカードにマリガンする方が良いだろう。

もし君がバーン対ストームで、君の手札が《稲妻》、《大歓楽の幻霊》、そして5枚の土地だったらどうだろう?この手札のプランはどうなるか?プランは幻霊をプレイして相手が回答しないことを祈る、または相手がそうするために十分なダメージを受けて君が引いたカードで終わらせることだ。僕はこれは合理的なプランだと思うから、ストーム相手にはこの手札をキープする。

時には、引いた手札が強く動くには特定の何かが必要な場合もあり、君がやるべき事はそれがどれくらいの確率で起こり、その可能性に欠けるのは1枚減らした手札で戦うよりも良いのか判断することだ。多くの場合、手札は悪いがあと1つのピースがあれば強くなるものだ、そして君がその重要なピースを引く可能性は6枚(または5枚)の手札で必要なものすべてを引く可能性よりも高い

この手札を見てみよう、僕がだいぶ前に、プロツアーハワイの決勝でKiblerを相手に引いた手札だ。我々は赤緑ランプのミラーで僕が後手だった。僕は最初の手札をマリガンして、次の手札はこうなった:

《山》
《銅線の地溝》
《森》
《森》
《真面目な身代わり》
《原始のタイタン》

僕はこの手札をキープした。僕は、土地、土地、土地、土地、《真面目な身代わり》と動き、そして死んだ。多くの人が何もできない手札をキープした僕を責めたが、僕は正しいと確信していた、なぜならこの手札は強くなるまであと僅かだったのだ。

ランプのミラーでは、最も大事なのは4ターン目にタイタンをプレイする事だ。それを実現するためには2枚のマナ加速をプレイして、そのうち1枚は2マナでなければならなかった。この手札に足りないは2マナ域のマナ加速だけだった。もし2マナのマナ加速を引くことが出来れば、この手札は完璧だ。もし引かなければ、この手札は何もしない。

これはリスキーなキープで、マリガンも出来た。しかし手札5枚で4ターン目にタイタンを引くには何が必要だろうか?マナ加速を2枚(うち一つは2マナ)、土地を4枚、そしてタイタン自体。5枚の手札と数回のドローステップで全部引く可能性はどれほどか?正確には分からないが、低い・・・最初の手札で2マナのマナ加速だけを引くよりもずっと低いだろう。

さて、君はドレッジを相手に青白コントロールをプレイしているとする。君は後手で、サイドボード後で、デッキには3枚の《安らかなる眠り》が入っている。君は最初の手札をマリガンして、君の6枚の手札は:

《神聖なる泉》
《廃墟の地》
《平地》
《島》
《精神を刻むもの、ジェイス》
《謎めいた命令》

この手札から導き出されるプランはどうか?君は《安らかなる眠り》を引かなければ、それも早い段階で引かなければ、ゲームに勝つのは難しいだろう。君のプランが「《安らかなる眠り》を引く」になるなら、この手札はマリガンして、5枚の手札に《安らかなる眠り》とそれをプレイするためのマナが出る事を祈るほうが良いだろう(または、少なくとも《血清の幻視》のようなカードだ)。

最後に、手札をキープするのはリスクがつきものだ、そしてマリガンをすることも別のリスクがある・・・「安全」なプレイなんて無い。君はリスクとリターンのどちらが上かを判断しなければいけないんだ。一般的なルールとして、君の立ち位置が悪いならリスクを取らなければいけない。赤緑の時の手札では、キープするにはリスクがある、そして青白の手札はマリガンにリスクがあった。どちらのケースでも、僕はリターンに価値があると思う、なぜなら君はリスクを取らなければ危険な位置にいたからだ、そしてこれを見極める唯一の方法は、それぞれの手札をキープしてからのプランを理解する事だ。

(翻訳ここまで)

マリガンはゲーム全体の動きを決める場合もある難しい判断。プレイを繰り返して精進していきたいところですね。

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