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【翻訳】なぜスタンダードで禁止が出続けるのか!?(前編)

      2018/01/26

禁止が起こっては別のデッキが環境を支配してまた禁止を出す、そんな今まで多くなかった事態に突入したスタンダード。禁止はなぜ起こるのか?2016年度世界チャンピオンのBrian Braun-Duinが、ツイッターでつぶやいた内容をさらに深く解説した記事をアップしていたので、翻訳してみました。

(原文はこちら)

Five Reasons Why Standard Bans Keep Happening(TCGPLAYER)

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(翻訳)

ふーむ。1年間続いたスタンダードの禁止に、新たに4枚のカードが追加されてしまった。2011年の《精神を刻む者、ジェイス》と《石鍛冶の神秘家》以来、それより前では2005年の親和カード以降で禁止が無かったフォーマットだが、これでカラデシュ以降で9枚のカードが禁止されたことになる。

この禁止が正当なものかを考えるよりも、私はこの状況を別の視点からアプローチしてみようと思う。なぜ近年のスタンダードでこれだけ禁止を見るようになったのか、そして同様の事はこれからも起こるのか?

原因1:防衛手段が無い

ウィザーズはデザインした新しいカードをみんなに使ってほしい。もし彼らがアーティファクトを印刷するたびに《粉砕の嵐》も印刷していたら、みんな新しいアーティファクトを使おうとする気持ちを本当に無くしてしまうんだ、なぜならみんなが超強力な対策カードをサイドボードに使って叩き潰してしまうからね。

これは理論上は良いことのように見える、しかし実際はそう良くはなかった。新しいメカニズムや戦術に対する強力な対抗手段を印刷し損ねたことにより起こる問題は、もし何かが強くなり過ぎたら、それに対抗するために頼るものが無いという事だ。もし適切な墓地対策が存在したら、エムラクールは禁止されただろうか?おそらく無かっただろう。もし《真髄の針》が環境に存在したら、《密輸人の回転翼機》や《霊気池の脅威》はクビにされただろうか?可能性は少ない。《反射魔導士》はウィザーズがクリーチャーを印刷するのを完全に止めたら禁止されただろうか?もちろん無い。

『イニストラード』~『ラヴニカへの回帰』のスタンダードは歴代で最も素晴らしかったスタンダードとして大勢の意見が一致している。有効なデッキが大量にあり、しかもほとんど全てのアーキタイプに拡散していた。ランプデッキ、ミッドレンジデッキ、消耗戦型のエンジンデッキ、コントロールデッキ、アグロデッキ、もっと色々だ。この環境が素晴らしいのは、これらのデッキ全てに爆発力を与え楽しくする強力なカードがあり、しかし他のデッキにも反撃する手段があったからだ。

アグレッシブなデッキは《スラーグ牙》と戦わなければいけなかった。コントロールデッキは《魂の洞窟》を戦い抜く必要があった。呪禁デッキは多くの戦術を打ち破るが《至高の評決》と/または《終末》で瓦解した。リアニメイトデッキは《安らかなる眠り》、《漁る軟泥》、《地の封印》を対処しなければいけなかった。「クリーチャーが死亡した時」の誘発型能力を利用するアリストクラッツはリアニメイト以上に《安らかなる眠り》の影響を受けていた。これが私にとって健全なスタンダード環境のモデルだ。多くの機能するデッキ、その全てが強力な選択肢を持ち、環境内で対抗手段となる弱点を持っていた。

対抗手段は明確な対策カードである必要はない。最近はあまり見かけなくなったが、時には対抗手段というのは単純にクリーチャーと立ち向かうための強い呪文や、緑のクリーチャーと競争できる他の色の強いクリーチャーでも良いのだ。例えば、効果的な追放除去は、《スカラベの神》のようなしばしば勝つのが不可能に感じられるほど強力なフィニッシャーに対する良い対抗手段だ。

将来的に、私はウィザーズがこの点でもっと上手く動いてくれると思っている。Sam Stoddardは記事の一つでメカニズムを監視するための道具を間違いなく用意すると指摘している。ウィザーズはさらに基本セットを1年ごとに出す方針に戻した。《漁る軟泥》をイクサランに収録するのはおかしいが、間違いなく基本セットならぴったりだろう。基本セットは、特定の次元のフレーバーを壊す心配をせずスタンダードに必要な応急処置を施すことを可能にするんだ。

原因2:デザインミス

私がデザインのミスという時、エネルギーの事を言ってるのは驚きに値しないだろう。エネルギーに対して対抗手段は実は存在していた。例えば、《厳粛》は明確にエネルギーや黒緑《巻き付き蛇》のようなデッキを対策するために『破滅の時』に収録された。残念ながら、《厳粛》は求められていたほどには、単純に強くなかった。3ターン目には、特に後手の場合には、ダメージは受けていたのだ。《導路の召使い》から《逆毛ハイドラ》がもう出ていて、君が3ターン目に戦場に干渉しないエンチャントをプレイしてたら、まあ、君は死んでいるだろうな。《厳粛》はコストが「1白」でなければならなかった、またはそれ以上、そうしたらエネルギーはずっとまともなメカニズムになっただろう。

たとえ《厳粛》がコスト「白」だけで既存のエネルギーカウンターを吸い取るテキストがあったとしても、十分でなかったかもしれない。一つは、デッキはエネルギーを対策するために白をタッチしなければならず環境が歪んでいた、そしてエネルギーはそれでも《栄光をもたらすもの》や《スカラベの神》、チャンドラで《厳粛》を乗り越えて買ったり、単に《真っ二つ》や《人工物への興味》で吹っ飛ばしていただろう。

メカニズムが強力過ぎて対策がどれだけあっても関係ないこともある。対策が充分に強くないか、環境が対策のために歪み切ってプレイできるフォーマットで無くなってしまうかだ。スタンダードの親和がこの良い例だ。環境は豊富にあった対策のために歪んでいたが、それでも足りなかった。

率直に言って、ウィザーズはエネルギーで失敗した。たとえ効果的なエネルギー対策で監視出来たとしても、何かを禁止する必要が出ていただろう、なぜならカードがそれだけ強かったからだ。程度は小さいが機体でもやらかしていた。《密輸人の回転翼機》は致命的にひと推しされ過ぎた。

こんなひどいデザインが将来も繰り返されるのだろうか?

私はイエスだと願いたい。ウィザーズは境界線を試し続けてリスクを取りに行くべきだ。時にはミスが起こるかもしれないが、良いセットや環境は実験をする意思を込めた時にこそ結果として起こるものだ。『タルキール覇王譚』はスタンダードに何年もの間楽しいインパクトを与え続けた素晴らしいセットの一例で、多くの強力なカードが積極的に推されていた。

『イクサラン』、『神々の軍勢』、『ニクスへの旅』のようなセットはカードやメカニズムが弱いセットの例で、これらはスタンダードに無視できる程度の影響しか与えず、スタンダードは同じ支配的なデッキがそのまま支配的になって停滞した環境を生み出した。メカニズムを奨め過ぎる危険性はあるが、十分に推さない場合にも同じくらいの危険があるんだ。

ウィザーズが将来のスタンダード環境をテストするために集めた新しいプレイ・デザイン・チームはこの部分を大いに助けてくれるだろう。きっと、あのチームはエネルギーのような強すぎるメカニズムを判別し、また『イクサラン』のような弱いセットも見つけ出して必要な修正をしてくれるだろう。

後編へ続く)

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