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無名の黒好きプレイヤーによるMTG記事の翻訳中心ブログです。ほとんどモダン。

罠の橋入り8-Rackのポイントとサイドボーディングまとめ

   

管理人のマジックは今のところモダンを主戦場としていますが、現在はいろいろなデッキを試しつつ8-Rack、またの名をメガハンデスを使っていました。そして、先日脳内で自分に課していた目標を達成しました。

・・・もう少し具体的に言うと、「某大手サイトのデッキ検索に自分のデッキを載せる」という、グランプリとかと比べれば小さな大会で上位になったレベルの話です。ですが、素人に毛が生えたレベルから伸びない自分にはそれなりの節目に届いた今、もう1度情報整理をしようと思いました。

今回は自分のための備忘録のようなところが大きいです。プロプレイヤーでも大きな大会でトップ8を決めたというわけでもないので、書いてあることを当てにし過ぎないようにしましょう!(毎回自分で記事を書くときはしつこく言ってることですが)

サンプルレシピ

黒タッチ白8-Rack

クリーチャー0
呪文37

4拷問台
4金切り声の苦悶
4コジレックの審問
3思考囲い
1葬送の魔除け
4カラスの罪
4小悪疫
4精神ねじ切り
4ヴェールのリリアナ
3致命的なひと押し
2夜の犠牲
土地23
4変わり谷
4秘密の中庭
4湿地の干潟
1神なき祭殿
3ヨーグモスの墳墓、アーボーグ
7沼
サイドボード15
4罠の橋
3大爆発の魔道士
1無駄省き
2解呪
1集団的蛮行
2外科的摘出
2未練ある魂

サイドボードは未だ不安定で、特に《無駄省き》と《外科的摘出》の枠は調整用です。《集団的蛮行》を増やしたい。

まず8-Rackってどういうデッキなの?

このブログでも他にいくつか記事があるので詳細はそちらに任せますが、全力で相手の手札をゼロにした後《拷問台》と《金切り声の苦悶》でダメージを稼いでいくデッキです。

最初は《コジレックの審問》や《思考囲い》で相手のプランを崩し、《精神ねじ切り》や《小悪疫》で相手の動きを完全に止めてしまいます。相手の手札が無くなったら「手札が少ない時にダメージを与える置物」、《拷問台》と《金切り声の苦悶》の計8枚で相手のライフを削る。相手がダメージを嫌がって手札を貯め込もうとしても、《ヴェールのリリアナ》と《カラスの罪》がそれを許しません。

(参考)
【翻訳】8-Rack(メガハンデス)でGP11位!本人の解説とサイドボード
8-Rack(メガハンデス)プレイング・サイドまとめ

カード選択、プレイング雑感など

サイドボーディングの前に、こまごまとしたプレイング基準のメモや感想戦でよく聞かれること、他の8-Rackユーザーから聞いたことなどのまとめです。

《夜の犠牲》?何それ!?

管理人のレシピでは《拷問台》、《金切り声の苦悶》の次によくカード内容を聞かれるカード。シンプルな2マナ除去で、ゾンビ、狼男、吸血鬼でなければ除去できる地味に丸いカードです。

一般的レシピでは《四肢切断》が採用される枠ですが、ダメージレース展開にもなりやすいこのデッキではライフロスが痛く、ヴァラクート系デッキが使う《原始のタイタン》や膨れ上がった《死の影》を処理できないという所が気になりました。

先手を取る

基本的に1対1交換を繰り返し、僅かな手札の枚数差が勝敗を分けるので後手を取るというのが主流のデッキですが、現実は1ターン目に《探検の地図》から最速トロン達成、いきなり《虚空の杯》X=1でデッキのほとんどが打ち消される、ブン回りを支える《精神ねじ切り》や《小悪疫》《ヴェールのリリアナ》を打ち消されて押し切れない・・・という展開が多いです。

相手が先手を選んで最速展開するリスクの方が、後手を取るカード1枚のメリットよりも現状では大きいと考えています。また《罠の橋》に頼る場合はこちらの手札がありすぎて、《罠の橋》が機能するラインまで手札を消化しきれず間に合わないことも・・・特にトークンや高速アグロを相手にするときは注意。

《小悪疫》を過信しない

綺麗に相手のクリーチャー・土地・手札を同時に処理出来たら気持ち良いしかなり勝ちに近づきますが、重ね引きすると逆にこちらの土地が詰まってしまいますし、ロングゲームになってお互い土地が溜まっていると土地を生贄に捧げる効果も薄くなっています。仮に土地を詰まらせても、相手はすぐに引いてくるものと思っておきましょう。

相手に《未練ある魂》があるかドレッジ系・《死せる生》などのデッキだと、絶対に引きたくないカードに早変わりしてしまいます。あと、もしマッチアップ的に引いたら勝てるカードがサイドボードにある場合、最優先でサイドアウトします。このデッキで一番不安定なカードだからです。

刺さる相手にはとことん刺さりますが、見た目以上に強い時と弱い時の差が激しくて不安定なカードだという事は頭に入れて置きましょう。

サイドボーディングを動かし過ぎない

この後のコーナーで思いっきり《罠の橋》4枚+αとかやってるので若干矛盾していますが、このデッキはコンボデッキほどじゃないにしても自己完結しない、単体で弱いカードが多いシナジーデッキです。

サイドボーディングでカードを入れ替えすぎてデッキのプランに関係するパーツを削ってしまうと、デッキ本来の速度や爆発力が無くなります。海外のプロ記事だとよくdilute(動詞。液体を水などで薄めること)という表現で書かれることで、特にコンボデッキでは避けるべきと言われますね。

サイドボードは出来れば一撃必殺に近いカードかこちらが即死するカードへの対策を少数入れるのが理想です。そのためのタッチ白でもあります。

マッチアップとサイドボーディング

一度似た様な記事も書いていますが、メタゲームも変わっているので出来る限りサイドボードのプランを残していきます。

グリクシスシャドウ・エスパーシャドウ

IN
4 罠の橋
2 未練ある魂

OUT
4 小悪疫
1 葬送の魔除け
1 カラスの罪

相性はすごく良いですが、白をタッチしている場合は《未練ある魂》に殺されないよう全力を尽くしましょう。普通にデッキを動かしていても勝てますが、《罠の橋》が通れば相手は《コラガンの命令》をトップデッキする以外に打つ手が無くなります。それでも《拷問台》と合わせてこちらのアーティファクトを全部処理することは出来ません。

エルドラージトロン

IN
4 罠の橋
3 大爆発の魔道士
2 解呪

OUT
4 精神ねじ切り
1 葬送の魔除け
3 致命的なひと押し
1 カラスの罪

現状まだ自信のあるプランではないので注意。

大型エルドラージをシャットアウトする《罠の橋》を通す、土地破壊でカーンを阻止する、そして《虚空の杯》をケアする、という3つの方針。少々盛沢山すぎますが、メインには抜きたくなる弱いカードも地味に多いので案外入ってしまう。

アブザンミッドレンジ

IN
4 罠の橋
2 未練ある魂

OUT
4 小悪疫
1 カラスの罪
1 葬送の魔除け

《死の影》系と同じですがやり方はそう変わらずアドバンテージとトップデッキの勝負になるマッチアップ。効果が不安定な《小悪疫》を減らして代わりに《罠の橋》ロックを狙っていきます。相手が《未練ある魂》を引かないかこちらの《罠の橋》が間に合えば、極めて有利な展開になるはずです。

あと《タルモゴイフ》だけは絶対にに許すな。他はともかくあれが回答できなかったら死にます。

ジャンド

IN
4 罠の橋
2 未練ある魂

OUT
4 小悪疫
1 カラスの罪
1 拷問台

《闇の腹心》を倒す可能性がある《葬送の魔除け》を残しています。ただし「ボブ死」の可能性も十分あることだけは頭の片隅に入れて置こう。基本的には有利なマッチアップです。自信があるなら《未練ある魂》を加えるだけでも良いです。

ストーム

IN
2 外科的摘出
1 集団的蛮行
2 大爆発の魔道士

OUT
2 夜の犠牲
1 カラスの罪
1 拷問台
1 葬送の魔除け

単純に手札の枚数を減らすこと自体がコンボの妨害になり、クリーチャー除去、ハンデス、オマケ程度の土地破壊、そして墓地対策とやれる事が多い有利なマッチアップです。当時は1枚しか入れていませんでしたが、入れられるなら《集団的蛮行》を増やしましょう。相手が《遵法長、バラル》か《ゴブリンの静電術士》を出した返しに《小悪疫》か《集団的蛮行》を撃ち込むことが出来たら最高の展開。

バーン

IN
1 集団的蛮行
2 未練ある魂

OUT
3 思考囲い

ストームと並んで《集団的蛮行》が超輝くマッチアップ。相手の初手をとにかく処理してからギリギリのダメージレースを挑むことになるので、《思考囲い》は切ります。どうしても割られる可能性があるので、出来るだけ相手の手札を空にしてから《拷問台》《金切り声の苦悶》を置きたい。

黒緑・緑白トロン

OUT
4 精神ねじ切り
3 致命的なひと押し
IN
3 大爆発の魔道士
2 未練ある魂
2 外科的摘出

ランデスをどこまで引けるかにかかっているマッチアップ。メタに多いようなら増やしても良いかも。《ワームとぐろエンジン》や《解放された者、カーン》《精霊龍、ウギン》を唱えられたら実質負け確定なので、除去は削ってしまっても構いません。

親和

IN
4 罠の橋
1 集団的蛮行
2 解呪

OUT
4 精神ねじ切り
3 思考囲い

運ゲーです。完全に不利ではありませんが、「回った方が勝つ」という展開になるでしょう。基本的にはサイドボードにある除去を全力で投入して、効果の薄い《精神ねじ切り》とライフロスが痛い《思考囲い》を抜く。《罠の橋》まで耐えますが、ダメージレースになることもあります。

《血染めの月》や《ギラプールの霊気格子》が来る可能性もあるので、ギリギリまで《解呪》は温存しておきたいところ。

青白コントロール

IN
3 大爆発の魔道士
1 集団的蛮行
2 解呪

OUT
2 夜の犠牲
1 致命的なひと押し
1 葬送の魔除け
1 カラスの罪
1 拷問台

実は超が付くほど不利なマッチアップ。再序盤に使う《精神ねじ切り》や《ヴェールのリリアナ》を打ち消されたり《拘留の宝球》で処理される可能性があり、《思考を築く者、ジェイス》や《スフィンクスの啓示》でカードを引かれ始めたら勝てなくなります。

現状これが回答だというプランを発見できていませんが、ランデスで終盤戦に近づかないようにするのが対策になるかなと思っています。

マーフォーク

IN
4 罠の橋
1 集団的蛮行

OUT
2 精神ねじ切り
1 カラスの罪
1 葬送の魔除け
1 拷問台

メインの1ターン目に《思考囲い》か《コジレックの審問》を唱えられたら、《銀エラの達人》をつぶす。それ以外は基本全力で除去モード。サイド後は、先にカウンターや《ハーキルの召還術》を落としたうえで《罠の橋》を着地させるのが理想。アグロ相手にライフロスは痛いですが、カウンターケアと《波使い》対策を兼ねて《思考囲い》は残します。

たまにメインから《大祖始の遺産》や《密輸人の回転翼機》まで入っている場合もあるので、その時は《精神ねじ切り》は全力で抜きます。

青黒フェアリー

IN
4 罠の橋
2 解呪

OUT
4 小悪疫
1 葬送の魔除け
1 拷問台

これまた《小悪疫》が弱くなるマッチアップ。相手の《苦花》で自滅する展開もありうるので枠が無ければ無理に《解呪》を入れる必要はないかも。

ドレッジ

IN
1 虚無の呪文爆弾
4 罠の橋

OUT
2 致命的なひと押し
3 夜の犠牲

勝つのが限りなく不可能に近いマッチアップ。墓地対策を序盤で通さないとこちらのカードのほとんどが機能しなくなります。特に毎ターン手札を補充し続ける《壌土からの生命》、墓地に落としてからサイド後の《罠の橋》を破壊する《古えの遺恨》がデッキを否定するレベルで刺さってしまいます。割り切って完全に諦めてしまうのも無いとは言い切れません(自分は最近そうしてからPPTQで2連続で当たりましたが)。

最後に

このデッキ、それなりにパワーはあると思うのですが、情報が少なくまだまだ研究の余地があります。自分はこうしてるという意見を書き込んでくれたら助かります!

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