【翻訳】モダンで強くなるための4つのアドバイス
2018/03/31
モダンマスターズ2017発売と同時に開催されたスタンダードのグランプリ静岡が終了し、5月末のグランプリ神戸までは本格的にモダンが盛り上がる季節になりました!まずはモダンの心構えから。これからどうするか迷った時にはこの記事を振り返ろうと思います。
(翻訳は意訳や、主に他の記事に参照する部分等の省略も含みます。原文はこちら)
Four Tips to improve in Modern by Magnus Lantto (MTG Ming Card)
(翻訳)
モダンは私が愛するお気に入りのフォーマットだが、モダンの文句をよく目にする。熟達したプレイヤーからも言われるけれど、誤解があると考えている。
モダンはスタンダードからもレガシーからも異なるフォーマットで、マスターするのは難しいが、それがマジック・ザ・ギャザリングの強みだと思う。強いプレイヤーはどのフォーマットでも強いが、君が選んだフォーマットを深く極めないとたどり着けない先のレベルがある。
アドバイス1:たくさんプレイし、オンラインをプレイしよう!
モダンの場合、カギは単純にたくさんプレイする事だ。なぜモダンでは特別にそうなるのか?どの環境でも練習するじゃないか?
モダンは今のところ一番多様なフォーマットだ。スタンダードでは大抵3つくらいのTier1デッキがあり、Tier2におそらく5つぐらい増える。レガシーではおよそ15-20の戦えるデッキがある。モダンでは、大会に勝てるデッキが30以上もあるんだ!
もちろん、5-10くらいは他より強いデッキがあるけれどモダンでの違いはそこまで大きくない。マッチアップが良くて引きがいくらか強ければ、ローグデッキでも簡単に良い結果を残すことが出来る。
私はオンラインでプレイする時に統計を取っているが、2週間《死の影》デッキで200マッチをプレイした時は、驚くことに50のアーキタイプと戦ったんだ。もちろん、明らかに悪いデッキもあったし、幾つかのTier1でもTier2でもないデッキもあったが、大半のデッキは勝負らしい勝負が出来た。
さらに、スタンダードでは最も技術に優れたプレイヤー、メタゲームの読みが上手いプレイヤー、またはデッキビルダーが良い結果を残すが、モダンで結果を残し続けるのは真のモダンのスペシャリストだ。たとえばLee Shi TianとPatrick Dickmanを見よう。どちらもグランプリやプロツアーで何度も結果を残しているが、同じデッキを使い続けて他の環境よりもずっと良い結果を残し続けている。
私自身も、他のフォーマットよりもモダンでずっと良くプレイできている。グランプリ優勝を含む素晴らしいフィニッシュを経験しているが、オンラインだとさらに勝率は上がる。モダンでは65-70%だが、スタンダードだと55-60%を超える事は無い。他のフォーマットと比べても、デッキを練習するにつれてこの数字が着実に上がっているのが見える。
モダンで強くなるためになぜ他よりも練習が必要なのか、そのカギは大会で当たるデッキの数だ。1ターン目から後に相手が何をプレイしているかを知り、どちらがビートダウンで、3ターン目にタップアウトしたら起こる最悪の事は何かを把握することで、大きな優位を得られる。ミスをせずに素早く力強いプレイをすることが重要なのだ。
また、紙でプレイするよりもオンラインで練習する方が重要だと考えている。小さなグループでモダンを練習していると、君が立ち向かうべき状況を小さく見積もり、Tier1だけに集中してしまい、そのせいで間違った結論とメタゲームに引き込まれてしまう。モダンの練習で重要な事は君のデッキを学び、他の全てのデッキを理解する事であり、その一番の方法はただリーグに挑むことだ。
アドバイス2:メタゲームを考えすぎるな!
私はこれが最高のプレイヤー達の多くがモダンに対して間違ってアプローチする事だと思う。私たちプロはトーナメント前の1週間を使って直前の数週間のメタゲームに対する最適解を見つけようとするが、モダンはそういうものじゃない。
エルドラージの冬みたいな例外はあるが、大半の間はどんなトーナメントでも1つのデッキが環境の10%を独占することは無いし、多くは5%未満にもならない。つまりメタの上位3つのデッキに有利なデッキを作っても、環境で不利になるかもしれないのだ。
モダンに対するアプローチは、他の人のことを考えすぎるよりも君自身のデッキに集中することだ。メタゲームを知ることに力を注ぎ過ぎると裏目に出る可能性が高く、君が良く知っていて強いと分かっているデッキをプレイすることは、たとえ狙われているとしても悪くない選択肢だ。
例えば、たとえ先週に大注目を浴びたとしても、私はもちろん今週末にモダンの大会に出るなら《死の影》を使う。ただしミラーマッチや《未練ある魂》《安らかなる眠り》を予測してデッキとサイドボードを少し変更するだろう。
アドバイス3:迷ったら積極的に、攻撃的になれ!
多くのプレイヤーが、モダンは一直線のデッキばかりでコントロールは弱いと言う。私はそうではないと思うが、モダンは積極的になることで見返りがあるフォーマットだと思う。
モダンのコントロールではプレイヤーの努力が高く要求される。
君の役割、それぞれのマッチアップでどのようにアプローチするか理解することが本当に必要だ、だからCorey Burkheartのような永遠と思える時間を同じやり方で続けてきたプレイヤーがグリクシスコントロールで結果を残し続けて、他の人はコントロールが弱いと主張する。もしモダンでコントロールを使いたいなら、深く自分を捧げていく準備が要る。
一方、何か一直線のデッキを使うのは相手よりも自分のデッキに集中することだから、スタート地点として素晴らしい。
また、マナカーブが低く優秀なフリーのカウンターが無いと言う事も関わる。モダンの軽い脅威に対してはたとえカードアドバンテージがあったとしても重い回答に頼るのは極めて難しく、コンボに対してコストが5マナ以上の脅威を出すのは良い考えとは言えない。それでもミッドレンジがモダンのコントロール寄りの分布で支配的なのは、1-2コストの脅威と回答を両方プレイ出来て、コントロールしながら同時に攻め手を作れるからだ。
また手札破壊はカウンターよりもずっとコンボを崩しやすい。
君がコントロールしかプレイしたくなくて、コントロールは常に受け身にならなければいけないと考えているなら、モダンは単純に君に合ったフォーマットではないかもしれない。コントロールを助けるためにカードを解禁しろという議論が見られるけど、しっぺ返しを食らう恐れがある。たとえば《精神を刻むもの、ジェイス》はコントロールを助けるかもしれないけど、モダンの性質上ミッドレンジやコンボコントロールデッキで使う方がさらに強くなって、結局コントロールは息を吹き返さない。
アドバイス4:モダンのためのサイドボードを組みあげろ!
モダンでよく見る文句の一つが、対策カードを入れてもペアリングによって使わない事もあってサイドボードを組み辛いというものだ。モダンではサイドボードを20か25枚に増やせという意見すら聞く。
君たちのために解決策がある。範囲の狭い対策カードでサイドボードを組むな!
《石のような静寂》《戦争の報い、禍汰奇》を4枚使うのは親和だらけなら素晴らしいが、一番プレイされているデッキであっても15ラウンドの大会で1回より多く当たらない可能性すらある。
私が代わりにやる事は、多くのマッチアップで使えるカードを見つけて、デッキをいつでも良い方向に調整できるようにする事だ。トロンや《むかつき》に入れられるから《石のような静寂》を1、2枚は入れるが、それ以上の時は《死の影》やジャンドにも使える1マナ除去をサイドボードに入れる方がずっと良い。
・または消耗戦向きのカードの代わりにコントロールと親和の両方に使える《未練ある魂》のようなカードを入れる。
・《部族養い》よりも手札破壊として使える《集団的蛮行》を入れる。
・ドレッジだけをメタるならより優秀な《虚空の力戦》《貪欲な罠》よりも《タルモゴイフ》や《瞬唱の魔道士》に強い《虚無の呪文爆弾》を入れる。
こういう例はいくらでも出せるけど、モダンにおいて優れたサイドボードは柔軟性であり本当の意味での対策カードではない、そしてそれを神に感謝している。
例えばスタンダードで、親和に対する《石のような静寂》並みにマルドゥ機体に対して強いカードがあったとしよう。サイドボードにはあらゆるデッキが何も考えずにそれを入れて、サイド後のゲームはそのカードを引くかどうかになってしまう。そのようなカードをプレイする選択肢もあるけれど、他のマッチアップのためにやり過ぎが出来ないモダンのやり方が私は好みだ。
(翻訳ここまで)
補足ですが、「一直線のデッキ」というのは原文では"linear deck"。いわゆるイージーウィンや瞬殺が出来るコンボデッキ、高速アグロの事。未だに日本語で適切な言葉に脳内で落とし込めていない。アンフェアデッキ、ソリティアデッキと置き換えると親和やZooのようなアグロが抜けてずれる時があります。
ともかく、モダンマスターズ発売、グランプリ開催と今一番熱い時期です。