【翻訳】《産業の塔》と《空僻地》はどっちが良い?入るデッキは?
管理人は最近「高い《空僻地》の代わりに《産業の塔》を入れて親和を組む」という構想を持っていますが、プロの立場から2つの土地を比較する記事が出ていました。さらに、ランタンコントロールのアップデート、そして一度は禁止で失われたあるデッキを再構築。
そんなに長くはないですがタイトル1行で収まらないくらい色々なネタが詰まった記事ですので翻訳してみました。
(意訳や省略も含みます。原文はこちら)
Modern Brews with Aether Revolt: Lantern with Spire, Eggs with Whir By Paulo Vitor Damo da Rosa
(翻訳)
《産業の塔》もモダンで使われる可能性があるカードだ。今のところ入れる候補になるデッキが2つある。親和とランタンコントロールだ。どちらのデッキも充分な軽いアーティファクトがあり、どちらも無色マナを使うことが出来、どちらも2色より多いから、産業の塔をペインランドより優先して入れる理由になる。《産業の塔》はこの2つのデッキにとっては完璧なカードになるだろう・・・枠があれば。
親和が土地21枚のデッキであれば、入れる枠があるのは明確だ、おそらく4枚入るだろう。しかし今は《空僻地》、8枚のミシュラン、4枚のアーティファクト・土地、《流刑への道》対策に1枚の基本土地がある。いくら強くても、それ以上土地を入れる枠は無い。もし《産業の塔》を入れるなら、《空僻地》か基本地形を抜くしかない。《流刑への道》が少ない環境なら(《致命的な一押し》効果でそうなるかもしれない)、《産業の塔》は基本地形より良いだろうが、いずれにしろ1枚分しか枠は無い。そこで、質問はこうなる:
《産業の塔》は《空僻地》より強いか?
いくつかの点でそうかもしれない。大抵の親和はメインデッキでは色のついたカードはわずかしかプレイしない(《感電破》と《エーテリウムの達人》が基本的な構成で、だいたい6枚だ)、なので受けるダメージはわずかだ。太鼓やモックスもあるから確実に1ゲームに1点未満だ。サイドボードには色のついたカードがあるが、一部(《思考囲い》、《呪文貫き》)はコントロールやコンボデッキにしか入れないからあまり関係ない(《ギラプールの霊気格子》や《古の遺恨》は影響がある)。もしサイドボード後でなければ、《産業の塔》のほうが《空僻地》より優れているだろう。
デメリットは軽微だが存在する。では《空僻地》より大きいか?性質が違い過ぎて判断し辛い。《産業の塔》は頻繁に発生する軽微なデメリットがあり、《空僻地》は滅多に起こらないがゲームを落とすほどのデメリットがある。《空僻地》の一番のデメリットは君を殺す時ではなく、君がクリーチャーを焼かれたら死ぬから手札をキープできない時だ。これは君の手札に土地が《空僻地》しかないか、《空僻地》2枚しかない時に起こる。
なので、《空僻地》がダブらないように組もう。2-2か2-1から始めて調整するつもりだ。
ランタンコントロールだと話が変わって来る。2つの理由から、《空僻地》のほうが良いと考えている。第1に、色を含む呪文がもっと多く、これらは(《罠の橋》のために)唱えなければいけない。第2に、君の軽いアーティファクトはクリーチャーではないから、《空僻地》を罰するのは難しい。1ターン目の《信号の邪魔者》や《大霊堂のスカージ》は除去される可能性があるが、1ターン目のランタンは相手が《突然の衰微》でも持ってない限りメインゲームでは生き残る。
それでも《ラノワールの荒原》の代わりに《産業の塔》を入れても良いかもしれない。この主なデメリットは《オパールのモックス》か《ミシュラのガラクタ》が無ければ1ターン目に手札破壊や《古きものの活性》を唱えられない事で、メリットは《アカデミーの廃墟》のための青マナとサイドボードのための赤マナだ。1ターン目に妨害することが重要なときもあるから《産業の塔》を4枚入れるべきだとは思わない。しかし《アカデミーの廃墟》《紅蓮地獄》《古えの遺恨》のためにもっと色マナ源があればと思っていたから、何枚かは絶対試してみるよ。
《橋上の戦い》
こんな名前のカードなら、ランタンで誰も使わないのは無責任だろう。ランタンは基本的に単体除去には興味無いが、これは機能したら強いだから《突然の衰微》や《集団的蛮行》のような例外になる可能性があると思う。ランタンは非常に軽いアーティファクトが多く入っていて、《信号の邪魔者》や《貴族の教主》のように《罠の橋》をすりぬけて殴って来る相手を殺し、コンボパーツを集める時間を稼ぎ、バーンの射程から逃れるという3つの役割を果たす。バーンを相手にして、盤面を安定させたけど大量に入った火力呪文で負けることはよくある。《橋上の戦い》があれば、いきなり6点以上のライフを得て、負けることは無くなる。
《集団的蛮行》も似たことを小さなスケールで出来るが、このデッキではカードを捨てるのは得意ではない。パーツが何枚も必要だから、1枚で追加コストがかからないカードは素晴らしい。(モックスやガラクタがあるから)多くの場合は《集団的蛮行》より軽く、タフネス2を殺しつつ自分の戦場を組み立てることが出来る。
メインデッキには1枚入れる所から始めてみるが、バーンが相手のサイドボード後にもう1枚入れる可能性もある。1枚は多くは無いが、ランタンはカードを何枚も掘るから、他のデッキと比べて必要な時にトップデッキする可能性は高い。さらにサイドボードに赤いカード、または《光り物集めの鶴》を入れているなら《産業の塔》をプレイしても良いが、それらのカードは好みじゃないから、僕は《産業の塔》は入れない。
ランタンコントロール
クリーチャー2
2:《呪文滑り/Spellskite》
呪文40
4:《古きものの活性/Ancient Stirrings》
4:《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》
2:《思考囲い/Thoughtseize》
1:《集団的蛮行/Collective Brutality》
1:《橋上の戦い/Battle at the Bridge》
1:《突然の衰微/Abrupt Decay》
2:《真髄の針/Pithing Needle》
4:《罠の橋/Ensnaring Bridge》
4:《洞察のランタン/Lantern of Insight》
4:《写本裁断機/Codex Shredder》
4:《グール呼びの鈴/Ghoulcaller's Bell》
1:《伏魔殿のピュクシス/Pyxis of Pandemonium》
4:《オパールのモックス/Mox Opal》
2:《ミシュラのガラクタ/Mishra's Bauble》
2:《外科的摘出/Surgical Extraction》
土地18
2:《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》
2:《幽霊街/Ghost Quarter》
4:《空僻地/Glimmervoid》
4:《花盛りの湿地/Blooming Marsh》
1:《闇滑りの岸/Darkslick Shores》
2:《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
2:《発明博覧会/Inventors' Fair》
1:《森/Forest》
《発明品の唸り》
《発明品の唸り》はよく「アーティファクト版《召喚の調べ》」と言われるけど、少なくともコスト3はかかるという点で根本的に違う。《召喚の調べ》は理論上はコスト0にまでなる。しかし、《発明品の唸り》が優れている違いもある。それは強力な能力を秘めた軽いアーティファクトの存在だ。《発明品の唸り》を0で唱えたら《睡蓮の花》が出るが、《召喚の調べ》を0で唱えたら手に入るのは、あー、《メムナイト》?
明らかな《睡蓮の花》デッキはEggs、《睡蓮の花》を何としても戦場に出したいデッキだ。このデッキは《戦争門》をプレイする事も出来たが、使われていなかった。しかし《発明品の唸り》はインスタントで、唱えるのも簡単で、他の多くのアーティファクトで「召集」して《クラーク族の鉄工所》などを《戦争門》よりもずっと軽いコストで探せるから、十分な改善になってると思う。
僕ならこんな感じで試す。
Eggs(サニーサイドアップ)
呪文42
4:《彩色の星/Chromatic Star》
4:《彩色の宝球/Chromatic Sphere》
2:《テラリオン/Terrarion》
2:《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》
3:《胆液の水源/Ichor Wellspring》
4:《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》
3:《睡蓮の花/Lotus Bloom》
2:《オパールのモックス/Mox Opal》
2:《妖術師のガラクタ/Conjurer's Bauble》
4:《血清の幻視/Serum Visions》
4:《作り直し/Reshape》
2:《蔵の開放/Open the Vaults》
4:《信仰の見返り/Faith's Reward》
2:《発明品の唸り/Whir of Invention》
土地18
4:《幽霊街/Ghost Quarter》
3:《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》
4:《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
1:《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
1:《平地/Plains》
5:《島/Island》
このデッキの動きを知らない人向けに解説しよう。このデッキは生け贄に捧げてカードを引けるアーティファクトを大量にプレイし、全部生け贄に捧げたら《信仰の見返り》で全部戻す。もし《クラーク族の鉄工所》が場にあるならコンボのマナを補充できるが、無ければ《睡蓮の花》が必要になり、そのために《作り直し》と《発明品の唸り》が入っている。もっとマナが欲しければ、《幽霊街》を自分の土地に使ったり、コンボを始めるターンにフェッチランドを使う事も出来る。最終的に君は大量のマナとカードを手に入れて、《信仰の見返り》を《妖術師のガラクタ》でリサイクルできるようになり、この時点で《黄鉄の呪文爆弾》を手にしてループのたびに生け贄に捧げられるようになる。代わりに好きなX呪文を1枚挿しにしたらもっと早く相手を殺せるが、《妖術師のガラクタ》がデッキに入っていた方が良い。このデッキは4ターンデッキだが、手札が良ければ(《作り直し》が絡んで)3ターンで相手を殺すこともある。
《発明品の唸り》のために青青青を確保するのは難しく見えるが、無色マナを青マナに帰るアーティファクトは多雨量にあり、《テラリオン》なら2倍やってくれる。《テラリオン》は普通は《信仰の見返り》で戻すにはタップインだから良くないが、《クラーク族の鉄工所》《作り直し》とよく噛み合っている。
《発明品の唸り》はサイドボード後にシルバーバレットを見つけることもできる、例えばインスタントスピードの《トーモッドの墓所》か《真髄の針》、それかターン終了時の《防御の光網》だ。
(翻訳ここまで)
環境直後のSCGのサイドイベントでも、《産業の塔》が入った親和がトップ16入りしていましたね。
マジック:ザ・ギャザリング(MTG) 産業の塔(レア) / 霊気紛争(日本語版)シングルカード AER-184-R