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CFBより、ドラフトで重要な3つの教えを翻訳してみた

   

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「攻略記事」のカテゴリーでは、フォーマットの時期に関係なく読み返してほしい記事をまとめています。今回の場合はリミテッドですが、ドラフト中心の解説になっています。カード自体は「イニストラードを覆う影」ものを使っていますが、今後のプレイングの参考として役に立つと思います。

原文はこちら。
3 Critical Lessons for Limited by Neal Oliver

(翻訳開始)

これまで何年も記事を書き続けて来て、記事のアイデアをいろいろと考えてきたが、自分はそのテーマごとに200~300単語しか書くことがないと気づいた。なのでとりあえず書き留めておいたわけだが、そのアイデアのリストはどんどん膨れ上がっていった。
今日はこれらのアイデアの中からいくつかを取り出して一つの記事にまとめた。この記事にはすべての事が書かれているわけではない。なので、この記事が魅力的であれば(あるいは良くなければ)、将来のためにコメントを残してほしい。

★最初にピックしたカードをいつ諦めるべきか?

一見分かりやすい質問のようだが、いざ実践しようとなると複雑な問題だ。最初のステップは、君がドラフトで最初にピックしたカードを諦める選択が出来るという事だ。君は強力なボムを手に入れたが、そのボムの色が君に届く前に明らかにカットされているなら、その色を諦めても良いんだ。もちろん、例外もある。もしフォーマット内の他のカードとの関連性も高い極端に強いボムが出たとしたら、その色を強く狙っていく選択もある。「運命再編」がそうだ。

同様に、もしフォーマット内にデッキに入れられるプレイアブルなカードが少ない環境なら、君は最初に選んだ色をもっと狙うことになる。そういう環境で無駄なピックをすれば、19~23枚目のピックで良いカードが選べなくなってしまうだろう。良いニュースは、そういう環境がここ最近は出て来ていないことだ。一番近い例は「マジック・オリジン」だろう。序盤にピックできるカードとデッキを埋める平均的なカードとのカードパワー差がとても大きかった。

もう一つの例で、私はGPニューヨークの日曜日にVIPドラフトのホストをやった。「イニストラードを覆う影」4パックでの楽しいドラフトだ。その追加のパックがあったことで、許されているアーキタイプを判別して一貫性のあるデッキを目指したドラフトをするのに時間がかかってしまった。もちろん、そうするべきだったのだが、青赤のスペルが楽しかったから(そして持っていたから)それに固執してしまった。要するに、状況次第で最初にピックした色を押し通すかを判断するべきなのだが、大抵は無理やり続けるのは間違いやすいという事だ。

★強い5マナ域を取るか、マナカーブのため2マナ域を取るか?

こいつはドラフトでずっと昔から考えられていた質問で、答えは自分がドラフトのどの段階なのかで変わってくる。基本的なアドバイスとして、ドラフト序盤は2マナ域を取るべきだ。5マナ域は後からでも取れるし、デッキの動きを悪くしてまで5マナ域を大量には入れられないからだ。もちろん、優秀な5マナ域と弱い2マナ域では、より強いカードを取る選択もある。

いくつか例を見てみよう。

(例1)
パック1 《鎖鳴らし》と《殺人衝動》をピック後の3枚目
《果敢な捜索者》か、《嵐乗りの精霊》か?

《果敢な捜索者》は悪くないが、特に目立つわけでもなければ調査をするカードも無い。それでも、3枚目にピックしても全くおかしくないカードである。《嵐乗りの精霊》も良いが後で替えが利く。さらに、君が最終的に2ピックほど続けた結論として青黒になったとしたら、君はこの色のテーマであるマッドネスに関連したカードを探さなければならない。《グール馬》と《マウアー地所の双子》はこの場合強力な5マナ域になり、また5マナ域を溢れさせたくはない。こういう理由から、この場合は《果敢な捜索者》で決まりだ。

例え別の青を含むアーキタイプになったとしても、2マナ域を先に確保しておくことで後のドラフトで柔軟に対応できるようになるし、《果敢な捜索者》がいることで調査カードを優先することも出来る。

(例2)
パック1、緑白がはっきりと空いている8ピック目。
《月銀の拘束》、《ラムホルトの平和主義者》、《狂気の一噛み》、《スレイベンの検査官》、《ナッターノルズの隠遁者》、《未知との対決》、《剛胆な補給兵》をピック済み
《ムーアランドの流れ者》か、《鼓舞する隊長》か?

キミは《ラムホルトの平和主義者》と《剛胆な補給兵》を持っているので、このピックはパワーレベルの問題になると思うかもしれない。そのため《鼓舞する隊長》を当然選ぶように見えるだろう。この環境の緑白は戦場をクリーチャーで埋めて全体強化で押しつぶす戦略が中心だ。《鼓舞する隊長》はそのどちらもやってくれる・・・完璧だ!しかし、それが完全に正しいわけではない。フォーマットのアーキタイプの中では特定のマナ域が強いカード満載になって、本来は強いカードが代替可能なレベルになってしまうケースがある。緑白の4マナ域では、君は《鼓舞する隊長》、《剛胆な補充兵》、《孤独な狩人》、《茨橋の巡回兵》、《アヴァシン教の宣教師》、《薬剤師の霊》《近野の司祭》《群れの守護獣》にアクセスできる。この半分以上は他のカードよりも優秀だが、どれも充分使えるカードであり、気が付いたら4マナ域が溢れてしまうことになりかねない。

逆に緑白の2マナ域を見てみよう。《悪魔の棲家の狐》《ムーアランドの流れ者》《物騒な群衆/》《刹那の器》《薄暮見の徴募兵》《内陸の木こり》《ラムホルトの平和主義者》《黴墓のゴミあさり》《偏執的な皮剥ぎ人》《針毛の狼》《古参の聖戦士》だ。これらの中でもゴミ漁りと《物騒な群衆》はプレイしたくない。これらのカードは弱く序盤でアタックし辛いからだ。なので、君は8種類の4マナ域と9種類の2マナ域がプレイアブルと言う事だ。マナカーブを整えるために2マナ域を4マナ域よりも多くデッキに入れたいので、君は《ムーアランドの流れ者》を、一見強く見える《鼓舞する隊長》より優先するべきだ。緑白のような攻撃的なデッキでは、序盤でプレッシャーをかけなければ後半に強力な呪文で負けてしまうので、なおさら2マナ域を揃えるべきだ。

(例3)
パック3、3枚目で、緑黒昂揚デッキを集めている。
《黴墓のゴミあさり》か、《モークラットの屍蛞蝓》か?

黒緑は他の色の組み合わせよりも優秀な2マナ域をたくさん取れるし、君はこれまで2マナ域を優先してピックしたおかげで、後で高マナ域を取るチャンスを作ることが出来た。今こそチャンスだ。その《モークラットの屍蛞蝓》を手に取ろう!

★多色のサイクルはテーマを語る

これは言うまでも無く明らかな事ではあるが、ウィザーズのR&Dは多色カード、特にアンコモンのサイクルをドラフトの道案内として入れている。もし君がアーキタイプが何のことか分からなければ、このことが良い示唆になると思う。しかし、より一直線なアーキタイプのほうが、流動的で柔軟なアーキタイプよりもシグナルとして与えられやすいという事は気を付けよう。例えば「イニストラードを覆う影」の場合、これらの多色カードは単色カードで違う色の起動型能力を持っている。《古参の聖戦士》は攻撃的な緑白のデッキを推奨する。《継続する調査》は手掛かりを、攻撃、カードの交換、死亡するクリーチャーから価値を得る・・・もっと色々なものが存在する。しかし大事なことは、これは出発点だという事だ。フォーマットが始まった直後、私は青緑デッキで何もできず負けていた。そして、もっと攻撃をするようになってから、状況は改善した。《継続する調査》は2つの効果の両方からリターンを得るためにデッキの動きにも影響する。

アンコモンのサイクルから見えないのは、君が経験とフォーマットの確認を進めてから見つけ出すサブテーマだ。例えば「戦乱のゼンディカー」から《ドラーナの使者》を見てみよう。このカードから「白黒同盟者」とライフゲインのテーマを読み取れるが、白黒は実際には「覚醒コントロール」になることも多い。《真っ逆さま》《ぬかるみの敵意》《オンドゥの目覚め》のようなカードで序盤のカード交換をこなしつつ、終盤に覚醒で1対2交換を決めてゲームに勝てる。《ドラーナの使者》はそのプランには何も関係ない。そこで、多色サイクルを簡単なマニュアル程度のように扱って、パッと見ではわかり辛い別の選択肢も検討するように心がけよう。

★まとめ

・レアが強いほどその色を狙いたいが、固執しないこと。21~23枚目のピックで無いものねだりに陥るよりは、最初は間口を広く取ってプレイアブルなカードを取れるようにすること。
・序盤は軽いクリーチャーを取ってから終盤に重いカードを取る方が一般的。アーキタイプ内のマナカーブを意識して、特定のスロットが溢れないように注意する事。
・多色サイクルは基本的なアーキタイプを示してくれるが、その色の組み合わせに含まれている全てを表しているわけではない。

(翻訳終了)

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