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無名の黒好きプレイヤーによるMTG記事の翻訳中心ブログです。ほとんどモダン。

お金が無くても統率者は楽しめる!SCGから翻訳してみた

      2016/12/29

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モダンやレガシーも同様ですが、EDH(統率者)はやはり古いカードを中心に100枚も組まないといけなくて、カードが高すぎるイメージがどうしてもあります。カードショップに行くと楽しんでいる人も結構いるけどなかなか踏み出す気になれません。しかしそんな管理人の考えをバッサリと斬るような記事を発見。

原文はこちら。
Playing Commander Cheaply by Erik Tierman

翻訳

「高いデッキしか勝てないよ!」

統率者でこういうことを聞いたことがあるかな?多分大半の人がそうと思う。もしカードが高いという愚痴を聞いたことが無いならば、君はとても運がいい。統率者のプレイヤーが嘆くのは決まってデッキが高過ぎて、金持ちでないと勝てないという事だ。

それは絶対に間違っている。

高いカードほどカードパワーも高いことは否定しない。しかし君は友達や店の仲間と遊ぶに必ずしも《Mana Crypt》、《太陽の指輪》、《Underground Sea》で最初のターンを始める必要は無い。

高いデッキが強いとか、統率者をプレイするのに何千ドルも金をかけないといけないというのは、デッキ構築やプレイングが下手なプレイヤーの言い訳にすぎない。そんな奴らの仲間にならないでくれ。フォーマットの誤解を広めないで欲しい。

★安くでもデッキは回るし、勝てる

コモンやアンコモンはレアよりも安い。もちろん、我々は新しいカードを使いたいだろう、しかし新しいセットが出て来る時、スタン落ちするセットのカードは安くなる。その時こそ使えそうなカードをかき集めるチャンスだ。

タイミングのほかにも、工夫は出来る。高いカードを買うためにも節約しよう。もう一つの楽しみはマジックの過去のセットから隠れた宝石を見つけ出すことだ。高くて魅力的な選択肢がある一方で、このフォーマットには大量のレアが隠れている。

《解体するオーグ》や《霊魂の絆》は0.49ドルしかしない。これらはゲームに勝つ、または勝利に結びつくカードだ。《太陽の指輪》でさえ、再録があったおかげでいまは数ドルで買えるようになった。

《頭蓋骨締め》は3ドル以下で、ほとんどのコモンやアンコモンは50セント、25セント(訳注:1ドル=100セント。概ね1セント=1円。)で買えるだろう。デッキを50ドル以内に抑えようと思ったら、《Demonic Tutor》や《魔性の教示者》を犠牲にしてデッキを構築しなければいけない。腕の見せ所だ。

そこで次のポイントだ・・・代わりを見つけろ

決まった勝ち筋や特別な仕組みを目指すのでない限り、ある程度は犠牲にしても問題ない。もちろん、《吸血の教示者》は一番強いだろうが、《腹黒い夢》は凄いチューターだ。《悪魔の談合》は元祖の《Demonic Tutor》よりずっと安く、バイバックの選択肢もある。《流刑への道》はモダンでもよくつかわれていて相当高くなるが、問題ない、《糾弾》、《流刑》、《外身の交換》でも必要な役割は果たせる。

《Underground Sea》は統率者では全く必要ない。もちろん一番強い2色地形ではあるが、《無限地帯》《つややかな雄鹿》《旅人のガラクタ》、《地形形成装置》を使えば2色地形が要らなくなるぐらい基本地形を並べることが出来る。ペインランド(《地底の大河》など)、M10ランド(《水没した地下墓地》など)、タップインだけど何らかのメリットがある土地(《欺瞞の神殿》、《ディミーアの水路》《水没した骨塚》)などを使えば十分なマナベースが組める。統率者はいくらでも修正が利くカジュアルなフォーマットで、何百ドルも使うようなことは99%くらいはそこまで影響はない。

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ありとあらゆるカードが統率者では代替できる。《クローサの大牙獣》は土地を調整すると同時に6点パンチも出来る。《塹壕のワーム》は3点のダメージで殴ることが出来る。《悲哀の化身》は除去であり脅威だ。どれも決して高くない。強い統率者デッキを組むのに《火と氷の剣》を買う必要は無い。

★シナジーはパワーに勝つ

文句ばかりを言う統率者のプレイヤーは、総じて「グッドスタッフ」系のデッキを組みやすいというのを知っているだろうか。例えば《妖精の女王、ウーナ》を統率者にして、強いと言われるカードや他のフォーマットで禁止されているカードを思いつくだけ突っ込むんだ。結果どうなるかと言うと、適当に組まれたパワーカードのコレクションだ。それぞれのカードは強いが、統率者では特定のゴールを目指していくデッキのほうが勝ちやすい。

例えばスタンダード、モダン、レガシーで強いデッキを考えてみよう。どのデッキも目的と言うものがある。バントカンパニーはバントカラーでとんでもなく強いカードをプレイしているが、全ての強いカードをデッキに入れている訳ではない・・・なぜなら、このデッキは《集合した中隊》を出来るだけ唱えて、そこからリターンを狙うからだ。デッキは《大天使アヴァシン》を減らしたり1枚しか入れないなど純粋なカードパワーを犠牲にして、《集合した中隊》から大群を生み出すために《跳ねる混成体》を4枚デッキに入れている。

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《大修道士エリシュ=ノーン》はとても凶悪なカードだが、クリーチャーが薄いデッキは他のアンチカードの方が効果がある。黒を含むデッキなら《虐殺のワーム》が魅力的になる。総合力は劣るかもしれないが、二つ目の能力が勝ち筋になる。先ほど説明したウーナのデッキはカウンターを積んでいる可能性が高く、《謎めいた命令》は特にトップクラスのカウンターではあるが、《放逐》がマナ的にも金銭的にも安く、ほぼ同じ仕事をする。《まごつき》はけっして楽しいとは思えないが、相手がカードを読んでいる間にライブラリートップを並べ替えることぐらいは出来るだろう。

★回答のカード

相手を止めるための回答になるカードは安い場合が多い。《神の怒り》や《審判の日》は高くないし《忘却の輪》は特に安い。《破滅の刃》とあらゆる亜種もお手頃価格だ。《塹壕のワーム》を先ほど紹介したが《幽霊街》も2ドル以下で《地盤の際》も十分安い。《露天鉱床》は《地盤の際》より少し高いくらいだ。

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オススメの代替は盗むことだ。もしも君が本当に自分で強力なスペルを唱えることが出来ないならば、《精神の制御》などで相手から奪えばいい!ついでにサクリ台もあればなお良い。《妖術師の衣裳部屋》があれば、盗んだものを永久に自分の者に出来る。

★プレイングを強化する

さて、高額のカードが決して「必須」ではないというのは分かってもらえただろう、次に進む時だ。問題を解決できずに嘆いているなら、それは停滞と言う。もしそうなったら記事を読もう。インターネットには統率者を扱うブログやツイッターの議論、様々なウェブサイトがある。君の統率者ライフを助ける無料のメディアを見るんだ。そして読み、聞いて、考えよう。

もちろん君がこの無料の記事を読んでいるなら、統率者の情報はほとんどがタダで手に入る事は言うまでもないだろう。大事なのは、「高いデッキしか勝てない!」と文句を言う友人がいた時に、これらの情報を教えてやろう、という事だ。

キミの統率者を大きくしていくだけでなく、君のグループやプレイの楽しみを考えるのも重要だ。トーナメントではメタを読んで勝てるデッキとサイドボードを予測することが大事だ。統率者ではそこまで厳密に分析する必要性は無い。しかし目を向けることは出来る。グループの流行りを見つけよう。

傾向はいろいろある。特殊地形、ライフゲインが少ない、ライフゲインが過剰、トークンが溢れている、エンチャントやアーティファクトが多い、序盤のプレイが無い、そんなあらゆる要素の事だ。そこから環境が何に弱いかを考えて、その弱点を突く。

特殊地形はプレイヤーに《発展の対価》、《ドワーフの爆風掘り》のリスクを与え、《破滅》《硫酸の波》で大惨事だ。トークンは異なるアプローチが必要になるが、《悪性の疫病》《破滅的な行為》《残響する真実》《紅蓮地獄》で止まる。こういったカードであれば君の相手は回答できなければ負けてしまう。

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もう少し先に進む方法の一つに、ゲームの進行を把握するというものがある。ゲームの序盤から中盤、中盤から終盤へと移行している流れを把握するのだ。あらゆるゲームにおいてこのゲームの進み具合を見極める能力は多人数戦で重要になる。それはボードゲームでもビデオゲームでも、カードゲームでも同じだ。

統率者の基本的なゲーム進行では、序盤戦は準備、中盤は脅威を展開していき、終盤でプレイヤーを脱落させる。君が遅れているのであれば簡単に脱落してしまうだろう。中盤で沈むと簡単にゲームから消されてしまう。この変化を予測して相手より先に動くことが出来れば、もし対戦相手がこの動きを分かっていない場合大きなアドバンテージになる。

★基礎を身につける

最後に基本を見直しておこう。これだけ多くのプレイヤーがスキルを身につけるためにシールドやドラフトをプレイするべきだと言うのには理由がある。もし誰かが多人数戦で勝つにはお金を使うしかないというのであれば、彼らはもう一度マナを正しく効率的にタップする基本を見直したほうが良い。多くのプレイヤーは2色土地や3色土地を出来る限りアンタップしたままにする。そうしておけばあらゆる選択肢がブラフになり色事故を少なくすることが出来る。

二色の土地が無ければ、《対抗呪文》のために「青青」《剣を鋤に》のために「白」を構え、《クローサの掌握》のために「2緑」を確保できなくなる。だいたい分かっただろう。プレッシャーの中では物事は変わるかもしれないが、それでもデッキは適切にマナを支払わないといけない。練習はキミのデッキを扱うための精神的なメモリーを広げ、負担感を減らす。自分のマナの扱いが上手くなり、相手の行動をしっかりとチェックすることが出来るようになる。

それから、マナカーブ、マナカーブ、マナカーブを考えるんだ。君と一緒に遊んでいる友達が高いデッキが勝つと言っているなら、マナカーブを見直そう。そう、統率者でもマナカーブは重要なのだ。最終的に《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を唱えようと《ダークスティールの巨像》を唱えようと構わない。デッキに2マナ域と3マナ域があって6マナ域に加速できるようになっているか、ということだ。

★まとめ

マジックがある程度の収入が必要な趣味であることは分かっているが、だからと言ってそのために破産することは無い。アンコモンとコモンは十分安い。シナジーを最大限にすることで、個々の弱いカードでもゲームプランに沿った強力なカードに変わる。

《トゲ撃ちの古老》は大したことが無いが、《水銀のガルガンチュアン》でコピーすれば7点のダメージを「1RR」で自在に飛ばすことが出来る。攻撃的な赤緑のデッキはこれらの二つのカードでハイリターンを得られる(《トゲ撃ちのゴブリン》と《もう一人の自分》でも同じことが出来る)。そして必ず基本に帰ることだ。良いプレイング、シナジー、そして安いカードをチャンスを見つけて手に入れることで良いデッキが組める。

そして、これはカジュアルフォーマットだ。グランプリに行くのとは違う。統率者では、夏休みをまるまるデッキを組むのに使っても問題ない。君は準備が出来てから秋にプレイしても構わない。今のうちに隠れた宝石を見つけ出すことに集中するのも良い。忘れないで欲しい。「カードの金額」=「カードの強さ」ではない。

(翻訳終了)

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